ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062755542

作品紹介・あらすじ

ST山吹の真意とは――
心の闇、心の扉
新興宗教の若者4人は集団自殺をしたのか

密室状態のマンションの一室で、若者4人の死体が発見される。彼らは皆新興宗教団体の信者たちだった――。集団自殺と片付けられかけたが、STは他殺の可能性を追う。入り組んだ宗教団体内の人間関係と、揺れ動く人間心理。僧籍を持つST山吹が、事件だけでなく人の心の裏側を解く、「色シリーズ」第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 宗教法人が所有するマンションの一室で4人の遺体が発見された。僧籍を持つ山吹が活躍する本書は、人の心の弱さと、宗教に対するフラットな視点という二つの柱があったように思えた。塚原刑事、山吹、そして容疑者達の、宗教というものに対する台詞回しが興味深かった。曰く、元始宗教と科学は一体だったが、科学の発達によって宗教は取り残された(科学の残滓)。曰く、聖書に登場する数字の秘密=数秘学。前巻『赤の調査ファイル』に続く村上貴史氏の解説に出てくる本も読みたくなった。

  • 山吹才蔵を主役にすえた色シリーズ第三弾。僧侶である山吹が主役だけあって、被疑者と座禅で向き合うシーンではお寺の静謐さが伝わってきます。

    犯人である町田が起こした殺人はちょっとした疑心暗鬼が生み出したもので、なんとも物悲しい事件といえるでしょう。すべての真相が明らかになったときに町田に対してかけた山吹の言葉は彼らしさに溢れていましたね。

  • さてさて、STシリーズの中の色シリーズ。今回はSTメンバーの僧侶山吹さんが、メイン。ということは、宗教がらみの話。いつもの下りではお経しか挙げていないのだけど、彼が解決のヒントにたどり着く?なかなか、一人一人にスポットを当てられないしいつも輝いているのは、翠と青山。これを読んだら、少し座禅に行きたくなったなあ。
    本の中で、座禅をするシーンが出てくるのですが、痛みに神経を集中させると痛みが増す。そんなときは全く違うことに神経をずらすと痛みが消える。。というか痛いのは変わらないのだけどそういう感覚から心を開放すると感じ方が変わる。これは、色々なシーンで使えそうな気がしました。

  • 宗教と科学…初めて聞いたけど妙に納得した。座禅ってしたことないけど、一度くらい体験するのもアリかな。

  • 密室状態のマンションの一室で、若者4人の死体が発見される。彼らは新興宗教団体の信者たちだった。集団自殺と見られた事件。だが、STは他殺の可能性を追う。教団内の人間関係の迷宮、揺れ動く人間心理。僧籍を持つST山吹が、人の心の裏側を解く。最強チーム警察小説「色」シリーズ第3弾。

  • シリーズ5冊目。宗教団体に所属する若者4人が練炭自殺に見せかけられて殺される事件が起き、僧籍を持つ山吹が活躍する話。キャップ百合根と容疑者が山吹の寺で座禅するのシーンが面白い。お坊さんいいこと言うなといった感じ。

  • 若者四人の集団自殺と思われた事件。新興宗教が出てきたのでてっきりカルトかと思ったらそうでもなく。特別な世界かと思っても人が集まって揉める理由なんて大差ない。悲しい誤解の末の殺人、何気ない一言が他人を追い詰める。山吹のお寺での百合根の座禅の話を読んでたら座禅を経験してみたくなった。

  • 阿久津が所有するマンションで4人の若者の遺体が見つかった。七輪と窓に目張りをしていた事から自殺が疑われたが、不審な点が多くありSTが調査を始める。所有者の阿久津は苦楽苑と言う小さな団体の教祖だった。4人の若者も苦楽苑に通っていた。悪口を言われて、信じられなくなり、全ての事を悪い方に考えて最悪な結果を招いた本当に後味の悪い事件でした。

  • 既読本。記録のため登録

  • #読了 僧侶でもある山吹さんがメインの巻。STの良心というか、一番社会性がありそうな山吹さんだけど、結構人を突き放すようなところがあって私はすこし苦手だなーって思ってたんだけど、この巻で山吹さんの人となりがわかって好感度爆上げだった。この巻に限らず、山吹さんの宗教談義は思い白い。モスクワとかでも思ったけれど、そういう話もっと読んでたいって思ってしまった。
    事件の結末は、なんというかあまりにも可哀想。社会性の未熟さ、拠り所を求める不安定さ、そして思い込みの激しさが、物事を悪い方に悪い方にとらえてしまってああなったのかな……。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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