四季 春 Green Spring (講談社文庫)

  • 講談社 (2006年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784062755689

作品紹介・あらすじ

科学者・真賀田四季。
幼くして発現する、真の天才。
圧倒的人気のカリスマ、真賀田四季の物語、第1弾。

天才科学者・真賀田四季(まがたしき)。彼女は5歳になるまでに語学を、6歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。圧倒的人気の4部作、第1弾。

みんなの感想まとめ

天才科学者の幼少期を描いたこの作品は、真賀田四季というキャラクターの圧倒的な知性とその人間性に迫ります。彼女は幼い頃から語学や数学、物理をマスターし、その思考の速さや独自の視点に読者は驚かされます。森...

感想・レビュー・書評

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  • 春はそう、「四季」の始まり

    森博嗣さんの作品にどっぷりハマり読み続けて来た中で楽しみにしていた「四季」シリーズに辿り着いた。犀川先生や西之園さんのS &Mシリーズや、紅子さんや保呂草さんのVシリーズの根底にずっと流れていた「彼女」の存在が、「彼女」の始まりが、周りの人との交流を軸に深掘りされ始めていた。

    天才はそう、自分のもつ天性のギフトに対しての肉体的な、時間的な、人間関係的なキャパをオーバーしてしまう。私たちが精一杯生きているこの世界の見え方もまた違うように、天才である「四季」にとってはそれは自由ない存在になるための足枷になっている部分もある。それを思うと「すべてがFになる」や「有限と微小のパン」などで描かれていた行動や思考にも我々には観測できない筋道があるのだなと思った。

    この天才「四季」と登場人物との距離やズレといったものは同時に天才「四季」と私たち「読み手」との距離やズレ、それは二次元的な存在である小説と我々が生きている高次元の実世界という一見すると我々の方が明らかに上位存在であるのに、そうとはならず二次元存在の小説世界の方が実世界を遥かに超越している。

    「四季」と我々との間の次元的なズレの間にある魅力に我々は引き摺り込まれ、小説世界に引き込まれていると同時にそこで明らかに理解を超えた存在である「四季」と出会う。

    読み手が主体で行っている行為としての読書に意志を持たないはずである小説側からまるで読まされている、読み進めるように手を動かされている、そんな魅力や魅惑が小説世界の「四季」には存在していた。

  • 真賀田四季の天才性はここまでだったとは……。自分も四季と同じ幼少期を過ごしたはずなのに、あまりにも共感できないその人間性。ほんとうに6歳の人間の頭脳なのか、これが?たしかにこのまま成長したら、有限と微小のパンで描写されていた、肉体さえ超越した存在へ辿り着くのも納得いきますね。ただただ驚愕した一冊でした。

    森博嗣先生の描く天才キャラは本当に引き込まれます。これまで読んできた創作物で登場してきた天才キャラは、イコール計算ができるみたいに描かれがちでした。また、TVでもハーバード卒のアスリートなどが出ると「計算され尽くした〜」など、至極どうでもいい実況が入ったりすることからも、「天才=計算が早い、難しい計算ができる」とされることが多い印象です。しかし森博嗣先生が描く天才は違います。言葉のチョイス、思考の速さ、見ている景色の違いなどで、天才という言葉に妙に納得できます。この表現力、本当に素晴らしいですね。

    さて、次は夏。13歳、孤島の事件の真相がわかるということで、来年も引き続き、森ミステリを楽しんでいきたいと思います。

    ※余談
    各務亜樹良、紅子、萌絵の父親が出てきたことで、S&MとVの時系列が違うのは確定っぽいですね。この辺りも楽しみ。

  • S&Mシリーズ、Vシリーズと読み進め、四季シリーズに突入。一冊目の春は、真賀田四季の幼少期が描かれる。予想に違わず末恐ろしい子…!
    『すべてがFになる』では、天才が故の歪な人格に少し嫌悪感を抱いていたが、子どもの頃からここまで突き抜けてたら、まぁああなるよね。
    途中、同名の中の人と外の人に混乱させられながらも、それすら心地よく感じさせるのは森作品の魅力。

  • 一気に読んでしまいました。登場人物が複雑な話でした。四季の思考の速度を表現する森博嗣氏の文章が素敵でした。
    Vシリーズから引き継いだ謎がここで解消されてとてもスッキリです。

  • 四季シリーズ、春、読了。
    面白い。主語が変わる。これは誰だ?今度は誰目線で語られているのか。と考察しながらストーリーを愉しめます。
    移動中に読みましたが、ハマりました。
    中断を強いられると、展開が気になりながらも愉しみを伸ばすことができました。笑

    「すべてがFになる」が未読なので、そちらも読んで四季シリーズをもっとよく知りたいと思います。

  • 最近忙しかったので、それが終わって、本が読みたいなって再読したのがこれ。わたしの毛細血管に流れているような気がする。

  • 天才・真賀田四季がメインの物語。四部作と言うことで春は四季の幼少期のお話でした。

  • 頭がいい人の本でさ。

    頭がいい人の頭の中の記述があるんだけども、
    理解できないけど、めっちゃ頭よ!ってのと、読めちゃう、読ませちゃうセンス!

    それが森博嗣の才能のすごいところ。

    わかんないのよ。
    頭いい人の頭ん中なんて。
    でも、読めんの。
    なんだかね、サラーって読めるのよ。
    これ、ね。

    書き方のセンスと思う。
    本当、本を書くセンス。
    意味不明なことを文字に起こしてそして、人に読ませるセンス!

    中身もぶっちゃけあんまよくわからんかったさ。
    でも、あぁ、楽しかった。なんだこれ。いやぁ、すげぇや。
    って思うのよ。
    意味わかんないとこたくさんあったのに。

    それすごいよね。
    なんだか分からんのに、面白く感じるって。
    文字の流れなのか、なんだろう、なんなんだろう。
    分からんけどわかったのか。
    なんか、私までちょっと才能ある気にさせるわ。
    本当。
    すごいのよ。森博嗣。

  • 何度目かの再読。四季シリーズ第一弾。天才、真賀田四季という存在の残像を追える作品。彼女の速すぎるスピードには結局誰もついていけないということは、天才にとって不幸なのかそれともどうでもいいことなのか。真賀田四季を知ることで、更に森博嗣先生の作品に深みが生まれるようなそんな一冊。

  • ストーリーが難解だったー
    読み直さないと理解しきれてないかも…|ω・*)
    早めの段階で多重人格ものだとは勘付くんだけど、二人の基志雄と二人の「僕」での視点が入り乱れてるのと、それぞれの人格の心の中?の描写があるので、実世界ではどうなってるのか…。

    真賀田基志雄(と透明人間)は本当に実在するの?
    (全員が真賀田四季の人格の一人だったり?)
    こんがらがってるので近いうちに再読します。

    瀬在丸紅子が登場するのでVシリーズも読まなきゃ。(黒猫の三角だけ読了)

  • 透明人間は最初から四季の創造物?
    四季はS&Mシリーズの重要人物と知って、四季シリーズのみならず、「すべてがFになる」を近いうちに読まなければと誓った読後でした。

  • 真賀田四季という天才のエピソードが綴られた本。
    幼い頃の彼女が、何をどう考えていたのか。

    真賀田四季の別人格「栗本基志雄」の一人称「僕」と、
    真賀田四季の兄、真賀田基志雄の別人格「透明人間」の「僕」

    途中で少々混乱してしまった。

    私のような凡人には、天才の思考は難解で、
    これまでのシリーズの中では一番読み進め辛かった。

  • S&Mシリーズに登場した天才科学者・真賀田四季の幼少期が描かれた物語。四季シリーズ4部作の1作目。

    6歳にして卓越した頭脳と圧倒的なカリスマ性をもった天才・真賀田四季とはどんな人物なのかが描かれていきます。

    S&MシリーズとVシリーズの登場人物も登場します。少なくとも、この2シリーズ全冊を先に読んでから本書を読むのが一番です。

  • 真賀田四季の幼少期。
    Vシリーズラストの瀬在丸紅子と真賀田四季の出会った時の四季の状態が詳しく書いてあった。
    まさかそんなとこまで考えて書いていたとなるとやはり森博嗣さんはすごい…。
    「夏」が非常に楽しみです。

  • 創作において天才キャラというのは作者の力量が問われる非常に高いハードルなのだけれど、軽々と越えるどころかもはや雲の上。     
    しかし各務がこんなにガッツリ関わってくるとは驚いた。   
    そして聞いたことある名前はちらほらと登場。    
    なるほど……つまりは……、そういう……。

  • 新シリーズ!
    とりあえず一気読み!しびれたわっっ!!

  • 220222*読了
    いやもう、おもしろすぎるだろ!!
    四季の少女時代。
    Vシリーズの赤緑黒白で、もしかして?と思っていて、続けてこの小説を読んだことで、あーーー!そういうことだったの!と驚きと納得の波が押し寄せてきました。
    まさかすぎるよ、本当に。
    「すべてがFになる」の時点からこの構想があったのだろうか。
    すべてを分かりながら読めたわけではなくて、読みながら「???」な場面もあったし、今もまだ「こういうこと、だよね?」と確信が持てずにいる部分もあるのだけれど、それでも超絶おもしろかった。夢中。
    スーパーハイパー天才、この世で唯一の天才が、これからどんな風な人生を歩んでいくのか。
    さて、今から「四季 夏」を読みます。

  • 森作品再読の度に言ってるけど、面白かったーー!!!
    真賀田四季、本当に興味深いしなんて魅力的なキャラクタなんだろう。
    紅子さんも、西之園博士も、萌絵ちゃんも、各務亜樹良も出てきて、ここまで読んできた身としては贅沢すぎる豪華キャスト。あー楽しい。作品同士の繋がりがとんでもなく好き。
    森博嗣が書くのをやめたとき(書き切った時)、一体どういう世界が見えるのか本当に楽しみ。

  • 天才、真賀田四季の幼少期の物語。すべてがFになるを読んで、真賀田四季という人物について知りたいと思い読んでみました。

    一人称が「僕」である複数の人物(人格)が主体となって話が進められるため、誰が話をしているのか混乱してしまう話でした。

    天才の思考は、このような思考なのかと感動させられる一方で、内容を理解するのは難しかったです。

    S&Mシリーズ、Vシリーズといった他の森作品を読んでから、再読したいと思いました。

    本作を読むにあたっては、ある程度登場人物を理解してから読むのがオススメです。

  • 【2026年47冊目】
    天才・真賀田四季の幼少期のお話。最初はただ頭が良いだけの少女だと思われていた四季だが、幼少期より、その才能は異質さに秀でていた。四季と言葉を交わせる数少ない存在の「ぼく」と共に、幼少期の春を過ごす物語。

    再読です、すっかり忘れていたので楽しく読めました。子どもであることのハンデは無限にあるやりたいことを実現するためには足りない体力と知識の不足だけ。その存在そのものが周囲を圧倒させる存在、それが真賀田四季、その人。

    視点として語られる「ぼく」と共に、四季を追いかけるようなお話でした。途中からおや、と思ったのは再読だったからかもです、初見だと気づかなかったかも?

    好きなシリーズなので再読も楽しいです。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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