九十九十九 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 858
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756242

感想・レビュー・書評

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  • 舞城で一番ぶっ飛んでると思う。

  • 前話が次の話の中で作中作として消化されていく入れ子構造をとったとんでもなくメタメタな作品。
    一見すると意味の見えない行動、現象もその後の話の中で見立てとして回収され、意味のないものを全て消し去る勢いであらゆるものに意味付けがなされていく。
    作品内で自分が登場する小説を読まされる九十九十九は読者の視点を共有しながらも自身が虚構内の存在にすぎないためどっちつかずの宙ぶらりんな状態に放っておかれる。
    その不安定さをだんだんと九十九十九自身自覚していき、最終的にはその不安定な状態を積極的に肯定する形で作品は終わる。
    東浩紀の『ゲーム的リアリズムの誕生』で取り上げられていた通りの解釈だけに留まる作品とは思えないが、繰り返される物語と増殖するプレイヤー=九十九十九の部分は確かに一部分言い当てているように思える。
    最後の一文「その一瞬の永遠の中で、僕というアキレスは先を行く亀に追いつけない」がたまらなくかっこいい。

  • 途中まで物語の構造をある程度把握してるつもりで読んでいたのだが、九十九十九が複数人登場し出す辺りから訳が分からなくなった。「不可能性の時代」(大澤真幸)の207ページ以降を読んでさらに混乱。この本ってそんな話だったの?!
    もう1回読まなければ、頭の中で整理出来なさそう…。

  • すごいね。
    めちゃくちゃな設定とグロい描写で惑わされるけど、文学的にうならせる表現が随所にある。加えてストーリーでも感情を揺さぶられる。
    しかし、普通の人間である私には、いささか持て余さざるを得ない。
    清涼院作品よりはまともかという気にはなる。
    紙一重なんだろうなあ。
    「煙か土か…」は傑作だと思ったが、ここまでぶっ飛んでしまうともうついていけない。

  • 2019/01/05 廃棄

  • 一応ファンタジーに分類。清涼院流水のJDCシリーズの名探偵九十九十九(つくもじゅうく)を主人公にした作品。シリーズ自体一部しか読んでないこともあるかもしれないが、誰これ?
    たまに尋常じゃなくセンスのいい文章が紛れているのだが、あとは何がなんだかよくわからない上に、いちいちグロい。細切れで読んだからかもしれないが、最後の謎解き?も、確かに清涼院流水の作品に似通うところがないではなかったが、それまでの流れが既に追えなくなっていたので、うーん、という感じであった。本当の十九(何人目?)にあいたいので、 別シリーズを読むことにしようかな。

  • 訳は分からない。しかし泣いた。

  • 「だからとりあえず僕は今、この一瞬を永遠のものにしてみせる。僕は神の集中力をもってして終わりの時間までを微分する。その一瞬の永遠のなかで、僕というアキレスは先を行く亀に追いつけない。」

  • 九十九十九はその名前を理由に3人いる。最後にラスト6話の九十九十九と前章7話の九十九十九が戦って、更には1話から通して世界を経験している九十九十九とも戦う。戦いを通じて、ラスト6話の九十九十九は次の新7話に移行することを拒む。だけどなんだかんだ6話にいちゃいけないと6話のお嫁さんに説得されて新7話にいくことを決意する。まだアポカリプスの見立ては終わってない。
    家族愛の存在を信じ、その在りかを求める九十九十九永遠の旅。
    登場人物はオリジナルでなくJDCものなので、この後のディスコ探偵水曜日のための習作なのかなと思う。

  • 元の探偵ものシリーズのトリビュートとのことですが、未読のままこちらを読んだ自分も問題なく楽しめました。
    (wikiの該当キャラの項目を先に読んでおいたほうが面白かったかも?)
    それを踏まえても、元小説のファンはこの内容で怒らなかったんだろうか?と心配になる^^;

    ●以下ネタバレ
    章の順番がめちゃくちゃなところからも、この小説がどういうものかがわかる訳ですが、色々時系列を気にして頭を回転させながら読んでも、ああ、そういうことなの・・・みたいなオチだから脱力すると同時にその疲労が全部悲しみに変わるストーリー構築なので再読する自信がまだ無い。

    つくもかわいそうすぎるやろ・・・

    ●以下ラストネタバレ
    ラストの「アキレスと亀」の引用は、時間をどんどん分割していくことによってはたからみたら永遠に静止しているように見える、ということを言っていると思う。
    つまりカーズ様よろしく「考えるのをやめた」のだから結局目覚めないんじゃ・・・という結論になってしまって悲しい。
    ていうか元々加藤さんちの地下室から出てないんじゃないかと思うんだけど・・セシルとセリカも本当はいないんじゃないかな。

    って考えると本当に悲しいのでちゃんと目覚めて現実と向き合う展開で終わってほしい訳ですがそうなるともう別の小説なので続かないんだろうなあ

  • メタメタしてる。

  • グロイしエロい。またそれがさらりと書かれているところが
    さらに気持ちを悪くする。本を読んでいて気持ち悪くなったのは初めてかも。まともに読んでられず、飛ばして、飛ばして…

  • コズミックからの流れで読んでみた。
    が、意味分からないし、エロだし、グロだし、パラレルワールドだし、最低だった。途中でやめておけば良かった。時間返して欲しい。

  • 清涼院流水作品は未読。とにかく過剰のアクセル全開の上、グロいしメタだしで読んでいて疲れた。メタ度は『匣の中の失楽』以上と言っていいのではないか。
    しかし、私は舞城さんのしょーもないギャグになぜかけっこう笑ってしまうのだ。この作品でも、「名探偵大爆笑カレー」という名前が出てくるたびになぜかあははと思ってしまった。なぜだろうな。

    とはいえ、書いてあることは他の舞城作品と共通している。現実を認めること、自分で選ぶこと、そしてやっぱり家族愛。この人の愛情の書き方は、本当にドメスティックだなぁ。

  • 『世界大戦中に発生した大量死への反発が《特権的な死を死ぬ》ための装置としての推理小説の隆盛を呼んだという考え方があるらしいが、推理小説における死は本当はまったく特権的なものではない。

    本物の特権的な死というものは皆に惜しまれて死ぬ死であり病苦に耐えて生命の活力を全て使い果たした挙句にやってるく死であり家族や友人や多くの知らない人たちに看取られる死であり死にたくて死にたい方法で死にたいときに死ぬ死であり死ぬべくして死ぬ死である。

    特権的な死とはあくまでも現実で日常にある、穏やかで威厳に溢れた死だ。』

    笠井潔に対して言いたいことがありそうだが、本作で何が言いたいのかは良く分からない。

    本当に意味不明な作品だった。久しぶりにギブアップ。

  • 清涼院流水ってやっぱすごい。

  • なんやこれは。二番目に読んだ舞城作品。移り変わっていく世界にびっくりして、でもすごいスピードで進んでいくのに必死でしがみついてた。

  • あたまいたい りかいぶそくってか途中でほうきした

  • 2014年の1冊目。
    これまでに読んだことのないタイプの小説だったのでものすごい衝撃を受けました。
    面白いことは面白いのですが、粗筋が説明できない。それくらい難解。
    でも不思議な中毒性があるので、もう何回か読み直すかも…

  • わけわからんかった。清涼院流水知らないし。大感動した『阿修羅ガール』の直後にこれを読んだのは失敗。すごく読者を選ぶ小説。私はついてけなかった。(一応最後まで読んだけど)

  • やあ、わけわかりませんね。
    「ミステリ小説破壊小説」なのかな、と思う。
    「見立て」や「語呂合わせ」、それから「裏の裏をかいた推理」というミステリ小説で読者をだます手段がこの本では冗談かというくらいにはぐらかしを受けてめちゃくちゃに破壊されている。「手段」が壊されている。

    序盤は楽しめたのだけれど、その後メタメタだとわかると、さすがになんかもー付き合ってらんねーという気分にはなる。
    でもやっぱ突拍子もないところからの飛び道具攻撃は、すごい。助走なしの棒立ち状態からの表現の瞬発力というかね。

  • 舞城王太郎の九十九十九は、やっぱり舞城王太郎の九十九十九でした。
    てか、加藤九十九十九って! 名字、別にあるのかよっ、みたいな。

    キャラも全然違うしね。

    あたしとしては、舞城王太郎の九十九十九の方が好きです。
    というのも、清涼院流水の九十九十九は、なんか人間味がない。
    で、それゆえにあまり魅力的とは思えないのだけど、舞城王太郎の九十九十九は、それとは違って、全然完璧でなく、悩んだり、迷ったり、困ったり、いろいろ「ふつー」だから。
    とはいえ、清涼院流水の九十九十九とは違う意味で、人間を逸脱している感は否めないけど(目玉の取り外しが出来たり…)。

    ストーリーの方は、ん〜…ぐちゃぐちゃ?
    九十九十九がいっぱい。
    舞城王太郎のこういうジャンルの本の書き方は、考える暇を与えないくせによく考えないとわかんない、っていう…。

    その複雑ぐあいは、もう、目次構成で一目瞭然です。
    1章→2章→3章→5章→4章→7章→6章。
    目次で章を入れ替えるって、初めて見た。
    びっくりです。
    単純に入れ替わってるだけだったら、まだ混乱しないけど、これは…この書き方は…そりゃ、何人もの人が「5章以降わからなかった」って言うわけだ…。
    興味がある人は直に読んでみて下さい。
    この複雑加減は、読まなきゃわからないのです。

    さて、長くなってきたので、最後に、この本の主題とはまったく関係ないところで一番おもしろかったとこ。
    それは、清涼院流水のJDCメンバー、それぞれの推理法に対する記述です。
    みんなそう思ってて、言わずにいたのに…みたいな。
    抜け駆けちっくです。
    …でもこれも、あたしがここで引用するより、直接読んだ方がおもしろいと思うので、JDCについて多少知っていて、興味がある方は、書店で流し読みでもしてください。

  • 文章を必死に追いかけて、そのシーンを想像するのは楽しかった。だけど意味不明。
    何年も前に読んだけど、何年も忘れない内容。だけど意味不明。
    結局主人公はどうなってどういう話だったのか誰かに説明してもらいたい・・・

  • 一般論に「世界を変えたければまず自分が変わるべき」というのがありますね

    そりゃ、物事の順番として
    「まず自分が」というのがスジであろうと僕なんかも思う
    しかし、そうであるからといって、いったい誰が保証してくれるだろうか
    「自分が変われば世界も変わる」なんてことを?
    そうだ、自分を変えたからといって、それに合わすように
    世界のほうでもその形態を変えてくれるわけでは、必ずしも、ない
    特に、彼がこの世界における「異物」だったりなんかした場合にはね
    そして、世界の変わらないことを「自分の変わりかたが足りないからだ」
    「自分の変わりかたが間違っているからだ」
    などと思い詰めたあげく
    寛大さや誠実さや正直さなんかをかなぐり捨てて
    モンスターになっちゃったりする人も、まあ、いたりするわけだ

    そんなことになるぐらいなら、一生自分の殻にとじ込もって
    妄想の世界に生きたほうがマシかもしれない
    けれども、人は老いてゆくものであり
    老いは人を否応なしに凡庸な死へと追いやる
    だから、やっぱり
    アキレスは立ち止まることなく亀を追い越してゆくべきなんだ
    それがどんなに恐ろしいことでも
    後悔のないように、手遅れにならぬうちに

    平行世界モノに見せかけて、これは一種の夢オチであると思う
    主人公の「メタ探偵」ぶりは第一話から圧巻、なんだけど…

  • 文は好きだったけどグロいのか…

  • 今のところのワーストカオス小説。ここまでの世界観を作り上げた作者に万歳。でももう読まない。

  • これはまた、あまりに難解で、何回読んでも(駄洒落じゃないよ)話の階層が把握できない、舞城ワールド全開の一冊でした。メタメタメタメタメタ構造、みたいな。第1話・第2話・第3話・第5話・第4話・第7話・第6話という目次の並びから、くらくらと眩暈。
    基本的には、各章が小説という形で次章の主人公=九十九十九に送られるっていうメタのマトリョーシカ的な構造になってるんだけど、章をまたいだタイムリープがあったり「創世記」と「ヨハネの黙示録」の見立てがメタ世界を繋いだり…と、まあとにかくなにがなにやら。
    でもカオス具合と世界観のでかさでは、『ディスコ探偵水曜日』が一枚上手かなあ。

  • ―――「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」。
    聖書/『創世記』/『ヨハネの黙示録』の見立て連続殺人を主旋律に
    神/「清涼院流水」の喇叭が吹き荒れる舞台で踊りつづける
    超絶のメタ探偵・九十九十九の魂の旅が圧倒的文圧で語られる。


    舞城王太郎二作目若干表紙に惹かれたとこもあるけど
    ちなみに読み方は「つくもじゅうく」

    もうね、ハンパじゃない
    現実と小説と嘘と真実とメタが
    何層も何層も折り重なって
    読んでるうちに、脳みそを直接揺さぶられてる感覚をあじわえた

    でも エログロ含め、あらゆる意味で
    露骨な表現が多用されてるから
    そういうのに免疫というか耐性のない人にはオススメできない

  • 本家のJDCシリーズが好きで手を出してみたものの、ジョーカーを超えるメタメタな感じに頭がついていけなくなりました。
    これを理解出来る人は頭がおかしい。(良い意味で……?)
    最終的に全部受け入れるしかなくなっちゃいました。舞城作品って基本的にそんな感じだと思うんですけど、これは群を抜いてそうだと思います。

  • マトリョーシカだと思っていたら、(仏教用語で例えるのはあんまり適切じゃないけど)まさかの九品仏的世界観だった、っていう。
    個性的な文体も割と気に入ったし、言葉遊びもメタメタな世界観も平気だったんだけど、とにかく空気が下品。同じ重さでわくわくとげんなりが交互に襲ってくる感じだった。本当はこの作者の別な話を進められていたのだけれど、手を出そうか迷う。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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