NO.6 〔ナンバーシックス〕 ♯2 (講談社文庫 あ 100-2)
- 講談社 (2007年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062756358
作品紹介・あらすじ
2017年。聖都市「NO.6」を追われた16歳の紫苑がはじめて目にする外の世界、そして現実。ぼくは今までいったい何を知っていたんだろう?何を見ていたんだろう?ネズミと暮らし始め、懸命に生きようとするが、「おれとNO.6、どちらを選ぶ?」と問われた紫苑は…。加速する運命が二人を襲う。
感想・レビュー・書評
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ネズミの方が頑なすぎる印象で、紫苑は確かに能天気すぎる。歩み寄らない感じが非常にもどかしい。
テーマがテーマだけに簡単に歩み寄ったり妥協するとなると嘘くさいけどね。
ここから沙布や力河さんがどう関わり話が動いていくか楽しみ。
二人が同じ方向を向いて走り出すことができるのか。 -
次巻に何かが起こりそうな予感を漂わせる2巻。
ネズミの過去が物凄く気になる。
そしてお互いの存在によって2人はどう変わっていくのか。
この巻で一番印象に残ってるのが紫苑がリコとカランに本を読んであげる所。
優しさはいつも正解だとは限らない。 -
いろんな意味で微妙なバランスの上に立っている感じがドキドキハラハラ。
あとがきにあったように、NO.6 : 西ブロック=先進国 : 途上国 という図式は否めない部分も多く、一所に集中した富はその狡猾で傲慢な振る舞いによる搾取の産物だという人間のひどい部分に目を背けたくなる。
対して、2人が正面から真剣にぶつかり合って血の通った人間同士の関係を築いていくさまは、美も醜もすべて合わせた上でやっぱり美しいと思う。 -
この作者の書きたかった世界観が何となく分かった気がする。で、私は今no.6の住人側ってのも実感。アニメに追いつかれない程度の速度で読めればいいかなぁとか思ってたんだけど入り込んじゃいますね。ネズミと紫苑のやりとりが好きです。
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遂にNO.6の外に出た紫苑。イヌカシといった西ブロックの住人達も出てきて物語が一気に加速する。
閉鎖状態のNO.6に住んでいた紫苑にとっては過酷な現実が次々と襲ってくるが、それでも人に優しい紫苑。そんな紫苑に対し複雑な感情を持ち始めたネズミ・・・ツンデレですね、わかります。
巻の最後にはさらに急速展開が待っていたわけだが、ネズミしかしらないその真実を紫苑に対し言うのか・・・次巻も気になった。 -
2010/04/27再読
紫苑が世間知らずなのは、別に紫苑のせいじゃないのではとおもう。そういうふうに強制されてきたからだ。自我の確立していない時期から統制された環境にいて、違和感を感じ続けるほうがよっぽど難しい。それでも何か感じていた紫苑だからこそ、ネズミの辛辣なことばにも向き合えるのだろう。
正直とっくに大人と呼ばれるようになった今より、十代の頃に読んでいたほうが共感して読めたかもしれない。誤魔化すことを覚えたいまのほうがかなりきつい。罪悪感が刺激されてる。(わたしにとって)それを自覚するためのNO.6の世界なのかも。 -
あさのあつこって、「本の雑誌」で北上次郎が文庫化された『バッテリー』に注目!としたところからブレイクしたように思うのだけど、その時、一緒に絶賛していたのがこの『No.6』。
昨年10月に待望の文庫化で、5ヶ月たって、これが第2巻。
今回は、城砦都市No.6の外にある西ブロックの苛烈な環境の中での「知よりも情を、約束された将来より己の意志で掴みとる未来を優先」させた紫苑の成長の物語。
僅かに繋がり続ける火藍の希望、拉致された沙布の行方、もちろん紫苑とネズミのそれぞれの戦いと運命は…。
一気に読めて、息子なんかは次が待てずに単行本のほうを買おうかという始末。
待て、次巻!(いつ出るの?) -
色んな物語が出てくるのがやっぱり好き
素敵な言葉にたくさん出会える
知るということはな、覚悟がいるんだよ。
真実を知ってしまったら、引き返せなくなる。知らなかったころの、暢気で幸福な自分には戻れない。
紫苑とネズミの関係性が大好き