夜の神話 (講談社文庫)

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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756518

感想・レビュー・書評

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  • もっと世に知られて評価されるべき内容だと思う。児童文学の枠に修まらず、大人も読むべき。スイッチョさんの信念と行動には涙。

  • 家魂のヨネハラさんの言葉がズシリと重く響きます。  曰く

    あの青い火は、まだ人たちが使うには難しいもののようですねぇ。  かと言って、一度使い始めたものをやめるのも、また難しい事のようです。  なにしろ一度燃え始めてしまったあの青い火は、何百年、何万年という「時」にまかせるほかには消す手立てがないらしいのですから。  困りますねぇ。

    ひとつ間違えば家でも山でも火事にしてしまう赤い火は、人はうまく使っていますけどね。  あの青い火は、その何百倍も使い方が難しいようだ。  人の知恵が、いずれは安全に使いこなすのかもしれませんけど、それまでにいったいどれくらいのスイッチョさんが・・・・・あの青い火の犠牲になる人が出るものやら・・・・・・

    我が日本国ではあの福島原発事故でいったい何人のスイッチョさんが出てしまったのでしょうか??  この物語ではこの原子力発電所の事故のあと、TVのニュースがマサミチ君が思う本当に大事なこと(原子炉がどれほど危険な状態だったか、もしかしたら何万人もの人たちが逃げ惑うことになったかもしれなかったということ、それを防ぐためにスイッチョさんが自分の命と引き換えにして人々の安全を守ったこと 等々)を一切伝えなかったのに対し

    それだけだった。  たったそれだけ!

    と憤慨していたけれど、今、私たちが聞いているニュースもそういう大事なことを伝えてくれているのかどうか・・・・・。  避難を余儀なくされている方々の近況はいろいろな形で報道されているけれど、それが本当の状態をちゃんと反映しているものなのかどうか・・・・・。 

    こんな事件を引き起こしてしまった日本であればこそ、この物語はもっともっと読まれてもいい物語だと感じました。  児童書と言えども決して侮れる内容のものではありません。

    (全文はブログにて)

  • 原子力発電所で働く家の子まさみちが、突然母と田舎に来たことから始まる。原子力発電所のちょっとした事故から、危険を感じた職員が妻と子を遠くに回避させるのだが、詳細を知らない子供が、なかなかなじめない中展開してゆく、かえるを自転車で引いてしまい気味悪がってから、罰として食べさせられた饅頭のおかげで虫や動物の言葉が聞こえるようになる。また、放射能も青い炎として見えてしまう。被爆したお父さんの同僚、大好きなおじさんが田舎に着てから、急展開。お父さんの働くげんしろで大きな事故があり、神様含めみんなで第三次を未然に食い止める。人には、まだ原子力を扱うだけの科学力がないので危険と物語る。。。。福島の原発事故のあった今、この警鐘は現実味を帯びる。実際ににたような事が起きたんだ。。。児童文学なので事故の状況がとてもわかりやすく書かれていてすごい

  • たまたま手にとったので読んだだけだったんですが、まさに今の話題だったのでびっくりしました。
    こういうお話を子供に読んでもらえたら、で、なにか感じてもらえれば、いいなと思う。
    でも、今の子供は本どれくらいよんでるのだろうか・・・

  • 3・11の大震災で福島に起こった原発事故が、どれだけの人たちが被害を受けたか。福島のみならず多くの日本人が今、どんな目にあっているか・・・この本は、今読むと大変多くの事を教えてくれているとよく分かります。今から18年も前の事なのに、気付かなかった私たちがバカだったのですね。

  • この作家さんは、一貫して環境問題をテーマに扱っていますが、もう一つの着目したいのは、どの作品にも、素敵な大人、もしくは導き手が多く出てくることです。
    元々、児童書ですから、彼らのように、子供に大切なことを説く人物は、やはり、必要不可欠なのだとは思います。ですが、彼らの教え方が、とても、上手いのです。
    子供だからと甘やかさず、かといって放置せず、子供は知らないことがあるという前提に、言葉で優しく説いて態度で親愛を示す大人・・・父親母親だけではなく、主人公に接する大人たちの多くが、こういった視線で子供に接しているのを感じます。
    本編とは少しずれた見方かもしれませんが、なんだか、大人としての有り方を考えさせられるような気がします。

  • ふとしたはずみで家神さまが見えるようになった男の子が主人公。
    理由もわからず田舎に越してきたことが不満で、頭は前の学校のライバルのことでいっぱい。
    ウサギと身体が入れ替わってしまう。
    原子力発電の問題点に触れた良心的な内容。
    タイトルはおおざっぱすぎませんかね?

  • ジャケ買い。わりと面白かった

  •  ストーリーは結構面白いと思う。やっぱりめでたしめでたしだけでは終わらない展開はすごく好き。<br>
     ただ筆致が粗くて若干強引なとこもあって、大人の精神をもった大人が読んで面白いかどうかは、ちょっと疑問。主人公のマサミチをあんまり好きになれなかった。

  • 生き物の言葉を理解できるマサミチの冒険ファンタジー命の大切さと自然の大切さ、人が高慢になり科学に頼ることの怖さが綴られてる。優しい語り口なので読みやすいが深いテーマだと思う。

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