人間は考えるFになる (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756860

作品紹介・あらすじ

文系教授(哲学)・土屋賢二と理系助教授(建築学)・森博嗣。発想も思考も思想も性質もまったく異なる二人が、6回にわたって行ったトークセッション。小説の書き方から大学の不思議、趣味の定義、友人は必要なのかという根源的な問いまでを軽妙かつ神妙に語りつくす。読むと学びたくなる絶妙「文理」対談。

感想・レビュー・書評

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  • 理系と文系の対談だった。私は文系なので土屋氏への共感が大きく、森氏に対しては「このように考えられたら楽であろうな」と思わされるばかりだった。

    だがひとつ。ジェンダーなどに対して考えが進んでいる文系である土屋氏の方が女性蔑視的な発言が多かった点がいただけない。森氏に関しては性別を考えていないようだった。人間に対する興味が薄い分であろうか。その点については再度考察できたらと思う。

    ミステリーが苦手な筆者であるが、今作品を読んでも克服は難しかった。だが土屋氏の書くミステリーの会話文が大変リズミカルであり、彼のエッセイを拝読したいと感じた。

    個人的に好きな話は森氏の「子供に人形を与えると、男児はそのシリーズの別の人形を集めたがり、女児はその人形のための椅子や服をねだる」話だった。男女の違いは幼い頃から形成されていることがよくわかる。

  • 39156

  • 対談している二人の話が微妙にかみ合っていないのは、対談としてはどうかと。
    森先生は、孤高すぎて対談には向かない感じですね。(ほめ言葉にあらず)
    それに引き替え土屋先生は良く最後まで我慢できたものだと。(^^;
    おまけの短編の方が楽しめたかなぁ。
    ちなみに、短編はやはり森先生に軍配が。(^^;

  • 御茶ノ水女子大学教授・土屋賢二と名古屋大学の助教授(当時)・森博嗣の対談。
    土屋賢二書き下ろし短編収録(消えたボールペンの謎)。
    二人の大学教員兼小説家が対談。
    一見共通点の多いように見える二人だが、対談を読んだ限り、似ても似つかぬ印象。

  • 森先生が強く、土屋先生が負ける、を繰り返す対談。
    なんか、鋭い内容ではなく、安心するというか・・
    なんでこの対談が実現したの。ウケる。

  • 「八方美人の対偶」よくもまあこんな面白い表現が思いつくなあと。森博嗣ファンとして買ったけど、土屋先生の本も読みたい。対談本をよんで声を出して笑ってしまうなど、初めての経験でした。

  •  このスパーリングのような対談が、ある意味で最高レベルのパフォーマンスだと思ったのは、ここで語られている瑣末な話題の中に垣間見える論点が極めて哲学的であったから…

     森博嗣先生のことについては、おおよそ1年間かけて、著書を51冊読んできたので、それなりに知っているつもりです。でも、土屋賢二先生のことについては、まったく存じ上げない状態で読み始めました。

     最終章の「そこに論点があるか、あるいは何もないか」では、編集者らしき人物が二名登場し「テーマに沿ってお話をいただきたい」という発言もありますが、そもそもテーマらしきものの提示が認められず、最後までテーマが何か、それとも何もないか、解らないまま終了しました。

     正直、あまり期待していなかったのですが、読んで楽しい内容でした。対談に限らず、インタビューでもそうですが、読者に紹介したい人物の魅力を引き出すには、対談する人物同士、あるいはインタビュアーが魅力的な人物でなければなりません。土屋賢二さんは、自虐的に自己開示するという「肉を切らせて骨を断つ」かのような必殺技で、森博嗣さんが普段見せない断面を見せてくれています。

  • 文学部哲学科の教授と工学部建築学科の准教授の対談。人柄(キャラ)が出ていておもしろい。最後に対談を踏まえた小説が一作ずつ載っていて、それがとても面白かった。

  • 森博嗣と土屋賢二の対談本。短編ミステリーもあり。
    大学を辞めるまえの対談。

    蔵書、電子書籍

  • 書きおろしの短篇は面白かった。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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