ハゲタカ2(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756877

感想・レビュー・書評

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  • ↓を読んで頂けたら嬉しいです。

    http://ameblo.jp/yomuyomunovels/entry-11274402678.html

  • 本巻の話の中心は「鈴紡」という会社(モデルは言わずもがな)の買収と再生をめぐるものだが、この会社を巡っていろいろな人物や組織がそれぞれの思惑で動いており、それらが複雑に絡み合っている。パズルを解くような感じで読み進められる。

    その描写が見事である。

  • アランの死とベルボックス

  • 鷲津政彦の成功と孤独から始まるこの話だが、だんだん出てくる企業が生臭くなってくるのが実に面白い。上巻では鈴紡という繊維企業を軸にした買収合戦が展開されるのだが、元ネタを知っていると「あっ……」となるあの会社である。寝業師として前巻で敗北した飯島亮介がかっこよく見えるのがまた……

  • ドキドキ、ハラハラ、「ハゲタカ」のその後が気になって、速攻で読んでしまった。
    こちらも面白い。

  • ハゲタカIの下巻ではやや失望させられたがシリーズ2も面白い。シリーズ1 は最後に復讐を持ってきたのが全体の締まりをなくして興醒めだったが今回は視線がはっきりしてる。

  • 3.5
    前回の飯島のパンドラの箱を米メディアに流し身の安全のため1年程海外を放浪していた鷲津。アランの死から物語が始まる。鈴紡と月華(カネボウと花王らしい)を巡る買収の話が骨子。加地率いる日本のファンド、UTBグループなど裏工作を含めた買収合戦が始まる。結局飯島の日本ルネッサンス機構の救済の形に。M&Aの世界が垣間見え勉強になる。離婚寸前だったアルコール依存症の妻に寄り添う芝野の姿も描かれるなど、鷲津、リン、芝野、飯島、貴子など各々の状況が少しずつ進み続編としてもなかなか面白い。

    鈴紡は経営者と労働者とが同じ舟に乗る運命共同体的「ノアの方舟構想」を標榜し名誉顧問である岩田が45歳から82歳の現在に至るまで君臨してきた。カリスマ経営者は右肩り上りの時は会社を勢いづけるが低成長期には恐怖政治に変わる。当社は部下の意見をよく聞き議論していたリーダーも、自信を持ち周りにイエスマンしか置かなくなる。多角化経営という古い考えを捨て、コアビジネスに特化することが鍵という状況だった。労組も強い。岩田春雄、経済成長期には世界にその名を轟かせた経営の神様。運命共同体的「ノアの方舟構想」による労使一体経営、7つの異なる事業を独立させ相乗効果によって事業の安定と拡大を狙ったセブンスター計画など、独自のビジョンと力強い言葉で、社員や日本中の企業に大きな影響を与えてきた。家族主義的な年功序列制度は残しつつ、若い社員を登用するための様々な制度を作った人でもある。

    労組、名誉顧問、役員陣など誰と組むか交錯する中、情報や各々の態度を見極めるために会うときのセリフ。「組むとは言ってない。彼(岩田顧問)を敵に回しては勝てないと言っているんだ。俺たちに大切なことは何だ、前島。フェアプレイか。そうじゃない。勝つことだ」

    企業買収が成功するかどうかのカギを握るのは世論と言っても良い。ビジネスとして最良の選択でも世間を敵に回すと勝利はおぼつかない。後出しの方が、先案の弱みをついたキャンペーンで世間を味方につけやすい。また、大型案件には政治介入もある。

  • 一年間の放浪を終え帰国したゴールデン・イーグル・鷲津が聞かされたのはホライズン・キャピタル社長・アランの不可解な死だった。感情をビジネスに持ち込まない冷静沈着な鷲津を荒ぶらせるこの衝撃と眠っていた猛禽類の捕食感。ゴールデン・イーグルは再び日本上空を舞い始めた!

  • 鷲津政彦 が 1年間の放浪のすえ、復帰した。
    鳥葬をみながら 鷲津は 思いにふける。

    ハゲタカ ゴールデンイーグル 
    とにかく、とりにまつわる話が うまい具合に絡んでいて
    おもしろい。

    ホライズンキャピタルの
    アランが酔っぱらって電車にひかれて死んだ。
    なぜなのか?
    それがよくわからない。

    その後がまのピーターが リストラを敢行するが
    それが 鷲津の逆鱗に触れる。

    飯島が あいかわらず ヌエ的な存在として
    うまく立ち回り そこの深さを 知らしめる。

    鈴紡は あきらかに カネボウ。月華は 花王。
    その中に 投資会社が絡んでいた。
    たしかに、カネボウが 粉飾決算をしていた。
    その粉飾決算が 会計会社もグルで 取り組まれていたが
    カネボウの 歴史的な負の遺産。

    それに アイロンオックスの 加地。
    ホライズンキャピタルの 鷲津が切り込んでいく。
    どこに ポイントがあるのか が 見えている。
    なぜ、そして、その背景は?なにが 見えているのか。
    かなり、構成的に積極的に。
    前島朱実が感度がいい。期待が持てる。

    芝野健夫 CRO
    アルコール中毒の妻。快方に向かいながらもすすまず。
    そして ヌエの飯島 鈴紡の岩田に 巻き込まれてしまう。
    くじ運の悪いオトコというのは いつもあるものだ。
    それでも、前向きに 立ち向かおうとする。

    それにしても、ミカドホテル 松平貴子。
    どうなるんでしょうか。
    ホテルというものが グローバルの中で
    展開しているが、そのなかで どう独自性を切り開くのか
    ということでしょうね。

  • 前作「ハゲタカ」の続編。序曲 トリガーから始まる衝撃的な話の流れから、前作場人物達の立ち居地の導入、経済小説としてのコアな部分へと話が進む。この小説が書かれた当時の日本で、ホワイトナイト、ポイズンヒル、ゴールデンパラシュートなど企業買収・買収防衛策などの言葉がマスメディアを賑わせていた。もう一度読みたい本。

著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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