ハゲタカ2(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.12
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本棚登録 : 2302
レビュー : 211
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756891

作品紹介・あらすじ

鈴紡の次に、鷲津が狙いをつけたのは、巨大電機メーカー・曙電機だった。曙は買収阻止と再建の切り札として芝野を頼る。再び相対する二人。攻める鷲津、守る芝野、さらにアメリカの有力ファンドも買収に参入し、事態は混沌としていく。企業買収を舞台に、壮大なスケールで描いた話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 鷲津と、芝野が結局は共に戦う姿が嬉しかった。 またしても二人は負けるのか。。。 曙電機の諸星も、シャシンの滝本もよく頑張った(!?) ドキドキなまま結末へ突っ走る前に、アランの墓前でのエピソードが泣けた。結局アランの死の真相は? …ってか、まだ続くのね^^;

  • 1

  • いやー、面白かった!

    本作を読んで、なんで経済小説にハマったのかが、何となく分かりました。
    これって、fantasyなんですね。
    現代版のfantasy小説なのです。

    よく、株取引のspecialistのことを、「錬金術師」なんて呼びます。
    商事系や物産系の人たちは、そういう動かし方が凄まじく巧い。
    その動きによって、鉛を金へと変えるのです。
    これって、まさに現代の魔法だと思います。
    門外漢の立場から眺めると、その鮮やかさにクラクラします。

    本作は、そういった「魔法」を最大限に誇張して見せてくれます。
    そのあまりにも壮大な「魔法」に、もう心がキュンキュンなのですよ。

    経済の現場を舞台にした、企業買収を主軸にした物語。
    「会社は誰のものか?」という問いへの解答にもなっています。
    そして、「ものづくり」の根幹にも触れています。

    カネだけではもちろん駄目。
    かといって、motivationだけでも駄目。
    蓄積され、磨き上げられてきた技術だけでも駄目。
    けど、これらが無ければ、根本的に駄目。

    それらを総合的に、そして有機的に絡め合うこと。
    それが、「会社」ってものなんだ、と気付かせてくれます。
    いま現在、日本社会が直面している問題を浮き彫りにしてくれます。
    と書くと、お堅い社会派小説のようですけれど。
    根本にあるのは、あくまでも娯楽小説としての演出。
    とにかく、読み進めることが愉しいです。
    すっと物語世界に誘われ、怒濤の展開に巻き込まれます。

    息詰まる交渉戦。
    深遠で複雑に絡まり合った謀略。
    真っ直ぐな熱意。
    cynicalな態度。
    やるせない挫折。

    こういう要素が、本当によく似合う舞台が、経済という場なのです。
    何故なら、経済というのは、何度も述べてるように、人間の営み、その根幹だから。
    ギリギリの所で交わされる、最高にcoolなjoke。
    追いつめられたかに見えた次の瞬間に起こる、絶妙の逆転劇。
    その瞬間、読者が感じる気持ちは、ちょっと何物にも代え難い。

    そしてまた、真山氏のstory tellingの妙!
    演出の仕方が絶妙で、climaxへの持って行き方が本当に素晴らしい。
    全ての策が発動し、一気に形勢逆転となった瞬間。
    思わず、こちらまで快哉を叫びたくなるほどです。
    それは即ち、物語世界へと完全に引き込まれちゃっているのですね。

  • 前作は色々詰め込もうとした結果、フラフラしたストーリーになってしまったが、今作は落ち着きがあり、丁寧に描かれている。全体的に面白く、一気に読んだ。唯、冒頭の事故が謀略臭かったのに単なる事故っていうのは、伏線回収失敗?

  • 最後にベルボックス炸裂!

  • 冒頭で死んでしまうとある重要人物についての謎が解決してない気が、、、ちゃんと読めばわかるのでしょうか?話自体はスケールが随分大きくなったなあという感じ。一気に読めます。村岡さんに合掌。笑わしてもらいました。

  • 【感想】
    野暮な感想だけど、、、
    先見性というか、こうまで世の中の流れが自分の読み通りに転がせたら、人生ってとてもイージーだろうなぁ。
    勿論、主人公の鷲津も四方八方いろんな手立てを経た上でそうなっているんだろうけど、世の流れを読む能力って本当に天性かつ非凡なものなんだなとしみじみ思う。

    このシリーズはどの作品も大好きだけど、2が1番好きかなぁ。
    復讐を経て荒廃し、別人のようになってしまった鷲津が、どんどん昔のスタイルに戻っていく、そしてそうなるように仲間たちが荒療治ながら手助けしていく様が、「ハゲタカ」シリーズの中でも本作品が1番良いと思う理由だな。

    物語終盤の、リンと鷲津政彦のやり取りが、とても良いシーンだった。
    鷲津の感性を取り戻すために、敵の作戦に見せかけて、メディアを使ってわざと鷲津の痛いところを突くリンの歪曲した優しさに、胸が熱くなったわ。

    次はレッドゾーン読む前に、ハゲタカ外伝を初めて読んでみよう。


    【引用】
    p95
    ・ポイズンピル
    毒薬条項と呼ばれるポイズンピルは、企業が買収の提案を受けた時に自動的に発動される防衛措置を言う。
    具体的には既存株主の株を倍にして買収者の持分を希薄化するというのが一般的。
    しかし、事前に設けて置くことが大前提。


    p116
    芝野さん、ビジネスとは数字と道理だけで回っているなんて思っていませんか?
    ビジネスを動かしているのは、私情と欲望、そして怨恨です。
    アメリカには女を取られた腹いせに相手の会社を乗っ取ったって話だってあるんです。
    アメリカという国はメンツが全てです。侮らない方がいい。


    p142
    ・鷲津が抱いた、シャインの滝本社長のイメージについて。
    どんな時代にもカリスマ的な経営者というのは必ず出現する。
    その手法やキャラクターは千差万別だったが、共通点も多かった。
    まず何より、その人物が圧倒的に魅力的であること、さらに仕事の虫であり、熱血漢で実行力がある。
    持ち前の突破力で社員を統率していく。


    p327
    ・デッドマン トリガー
    別名「パックマン・ディフェンス」と呼ばれる究極の企業防衛策。逆買収のこと。


    p420
    私はラブだのフェアだのは信じない。信じているのは、パッションだけよ。

  • この巻では巨大電気メーカー曙電気が舞台になるのだが、ちょうどゴタゴタしている某企業とダブるのがまた……この本2007年に出たのだが、10年経っても変わんない事をしているあたり面白いというかなんというか。とはいえ、ここから先にリーマンがあって話がガラリと変わるのから現実も面白い。このあたりから経済小説というより政治小説の面が出ているのが特徴。

  • この作家の作品はどれを読んでも面白い。話の展開、登場人物の描写など秀逸である。どれだけ調査や下調べをしているのかと思わせる努力も感じられる。

  • 2016.2.14
    一気に読了。
    鷲津の戦略は読んでて面白いな。
    経営者も幸せにならないと、その企業はいい会社とは言えない。経営者もステークホルダー

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著者プロフィール

真山仁(まやま じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)でデビュー。これが代表作となり、ドラマ・映画化された。
「ハゲタカ」シリーズのほか、『虚像の砦』『そして、星の輝く夜がくる』(いずれも講談社文庫)、『売国』『コラプティオ』(いずれも文春文庫)、『黙示』『プライド』(いずれも新潮文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎)、『当確師』(中央公論新社)、『標的』(文藝春秋)、『バラ色の未来』(光文社)、『オペレーションZ』(新潮社)がある。

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