チルドレン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 25359
レビュー : 2353
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757249

感想・レビュー・書評

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  • 再読です。

    日常系のミステリー。登場人物がみんな魅力的です。

    陣内の根拠のあるようなないようなわからない自信がおもしろいようなかっこいいような…(笑)
    盲目の永瀬が通りすがりのおばさんにお金をもらった時に、ずるいと激怒し、お前はラッキーだなと本気で羨ましがっている姿が清々しくてよかった。

    家裁の調査官の仕事は奇跡を起こすこと、大人がかっこよければ子どもはグレない…など、シンプルだけど妙に言い得ている台詞にはっとさせられます。

    最後の「イン」の陣内の行動ですべてのお話が繋がり、からっとした笑い声をあげたくなります。永瀬の独白、日向ぼっこをしているようなあたたかい気持ちで読み終えました。

  • 伊坂幸太郎 著
    以前から 読みたかった「チルドレン」沢山の方々に愛読されて…遅まきながら やっと読んだ!
    やっぱり 伊坂幸太郎さんの作品は 本当に好きだなぁ
    自分の気持ちに必ずと言っていいほど ヒットする。
    自分的には長篇小説が好きだが、この短編集は短編に見せかけて長篇小説に作り上げられていた。
    流石と言わざる得ないほど 巧くて スラスラ読める 小説の中の現場に足を踏み込んだような気持ちで読めました。
    登場人物が いつも面白い!癖のある 陣内さん とても良かった…自己中心的かと思えば、猪突猛進というか 不思議な自分の思想と呼ぶべきか?自分の考えに断定的、まわりがちょっと引いてしまうところもあるくらいの根拠なき自信家…しかし 頭が切れて 話す内容にあまりに説得力があり過ぎて ついつい 疎ましく感じるより尊敬さえ覚えてしまう。
    陣内さんのような人がいるから 人生楽しめてしまえるのではないか?鴨居 といい武藤や永瀬 優子 まわりの優しい真面目で控えめな人達が集まって 結局 陣内を支えて そして支えられてる感じが とても心地良かった。
    面白かったから もう少し 読みたいなぁって思うところで
    あっさり(特に事件性なく)終わってしまったが…
    ラストに永瀬が フッと思った 台詞が印象的

    「歴史に残るような特別さはまるでなかったけれど、僕にはこれが、特別な時間なのだ、と分かった。 この特別ができるだけ長く続けばいいな、と思う。甘いかな。」

    何故か 今の自分の気持ちに ズンってきて 涙が溢れた。

    人には自分の事は分からない(心の中だって分からない )
    自分自身でも分からない事がある 潜んでいて忘れているのかもしれないような…でも ある言葉によって 自分自身の中だけで感じるような 何気ない言葉に胸を打つ
    伊坂幸太郎さんは そういう世界を描ける作家さんだと思う

  • 登場人物一人ひとりが生き生きと描かれていてストーリーのテンポもよくて、あっという間に読了です。
    なんといっても陣内が圧倒的に格好いい。ありえないようなことを本当にしてみせるなんて、実際に隣でされたら確かに迷惑だろうけど、遠くで見てる限りは爽快で、よくやってくれたという感じ。尊敬するに値するひとって、人格が完璧に整ってるとかではなくて、どんなに歪んでいてもなにかキラリと光ってる部分があるひとのことなんだろうなと思う。その光る部分はその人の中から沸き起こるものであり主張の強さであり揺らがない芯であり。自分の芯に従って生きてるひとってやっぱり、主張が理にかなってるかどうかを別として、人の心を動かすことができるんだと思う。
    永瀬の彼女が永瀬に白という色について、悩みがどうってことないとわかって晴れやかな気持ちになったときの白、というように説明をしてた。陣内は色でいうと白だと思う。爽快で明るくてすぐにいろんな色に染まる白。

  • 伊坂さんの本は、やっぱり伏線が楽しい。
    『侏儒の言葉』を読んでみたくなったので、早速買ったけど、陣内版の方も面白そう。

  • この言葉には大変申し訳ないのですが…
    『絶対』という言葉が『陣内』に見えてしまう。

    なんと厚かましくて、インチキくさくて、高慢で
    鼻持ちならない言葉なんだろうと
    気を付けて扱わないといけないと気を引き締めても
    その裏にある思いもよらない鋭さや真っ直ぐさや広さに
    口をあけたまま引き寄せられてしまうんです。

    『絶対』も『陣内』も魅力ありすぎです。

    伊坂さんの『サブマリン』が読みたくて
    こちらの続編ということで手に取りました。

    陣内の放つひとこと。
    「世の中のことには全部興味があるからな」は
    伊坂さん自身のことではないかと思っちゃいます。
    そしてずっとずっと、そうあってほしいとも。

    続けて続編が読める私の今の状況。
    永瀬のように、私も感じます。
    すごい特別な時間なんだと!!
    この特別ができる限り長く続くことを切望します。

  • 続編である「サブマリン」を先に読んでしまい、面白かったのでこちらにも手を出してみた。伊坂幸太郎にしか作り出せない、そして伊坂作品にはいかにも出てきそうな陣内というキャラクターの、様々な場面を切り取った短編集。やっぱり陣内、好きだなー。
    これを読むと、サブマリンがいかに上手にキャラクターを掘り下げているかがよく分かる。

  • 「陣内」と登場人物たちの周りで起こる「出来事」や「事件」、それらに対して陣内の起こす行動がもたらす「奇跡」を魅力あるそれぞれの登場人物たちの視点から描いた、穏やかで優しい短編集ストーリー。
    ただシンプルに面白く、胸が熱くなり、読んでいて気持ちの良い作品です。

    一編だけでは物足りない、けれどそれが五編集まり一冊の本となることで完結するこの作品は、読み終えたときにはなんとも言えない爽快感が走り、同時に温かなものがじわりと胸に広がる感覚があります。
    構成が完璧で、蛇足も付け忘れもない、文中に表れる伏線が残らず綺麗に回収されていくのがとても心地良いです。短編集としてはもちろん、ある意味では長編の一作品としても楽しめます。
    また、淡々と描かれた日常の一片の中で陣内が魅せる、真っ直ぐで熱くて情熱的なもの、そういうものに意図せずも感化されてしまう人々が無意識に顔を上げて前を向いていく場面はひたすらに圧巻でした。
    綺麗事や常識という疎ましい概念を一度捨て置いたあとで、人の心の根本をダイレクトに打つ陣内の人柄と行動、それをさらりとしたタッチで描ききる伊坂幸太郎の巧みな構成と描写が魅力な一冊です。

  • ステキな話だった

    「親がかっこよかったら子供はぐれねえんだよ」という陣内の言葉には共感した。

  • 続編を読むために読み返し。
    陣内というキャラクターをこの世に生んでくれてありがとうという気持ちになりました。
    友達になりたい。

    「『絶対』と言い切れることがひとつもないなんて、生きてる意味がないだろ?」

    生まれつき目が見えない人が少しずつ周りの状況を把握して行く過程を、映像や絵のない小説というフォーマットを通じて読者に追体験させるっていう手法があざやか。

  • 痛快な男。陣内。

著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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