源氏物語 巻五 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 231
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757379

作品紹介・あらすじ

源氏の道ならぬ恋慕に悩んでいた玉鬘は、意想外の求婚者・鬚黒の大将の手に落ちる。長男・夕霧は長い試練の果てに雲居の雁と結ばれ、娘の明石の姫君は東宮に入内し、生母と再会。四十の賀を控え、准太上天皇に上った源氏の半生はひときわ輝きを増す。

感想・レビュー・書評

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  • 源氏の悪戯から蛍兵部卿宮が玉鬘の横顔を見る場面は、何か書き手の凄味のようなものが感じられる。彼女に対する源氏の接し方、自らの欲を制しながらも押し入れるように愛着を馴染ませては内省を繰り返す独善的な男の愉しみや、夕霧の利己的な忍耐、髭黒の大将が北の方を追い詰めた態度然り、心理描写を季節の空気の中に深く織り込んでいるのも巧妙で、数年前は咀嚼し切れなかった機微も多い。
    故に絡み合う人物の心中を察するのが面白くもあり、苦々しいエピソードとも言える。
    艶やかな王朝文化に食傷気味になるけれど、全体を通して落ち着いて読める巻。

  • 2007/05

  • もうこの巻では、どうして玉鬘が鬚黒の大将といっしょになるのかということ。それにつきる。真木柱の帖のはじまりは「こんなことを帝がお耳にされたら、畏れ多い。当分は世間に知れ渡らぬよう、内密にしておくよう」という源氏の言葉にはじまる。鬚黒の大将が玉鬘のところに通い始めているという。解説にもあるように、読者は寝耳に水。私は、何か読み飛ばしたのかと、数ページもどって読んでみたりした。けれどどこにも何があったか書かれていない。想像するよりない。というか、それを受け入れるよりない。なんか、玉鬘がかわいそうでならない。せっかく、帝の姿を見て、入内するのもいいかなあと思い始めていたのに。もう一つ印象に残るのが蛍の件。蛍をたくさん捕まえておいて、夜に放つ。その明かりで、玉鬘の美しさに魅せられてしまう。そんなことが本当にあったのだろうか。それから、葵祭が出てくるのもおどろき。

  • 理解できなかった。

  • 玉鬘をめぐってのこと、夕霧のこと。文学論、香道論、書道論もあり楽しめる。

  • きっと映画ならミステリーがスリリングに展開し、アクションも散りばめられて面白いんだろうと思う。ただ、小説として活字を頭で整理しながら追っていくと、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な結末で、ちと釈然としない。それでも著者の小説の主人公は、正義感にあふれ、信念を貫くといういつものスタイルなので、感情移入しながら一息に読み終えた。

  • 光源氏、栄光の絶頂!!というところですね~本当に。
    ハレムにいる女性たちに着物を贈るところが本当に華やか。

  • 玉鬘10帖が続きますが、玉鬘が本当に魅力的な女性として、その描写が素晴らしい限りです。特に蛍の光の明るさで兵部卿宮に玉鬘の横顔を見せてその美しさに心を奪わせるシーンの幻想的な描写は秀逸ですね。「真木柱」の篇では、理想の美女・玉鬘がついに鬚黒の大将に犯されてしまい、出産にまで至るというのは非常に寂しい想いまでします。源氏の君の玉鬘への懸想を子息の夕霧が不安気に見守る姿は滑稽でありながら、非常に深刻な心情が身にしみて理解できます。

  • 「須磨源氏」という言葉がある。
    『源氏物語』を読み始めて、「須磨」の巻まで読み進んで挫折し、再び最初からとりかかるが、また須磨の巻で挫折していつまでも読み終わらないことをいう。
    僕はこの「巻五」に収録されている「藤裏葉」で挫折してしまった。
    あれから2年近くの月日が流れてしまったが、また続きが読みたくなってきた。

    源氏さんは玉鬘(夕霧の娘さん)に恋心を打ち明けながらも、弟の兵部卿の宮との交際をそそのかす。
    源氏が玉鬘の部屋に蛍を放ち、その光で兵部卿の宮が玉鬘の横顔を見てしまう場面がある。
    すごく幻想的で、日本的な美しさにあふれているなあと思う。
    しかし、そうこうしているうちに、玉鬘は鬚黒の大将の手に落ちてしまった。
    そんな横取りありか!って感じだ。

    明石の姫君(娘さんの方)の入内が決まり、その後見役として明石の君(お母さん)が推薦されたことで、漸く母娘は宮中で共に暮らすことができるようになった。
    すべての心配事が解決し、源氏は出家の志を固めたようだ。

    「蛍」「常夏」「篝火」「野分 」「行幸」「藤袴」「真木柱」「梅枝」「藤裏葉」の9帖を収録。
    寂聴さんの日本語、美しいなあ。

  • 巻一に記載

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。60年『田村俊子』で、田村俊子賞受賞、63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年、中尊寺にて得度。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、95年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。2006年に文化勲章受章。『現代語訳源氏物語』『奇縁まんだら』など著書多数。徳島県立文学書道館館長、宇治市源氏物語ミュージアム名誉館長。

「2020年 『ひとりでも生きられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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