ひたひたと (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 352
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757409

感想・レビュー・書評

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  • 未完の作品とはいえ面白かった。本当に完成が読みたい作品ばかり。素晴らしいものになるんだろうなぁと思いながら読む。

    『群生』も、収録できるくらいに完成されているので、読物として十分面白い。もっと肉付けした物語が読みたい。惜しいことである。

    死体の視点から物語を描く…なんてなんか素敵。自分の死んだ後を想像してみる。
    『人の世の不思議
    生きる者と死ぬ者を分けるものは何なのだろう。殺人の罪とは何だろう。』

    『生きることは死ぬことだ。そして死ぬことは、人々の心の中で生き続けると言うことだ。』という北方謙三の弔辞も心にひびいた。

  • 44歳で自死された著者の最後の作品(未完)だった。
    5人が語り終えるまでを読んでみたかったものだ。

  • 未完の作品と知りながらも、それでも面白いと思わせてくれる作家さんだった。
    タイトルのひたひたとが一番好きな話。

  • 急逝の為、未完となった短編集のうち2作と“群生”という小説のプロットが収められた一冊。

    短編の2作は性的犯罪が絡んでいるので眉間に皺を寄せながら何とか読み進めた、といったところ。
    それでも、野沢氏がそういった犯罪をとても重く受け止めていることが感じられました。

    群生はプロットとは思えない完成度。
    罪を償うとは?という明確な定義が困難なテーマに迫っています。
    罪を償う、とりわけ人を殺めた罪を償うこととは?
    深く考えさせられる作品。

    これまで破線のマリス、真紅、砦なき者など野沢氏のミステリーはほとんど読みましたが読んでいる間は本当に心が暗くなります。
    どんよりしていくのを実感します。

    が、そんな文章が書けるというのはとても素晴らしい才能だと思います。

  • ひんやりとした怖さ。ぞわぞわぞわぞわ。
    これはもう本当に本当に完成したものを読みたかったなぁ。

  • 小説創作の心の師と勝手に仰ぐ、著者の突然の死を悼んで購入。この人の書くお話、もっともっと読みたかった。無念です。

  • この人の作品は面白いなあ。
    重っ苦しいのはわかってはいるんですが、話の展開が読めなくて続きが気になってしまいます。重さっていうのも人間の闇というか、姑息さというか、なんというか。この作家さんがご存命でないことが悔やまれて仕方ないです。これが最後の作品のようで、続くであろうシリーズの短編2作で終わってしまいます。後半に収録されている『群生』はプロットのみの作品ですが、こちらも本作として読んでみたかったなあとしか言えません。

  • 群生 プロットと言っても完成に近い
    脚本家としての野沢尚の熱量が伝わる
    映像が浮かぶ。
    「十三番目の傷」「ひたひたと」も残りの三人の話しを知りたくなる
    ホスト役の畠山の真意も知りたい
    本当に残念でならない。
    もっと読みたかった、視たかった。

  • 面白かった。2つの短編と新作小説の構成表の3作品。
    「十三番目の傷」は、体中に深い傷を持つ女。その傷の謎に迫っていく話で生まれ変わりを思わせるストリー。
    「ひたひたと」は小学生の頃、少年に性的悪戯をされたことで
    心に傷を負った女性と彼女に悪戯をした少年の繋がり。
    野沢さんのテレビドラマ「眠れる森」を思い出させるストリーだった。
    プロットの「群生」も小説化されてたら面白かったと思う。
    自殺した息子のことを調べているうちに知った息子に罠を仕掛けて生きる気力を失わせた男。
    激しい怒りにかられてその男を殺してしまったが、
    その男にも生き別れた愛しい娘がいた事を知り罪を償うために
    その娘に会いに行く。
    登場人物がみな温かいものを持っている。
    面白かったので、あっという間に読み切ってしまった。

  • プロットのみの『群生』。
    みんながみんなそうではないのかもしれないけれど、小説家達の頭の中は一体どうなっているんだろう。

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