新装版 俄(下) 浪華遊侠伝 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757591

作品紹介・あらすじ

大坂一の侠客から侍大将 怪態(けったい)な男は止まらない

「わが一生は、一場の俄のようなものだ」。大侠客となった万吉は、播州一柳藩に依頼され、攘夷派の浪士たちが横行しだした西大坂を警備する侍大将を引き受ける。おのれの勘と才覚を頼りに、場当たり的に幕末維新から明治の騒乱の中をたくましく生き抜いた“怪態な男”の浮沈を描いた、異色の上方任侠一代記。

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど十月に、歌舞伎の「夏祭浪花鑑」を見ました。大坂の侠客のあんちゃんが主人公で愛之助、世話になってる親方みたいなおやじが翫雀、というキャストでとても楽しんだのですが、この「俄 浪華遊侠伝」もまさに「舞台は大坂」「侠客もの」ということで、タイムリーに楽しめました。
    以下備忘メモ。

    *主人公の万吉が、かっこいい。特に印象に残っているのは、「男稼業は泣くな」のシーン。
    *万吉その他の侠客仲間は、決して思慮深いタイプの人物ではなく、勢いと男気あふれる台詞を軽快な大阪弁でしゃべる。それだけでなんとなくおかしみがあるというか、かっこつけてない雰囲気になる。ように感じた。
    *幕末の動乱にも巻き込まれるのだが、新撰組の歳三も登場してきちんと絡みもあったりして、嬉しい。その他、他の幕末作品の主人公も少しずつ登場する。豪華な気分。
    *万吉が新撰組に捕らえられて蔵の中で寒さに打ち勝つために踊るシーンは、病院の待合室で読んでいたのだけど笑いを堪えるのにとても苦労した。
    *堺での土佐藩士たちの切腹。切腹シーンそのものも、そこへ至る過程も、迫力あってドラマチックで、読ませてくれた。
    *堺筋が堺につながっているということを、ちょっと考えればその通りなのに、この本を読むまで気づかなかった。
    *全体的に面白かったが、わかりやすいただひとつのクライマックスというのはない。まあ、人の一生だから、そうよね。

  • 自分の命を粗末にする主人公に次々とやってくる難解なミッション。今度こそ死ぬんじゃないかと心配でたまらない。読んでいる自分が本の残ページの厚みに命の安心を求めてしまうという・・・こんなことは初めてだw

  • 市井の人、大阪の侠客「明石家万吉」を通して語られる幕末維新。しっかり楽しめました!

  • この位、破天荒でないと歴史に名
    が残らないのだろうなぁ。いつ死んでもおかしくない生き方。数人分の人生を送ったとしか言いようがない。そこで、名士、奇人と出会うのだろう。

  • 下巻読了。

    身体を張りまくった万吉の生涯。
    上下巻と合わせて結構ヴォリュームありましたが、一気に読めてしまいました。

  • 15/10/15読了

  • 本当の任侠って生き方がロック過ぎるわ。

  • 【読了日】
     2014.05

    【タグ】
     時代小説 幕末 大坂 大阪 

    【経緯】
     ・今さら司馬遼を読んでみようキャンペーン

    ----------------------------------------------

    ・幕末から明治、大正にかけての実在の侠客が主人公。

    ・武士の少ない町大坂で「どつかれ屋」から身を起こした貧しい少年が、任侠の世界で頭角を現し、堂島米相場で財をなし……というふうに出世していく前半が特におもしろい。

    ・時は折りしも幕末、維新の直前。シンプルな親分の出世物語では終わらない。幕府側は親分のごろつきども動員能力、統率能力を利用しようとする。

    ・大坂は海上交通の要衝だけに、海からいろんな人物がこの町に潜入するところもまた読みどころ。長州藩士もかなり潜伏していたらしい。親分は幕府側につきながらも、長州の男達に好ましい感情を抱いているらしい。

    ・次郎長と生きた年代、世界がかぶる。次郎長の親分は明治新政府に協力している?
    明石屋万吉(小林佐兵衛) 1829(文政12)-1917(大正6)
    清水次郎長(山本長五郎) 1820(文政3)- 1893(明治26)

    ・俄というタイトルは、親分が自らの人生を振り返って「まるで俄のようだ」と述懐した、という設定から。
    動乱と新時代到来の世の中を渡っていく劇的な生涯であり、一幕の芝居のようだという意味がこめられていると思われる。

    ・「まるで芝居(=歌舞伎)のようだ」とは言わなかったのはなぜなのか。当時あるいは司馬の執筆当時に「俄」が持っていた意味合いが、現在の私には明確に通じないが、次の個人的興味もまたそこにある。

  • ヤクザながらも力で人を押さえつけるのとは違う戦法で成功を収めて行くのが面白い。どんな難題も命をはって堂々と受け止める万吉の生き方は爽快でかっこいい。周りの権力に流されず、命を狙われている長州人達を助ける心意気も粋。
    新撰組の1人が万吉を狙うも斬れなかった場面の部分が印象深くて好き。

  • おもしろかった。
    命を捨てる稼業。
    幕末から明治にかけて生き抜いた 極道。
    男のかわいげ を充満させる。

    明治という国ができていく過程がつぶさに語られる。
    伏見鳥羽のたたかいの裏側が 明らかにされている。
    薩摩は 策士が多い。
    錦の御旗のでき方が,なるほどと納得。

    明治の時代が まるでパロディみたいである。
    愚直に 時代を見ていることが すっきりする。

    それにしても,徳川幕府が瓦解していく有様が
    あっけなさすぎる。

    そういうなかで 明石屋万吉。
    運が強いだけでなくいさぎよい。
    頼まれ稼業を 有無を癒さず,実行する。

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著者プロフィール

1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語学科卒業後、産経新聞社に入社。59年「梟の城」で直木賞受賞。独自の史観を駆使し、戦後の歴史小説に新風を吹き込んだ。代表作は『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『翔ぶがごとく』など。93年に文化勲章を受章。96年に72歳で死去。

「2008年 『豊臣家の人々 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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