口は災い (講談社文庫)

  • 講談社
3.39
  • (2)
  • (9)
  • (15)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 42
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757720

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貧乏お嬢さまシリーズ作者の別作品。貧乏お嬢さまシリーズの最新刊が図書館の予約待ちでなかなか読めないので、待ち期間に手に取った。2001年にこの作品でアガサ賞を受賞しているらしい。
    舞台は20世紀初めのアイルランドと移民先のニューヨーク。当時の社会描写がとても興味深かった。ストーリーは勝気で人情味あふれる女の子が事件に巻き込まれて奮闘するといった内容で、お嬢さまシリーズとそう変わらず、ついつい読んでしまう面白さも同じ。読後は爽快感があるので、この人の書いたお話は好きだな。この作品もシリーズもので次作もすでに読書中。

  • 分からん

  • 初対面のシェイマス父やマイケルやサリヴァン警部にあっという間に信頼されるなんて、何て人たらしなヒロイン。ミステリとしては御都合主義なところがないでもない。

  • アガサ賞最優秀長編賞…。うーん。そうなんだ。
    その回は、他になかったのかな?という印象です。
    私にとってはライトノベルです。コバルトシリーズ的な小説。
    もちろんアガサ賞云々の先入観なしで読めば作品としてはおもしろい。都合よく事が運ぶのも「おばちゃま」シリーズで経験済なのでそんなに抵抗も感じませんでした。
    どんなミステリー小説でも、たぶん都合よく偶然が起こり話が進んでいくのでしょうけど、それを読み手に感じさせないのがミステリー作家の力量なのかなと思いました。
    クリスティの作品でも偶然が起こるのはいくらでもあったはず。それでも都合いいなぁとはあまり思わないので。
    何だかんだと言いつつも、ミステリ風のモリーの冒険はおもしろいのでこのシリーズ2作目と貧乏お嬢様シリーズも読もうと思ってます。

  •  うむ。
     テンポよく展開しさくさくと読め、かつキャラクターも魅力的。
     ……なんだけど、息苦しさを感じてしまうのは時代のせいか、なんだろうか。あるいは、なんとなくだけど……ご都合主義に読めてしまう? 運で何とかするところ多くない? という気も。うがちすぎかしらね。

  • 病院の待ち時間に1冊読み終わってしまった。
    義父からもらったシリーズ。
    アガサ賞最優秀長編賞受賞。
    ミステリとしてもまあまあおもしろかったけど、主人公が運命に翻弄されつつも持ち前の好奇心とおしゃべりでたくましく進んで行くさまもおもしろく読めた。シリーズものらしいので、続きも読んでみよ。

  • 正当防衛だが殺人で逃亡中の主人公。匿ってくれた女性から託された子供達と共に無事アメリカに着くのか。入国直前に殺人事件発生!容疑をかけられピンチ。捜査官は素敵な人だけど既婚婦人のふりしないといけないし。ハラハラドキドキ、一気読みでした。

  • 時代設定もヒロインも好み。

  • 20世紀初頭が舞台の歴史ミステリ。
    アイルランドで生まれ育った小作人の娘モリー・マーフィーは、23歳。故郷から逃亡する羽目になる。
    イギリス人領主の息子に強姦されそうになって突き飛ばしたら、死んでしまったのだ。
    ロンドンにたどり着くが、仕事はない。
    逃げ込んだ先で知り合った女性キャスリーン・オコナーの身代わりで、子供二人を連れてアメリカに渡ることとなる。キャスリーンは肺病で、船に乗る許可がおりないのだ。
    三等船室は環境が悪かったが、自由の女神を見た移民達の感動が鮮やか。
    入国直前のエリス島で、たちのよくない男オマリーが殺される。
    モリーの嘘を見破っていたオマリーをひっぱたいたことのあるモリーにも、一時は疑いが。
    親切にしてくれた若者マイケルが拘留されてしまう。
    マイケルがアイルランドに送り返されれば、ろくな裁判もなく死刑になってしまう!?

    子供達はモリーに懐いていた。
    モリーはキャスリーンの夫が暮らす従姉夫婦の家に転がり込むが、従姉に冷たくされて、住み込みで働ける場所を探し歩く。
    イタリア人、中国人、ユダヤ人など、それぞれの出身の人間が集まって暮らし、そこの仕事は他の国の人間には出来ないと知る。
    ニューヨークにアイルランド人は多い方で、有利な方なのだったが。
    警察の保護施設で一夜を明かした後、エリス島での事件の目撃者を捜す。
    やっと聖書教会の宿泊所に泊まることが出来たが…
    モリーのさまようニューヨークが刺激的で面白い。
    何かと出くわす警部のダニエル・サリヴァンとは次第に好感を持つように。
    ニューヨークの事情を知らずに、危険地帯に踏み込んでしまうモリー。
    自分も逃亡の身で、職もないまま、果敢に行動する元気さが良いですね。

    作者はイギリス生まれ。
    BBCでラジオ、テレビドラマの脚本家を経て、オーストラリアの放送局勤務。サンフランシスコへ。
    2001年の今作で、アガサ賞最優秀長篇賞受賞。

  • 殺人を犯してしまったモリーは、偶然知り合った女性の子供を、その父親の待つNYに連れて行くことになり…。

    時は20世紀初頭。マンハッタンが建築中であったり、女性が簡単に襲われそうになったり、当時の様子が興味深い。
    移民を食い物にする人々、厳然とある階級差。
    その中で正体を偽ってアメリカにやってきたモリーが奮闘するのだけど、これがまた一言多い性格で事態は混迷するばかり。
    ハラハラすることはないけれど、一生懸命に生きるもリーの姿には好感を抱いた。
    ミステリ部分は、こんなもんかと言う感じ。どちらかと言うと、当時の描写に重きが置かれているように思えた。事件の解決の仕方も然り。

全12件中 1 - 10件を表示

リース・ボウエンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×