グランド・フィナーレ (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757751

感想・レビュー・書評

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  • この間伊坂幸太郎氏の本を買ったら宣伝が入っていたので一作かりてみようと図書館で。芥川賞を取った作品だそうですが読んだ感想はなんじゃこら?でした。あとがき読むと本を読まない世代が読むとスゴイと言うので作品を再評価したとか書いてありましたがそれって結局その方が読んだときはどうってことないと思ったという事なんじゃ…?とか思いました。

    なんとなく重たい文章で読みにくいのとにじみ出る自分勝手な男の言い分が纏わりつくようで一言でいうと気色悪いお話でした。何が気持ち悪いって「ワタシ」さんは自分が悪いと言いつつも本心の所で全然そう思ってなさそうなところが怖い。結局奥さんが彼の異常な娘への執着をおかしいと思わなければ、発覚しなければ彼は今も娘の写真を撮り続けていただろうし何の良心の呵責もなく少女のポルノ写真を所持していただろうしな。そしてそれが何が悪いの?ぐらいにしか思っていないからいまだに娘に執着しているし娘も愛してくれていると信じている。成長した娘がいずれ訪ねてくれるかも、なんて期待を抱いている。オイオイとこちらは失笑せざる負えないですが。
    いずれにせよ自分は悪くない。見つけた妻が悪い、余計なことをしゃべる友人が悪いぐらいしか思ってないのがにじみ出ていて恐ろしい。そしてそんな事件を起こしていても幼女二人が頼ってくれていると思いインコを贈ろうとする。いやあ、引っ越す少女に生き物はNGでしょう。でも彼は自分は良いことをしていると思うから人の事を考えて行動はしない。相手の立場も、気持ちも思いやることが出来ない。想像力が無さすぎる。もしかしたら食い物にしていた少女たちにとっても自分は良いことをしていると思っていたのかも。ものすごい独りよがりで怖い。あ、でも買春で捕まる人ってこういう意識なのかも。自分は悪くない。売るやつが居るから買ってやってるだけでむしろ自分は良いことをしているんだ、って。

    結局痛ましい体験をしている子供が居てもアフリカのどこか、というように自分とは関係ない、他人事で済ませられてしまう時代って怖い。まあ…嫌なお話でした。

  • 意味不明。
    表題作はまだなんとなく読めるけれども、残りの3作は全く分からなかった。いずれにしても、変態的な小説なのだろうとは思う。

  • もうあんまし覚えていませんけれども、ロリコン男の話だったかと思います! この題材で芥川賞を受賞できるだなんて…さすが阿部先生ですね! ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、取り立てて感想めいた感想はないんですけれども、解説にもあった通り、現実味・人間味に欠けるかのような描写の主人公ではありますけれども、実際にはこういった、特に電脳化著しい現代においてはこのような男が幾多も存在するんじゃないでしょうかねぇ…みたいなことを思ったのでした。僕も実際、人間としての大事な何か、つまりは感情・情緒といった面が欠けているのかと思いますし… ←え??

    といった感じで世間的な評価はあまりよろしくない芥川賞受賞作ではありますけれども、個人的にはそこまで酷い作品だと思いませんでした…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 読書が、岩山を登っているような感覚。「漢字」という岩山を。というのも画数の多い漢字が多用されているからだ。また、レトリックが妙に古めかしかったりする。作者が明らかに視覚人間だというのは一目瞭然。また、論理の運びも視覚的。
    作者が最近書いた、そのものずばり、『□(しかく)』という本が書店に並んでいたが、きっとこの本も「視覚」にかけてあるはず。
    見た目には違うけど、実際発音してみると同じ音、の言葉に対する執着がいくらか強い。

  • 2013年11月21日読了。2004年の芥川賞受賞作。妻と娘に絶縁された男の彷徨と再生(?)を描く表題作他、架空の街「神町」をめぐる短編を収録。正直、非常に個性的な小説であり、巻末の高橋源一郎による解説を読まなければ何をどう解釈していいのか迷うところだった・・・。小説の主人公は通常作者自身が投影されていたり正義漢だったり弱者だったりと読者の共感を誘うように性格設定・描写がされるものだと思うが、表題作の主人公は客観的に言って「どうしようもないクズ」であり、またその心理が空虚すぎてどうにも感情移入できない・・・そこが狙いなのだろうが。「共感とか感情移入とか、誰かの体験・感情というものはそう簡単に他者に理解できるものじゃないよ」という作者のメッセージだろうか?表題作以外の、よく分からないままよく分からないところに連れて行かれてしまう感覚も、不思議。

  • 2004年下半期芥川賞受賞作。阿部和重は、これ以前に既に群像新人文学賞、野間文芸新人賞、伊藤整文学賞、毎日出版文化賞を受賞していた。もはや今さら新人の登龍門でもないような赫々たる受賞歴だ。文壇、あるいはむしろ出版界がこぞって待望する新しい文学の旗手といった位置づけである。阿部は本質的にストーリーテラー型の作家である。本編『グランド・フィナーレ』でも、そうした力量は存分に発揮されているだろう。しかし、主人公の抱える煩悶が表層的に過ぎるように思われる。日本版ナボコフたるには、あまりにも遠い階梯だ。

  • ☆☆☆★

  • 2005年芥川賞受賞作。作品全体の暗さ、不気味さが体に残る。前半は主人公の気持ち悪さが際立つが、意外と自己反省的で、自分の悪い部分を分析する一面も見られる。掴みどころがない。掴みどころのなさから多少の人間味が出ていて(とても魅力とは呼べないけど)、憎みきれない。

  • 表題作の他、「馬小屋の乙女」、「新宿 ヨドバシカメラ」、「20世紀」を収めています。

    表題作は、主人公の37歳の「わたし」が、子供服売り場で娘へのプレゼントを探す場面から始まります。

    「わたし」が語るにつれ、離婚して妻と娘と別に暮らし、その離婚の事情が「わたし」の性癖によるものと、徐々に明らかになります。

    職も失い、帰郷後、そこで出会ったふたりの小学生の女の子から、ある依頼を受け、子どもの世界観は、大人より狭く短いことに気づかされます。

    「わたし」のもつ性癖からすれば、心のうちに燃えるコダワリがあってもいいのに、そのコダワリとの間に、どこか冷静においた距離を感じます。

    私が思い描いていた1点にコダワリをもつ人物像とは異なる、****らしくない冷めたズレにより、「わたし」に対する妙な興味が、不快な気分を抱えながらも、この小説を読み進む原動力でした。

  • ストーリーは、ロリコン趣味のある父親が娘に固執し、奥さんに離婚され、実家に帰る。って言う話。
    文の言い回しとか直接的じゃなくって曲折的であまり好きじゃないのよね。
    たとえば、クリスマスって言うのを「聖なる夜」とか言っちゃうとこ、芥川賞的だよね~。
    でも読んでて悪い本ではなかったけど、すっごい良い本でもない。
    何が結局のとこ言いたかったのかちょっと理解できなかったな~。尻切れトンボみたいな結末も好きじゃない。

    併録されてるとは、『馬小屋の乙女』『新宿ヨドバシカメラ』『20世紀』。
    『馬小屋~』と『新宿~』はね~、イマイチ。ちょっとシモネタ系の短編。
    読み終わった後「ん~~。オッケーーー。(単調に言う)」って言いたくなるほど、あ。っそうなの。
    って感じの小説。
    『20世紀』はね、著者が小説の舞台にもなった神町(じんまち)の取材に訪れたときの紀行エッセイ。
    こっちの方が面白かったよ。

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著者プロフィール

1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人賞を受賞し作家デビュー。’99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年に『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞、’05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、’10年本作で第46回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。他の著書『クエーサーと13番目の柱』『IP/NN 阿部和重傑作集』『ミステリアスセッティング』ABC 阿部和重初期作品集』対談集『和子の部屋』他多数。

「2013年 『ピストルズ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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