グランド・フィナーレ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 698
レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757751

作品紹介・あらすじ

「二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ」すべてを失った"わたし"は故郷に還る。そして「バスの走行音がジングルベルみたいに聞こえだした日曜日の夕方」二人の女児と出会った。神町-土地の因縁が紡ぐ物語。ここで何が終わり、はじまったのか。第132回芥川賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • グランド・フィナーレ(芥川賞)
    馬小屋の乙女
    新宿ヨドバシカメラ
    20世紀

    第132回芥川賞
    著者:阿部和重(1968-、東根市、小説家)
    解説:高橋源一郎(1951-、尾道市、小説家)

  • 古本

  • おもしろいなあ。本編もいいが他の3編もいい。かなり笑った。

  • 43:ダ・ヴィンチで新刊が紹介されていたものの、どうやら大きな連作(というか、物語の舞台が共通)らしく、またこの方の作品はひとつも読んだことがなかったので、借りてみました。
    表題作、確かにこの主人公は人間としてどうしようもない位置にいるのかもしれなくて、言い分の正当性と言い訳の間で揺れるさまはとてもリアル。ロリコンであるという属性は、何にでも書き換えられる。ラストシーンは新たな始まり(それがどういったものであれ)を予感させる、静かながら内に秘めたものの成長が感じられる力強いもの。まさに、グランド・フィナーレ。
    しばらくこの方、追いかけてみようと思います。

  • 初めて阿部和重を読んだ。有名どころから入りたくて、芥川賞を受賞したグランドフィナーレを読んでみた。

    いやぁ、難しい。正直なところ、小説として面白いとは思えなかった。
    けれど、解説込みでなんとか「そういうことなのかな」という納得感みたいなものをひねり出した。

    主人公の男性は、娘を含めた複数の女児のポルノ写真を撮影していたんだけど、そのことが妻にバレてしまい離婚となる。
    都会での仕事や家庭、享楽の全てを失って、主人公は地元へと帰る。地元では二人の女児と出会って、演劇の指導を手伝うことになるんだけど、二人がインターネットで自殺サイトを閲覧する場面に遭遇してしまう。

    物語の終盤で、主人公は二人の無事を確認するために夜中まで駆けずり回る。それは贖罪というよりもむしろ、もっと原初的な感情なのかもしれないと感じた。
    東京では相手の立場に立って考えることなんて一度も無かった主人公が、全てを失った後に初めて必死になって何かをした。それはある意味では美しくて希望の持てる展開だったのかなと思った。

    ちなみに、文体は硬くてシリアスな森見登美彦といった感じだった。

  •  四編からなる短編集。
     うち「グランド・フィナーレ」が芥川賞受賞作。
     うーん……。
     なんて感想を書けばいいのか困ってしまう。
     個性の強いキャラクターも出てこなければ、ひとつひとつの行動に移るための熱みたいなものも全く感じられない。
     いや、書き方によってはもの凄いキャラクターになるのだろうし、高熱を発しながら怒涛の活躍を見せることだってできる、そんな内容の話だと思う。
     ということは、あえてニュートラルに書いているのだろうか。
     なんだか自分でも上手く把握できないうちに読み終えてしまったのだが、なんだかんだ言ってもかなり面白かった。
     だから余計に困ってしまうんだよなぁ……なんで面白かったのかチンプンカンプンなのだから……ブツブツ。
    「馬小屋の乙女」は考えようによっては、ホラーですね、これ。

  • 短編集。表題作は、ロリコンがバレて離婚させられた男が会えなくなった娘に未練を残しつつ田舎に戻ったら、ある経緯から二人の少女の演劇指導をすることになった話。演劇指導を依頼されるまで随分と退屈だったけれど、救いようのない結末でなくてホッとした。仮構に人物を当てはめてコミュニケートした気になってる、は、改めてそうだと思った。他の短編では、ホームビデオは画面の映像と記憶の映像の2つを観ている、との記述が面白く思った。

  • 何が言いたいのやら全くわからない。何を感じたのか?離婚して愛娘と会えなくなったのは自業自得。家業を手伝いながら小学生の演劇の手伝いをして二人の少女の生きる手助けをしようとするのは贖罪なのだろうか?

  • これは神町絡みって分かりやすかったし、ニッポニア関連の話題も出てきたけど、やっぱりそれぞれの相関性はほぼ皆無なんですね。独立した物語になっていて、これ単独でも十分楽しめる内容でした。まあ、どこまで楽しめたかってのは別問題で、アブノーマル描写が多いなってこと以外、とりたてて言うことはない感じでした。でもそのアブノーマリティも、前2作の方が極端に思えましたが。表題作以外のおまけ(?)短編に関しては、読み流した程度で、特に感慨は覚えませんでした。やっぱりシンセミアが最強と思います。

  • 初阿部。主人公・沢見からある友人に語られる沙央里との離婚した経緯は現代でもありがちだなと思った。またイニシャルで表記されている人物とそうでない人物がいるが、これは何を示しているのだろうか...?純文学は読みにくいイメージがあるが、割と読みやすい文体でした!機会があれば他作品も読んでみたい。それにしても感想を述べるのは難しい・・(><;;

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著者プロフィール

1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人賞を受賞し作家デビュー。’99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年に『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞、’05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、’10年本作で第46回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。他の著書『クエーサーと13番目の柱』『IP/NN 阿部和重傑作集』『ミステリアスセッティング』ABC 阿部和重初期作品集』対談集『和子の部屋』他多数。

「2013年 『ピストルズ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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