新装版 抜討ち半九郎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 42
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757775

作品紹介・あらすじ

殺戮、強盗、裏切り――。暗い生を急ぐ、抜討ち半九郎
運命に翻弄される男たちを描く佳作7編を収録。

稲毛藩の城下町にある藩主の菩提寺・永徳院を襲った盗賊一味。主犯格の半九郎は、元武士であった。殺戮に強奪、そして裏切り。心の休まる暇もない苦い人生を急ぐ半九郎が探し求める「小せえもの」とは。表題作ほか、運命に翻弄され、過酷な生に立ち向かった者たちの姿を活写した時代短編小説全7作を収録。

感想・レビュー・書評

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  • ネットで安価に購入した1990年第一刷の講談社版の単行本。
    「池波正太郎傑作壮年期短編集1」となっている。
    表題作を含む短編七作品が収められている。
    各々の最後には著者の執筆当時の年齢が記されており、大体32-34歳の頃の作品。
    巻末の解説からすると戯曲などから小説にウェイトを置いて書き始めた初期となるようです。
    そのせいか、今まで自分が慣れ親しんできた池波正太郎作品とは受ける感じが違っていました。
    鬼平や剣客商売などの言ってみれば立ち回りを見せてくれるワクワク感の量が少ない、反対に作品の主人公の思いに深く入り込んでいくような感覚が強かった。
    けれど毛色の違う池波作品に出会えて良かった。

    仇から逃げながら薄幸な女おみよを守り通す関口弥十郎を命懸けで助けるヤクザ者半蔵の思いを語る「あばれ狼」は秀逸だった。

  •  読んでいて山本周五郎を読んでいる気になるが、結末で周五郎じゃないのだと気づく。正太郎と思えない滑稽味がある。
     でも、周五郎は明るい。正太郎は暗いとは言わないが、斜に構えている。素直じゃない。
     素直に終わらないところが深いのか暗いのか。
     やっぱり周五郎が良い。

    • moboyokohamaさん
      私も同感です。
      いつもの池波正太郎作品とは感じが違うと思いました。
      やはり初期の作品ということで今私が思う池波正太郎スタイルにはなっていない...
      私も同感です。
      いつもの池波正太郎作品とは感じが違うと思いました。
      やはり初期の作品ということで今私が思う池波正太郎スタイルにはなっていないのかなと思いました。
      でもこんな感じの作品もあった事を知り嬉しいです。
      2023/01/23
  • 毎日一遍づつ読んだ。解決しない終わり方を描くのがうまいと思った。中途半端な感じがしない。いろいろな人生、人間のいろいろな側面。

  • <目次>


    <内容>
    初期の作品を含む短編7編。鬼平や剣客商売、仕掛人などを読んでいると、短編はちょっと違和感があった。ただストーリーの流れがよく、「一学」など、忠臣蔵の裏の話として面白く読ませてもらった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    稲毛藩の城下町にある藩主の菩提寺・永徳院を襲った盗賊一味。主犯格の半九郎は、元武士であった。殺戮に強奪、そして裏切り。心の休まる暇もない苦い人生を急ぐ半九郎が探し求める「小せえもの」とは。表題作ほか、運命に翻弄され、過酷な生に立ち向かった者たちの姿を活写した時代短編小説全7作を収録。

    令和5年7月13日~18日

  • 読み応え有る、渋い傑作が六編!

  • 短編集です。新装版もひと段落でしょうか。

    電子書籍に移行しました。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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