ランドマーク (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 105
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757980

感想・レビュー・書評

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  • ねじれたフロアで巨大な螺旋を描くという異形なデザインの建設中高層ビル『O-miyaスパイラル』。
    それに関わる人間達の少しずつねじれて行く人生を描いた長編作。

    ラストの方に書かれていたこのビルの設計上の例え話が人生の比喩のようでゾクっとしました。

  • 待っていました、文庫化。

    日常に散らばる危うさと心もとなさが、
    建築途中の高層ビルが徐々に空へ伸びていくように、
    ある頂点へと積み重なっていく。

    吉田修一を読むといつも思うのだが、
    不特定多数の固有名詞が乱立すると、
    没個性化が起こる。

  • 圧倒的な筆力で現代の「ひずみ」描きだす!開発途上の大宮の地にそびえ立つ、ねじれた外観で、地上35階建てのスパイラルビル。その設計士・犬飼と、鉄筋工・隼人、立場の違うふたりの運命が、交差する。

    別段何か起こるわけでは無いお話。
    最後に良治が自死したくらい。

    どこにでも居る様な男二人。
    犬飼は愛人作ってまともに家に帰らず嫁さんに出て行かれ、
    隼人は現状に不満が無い事に不満を覚えて貞操帯を着けて何か変化を期待している様に見えた。

    何気ない日常が人間を歪ませる。
    何もかも不自由なく手に入り生活が出来るこの世界が、
    大宮スパイラルの様に歪んでいく。
    ねじれたものは元に戻ろうと反発する。

    巨大な建築物と共に犬飼も隼人もねじれていくように見えた。
    結末が尻つぼみのように感じたが、
    ねじれたものはそう簡単には戻らないとも読める様な気がする。

    日常生活の中で注視していないだけで、人は歪んで行ってしまう事があるのかもしれない。
    犬飼や隼人の様に戻る事が出来なくなるのかもしれない。

    菜穂子がまぁまぁ可愛いなぁ。

  • 作品から出てくるカラーとしてブルーグレーのイメージでラストに向けて破滅していく居心地の悪さ、不快感が感じられます。これも狙いなのでしょうか?
    (本棚を検索していたら、以前の登録が消えてました)

  • 吉田修一なのに、あまり入り込めず。残念。

  • 裡にこもりたくなった時、よくお風呂場に持ち込んで、うずくまるようにして読んでいる。

  • ここでの評価、低いなぁ。。。^^;

    確かに、内容は、結局なに?っていう感じはあったけども、でも読んでいて退屈では、なかった。

    読んでて街の情景が頭いっぱいに広がるのって、描写がうまいんだなぁと思う。

  • 最期まで読ませ切る筆力は感心しますが、内容はいまいち入り切れませんでした。ラストも消化不良でした。

  • ねじれがひどく読み進めるのがつらかった。

  • 鉄の感触が伝わった。
    人にオススメはあまりできない本。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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