- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062757980
感想・レビュー・書評
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自分の地元が舞台で、その詳細な描写に光景が浮かんだ。
また別の楽しみ方ができた。この街が舞台ってあんまりなくて嬉しいような。。
上手いな~と思う。
誰もが感じている閉塞感のようなもの、
空気のように当たり前でいて、実は最も根源的であり
その危機的状況をランドマークタワーに投影していて、
果たして他人事とは思えない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ねじれた形の高層ビルを設計した男と建築する男。
彼らの人生もまたねじれていく。
共感もしなきゃ感動もしない。
だけども、この人の本は文学の香りがする。 -
主人公の一人、隼人は鍵を埋める
作り手として自分だけが知っている秘密を残したいのか
それ以上の意味があるのか
隼人のそれまでの行動がとんでいるのでわかりがたい
もう一人の主人公、犬飼は愛人部屋で
“グローバル経済と現代奴隷制”という書籍を見つける
この本が気になって(実際にある書籍のため)購入
現代奴隷制という相反するような言葉が連なって
ひとつの単語を形成していることはなんだか不思議な印象
最後、これで終わり?と思う終わり方になっている
吉田さんのお話はあくまで生活の一部を切り取ったもの
という形になっている気がする
何か大きなことが起こったとしても
わかりやすいハッピーエンドも哀しい結末もなく
ただ、その後にも続く生活の余韻を感じるよう
それが素敵なんだけど、吉田テイストの余韻は
(あまり明るくもなくカラッともしていないので)
積極的には味わいたくないかも…と思ってしまいます(笑) -
それほど期待もせずに買って読み始めた割にはなかなかの面白さであった。設計士の犬飼と鉄筋工の隼人を主人公にして、普通の生活の裏に潜む歪んだ日常がよく描かれていて、現実感を持った作品となっている。また、その歪みが、大宮に建築中のO-miyaスパイラルと照らし合わせて描かれているところが、読者に、現実的な歪みと不安感を植えつけるのに強い効果を出している。
その他の登場人物も含めて、みんなどこか不安定で、全編通して幸福感を感じさせない内容となっており、何かが起きるのではないかとつい先を読み進めてしまうのであるが、吉田修一の悪いところであろうか・・・読者それぞれに委ねているのかもしれないが、終わりがあっけなさすぎる。せっかく興味を持って読んで来たのに、最後がこれではつまらない。
もうちょっと先まで描ききってほしいものである。 -
出版社/著者からの内容紹介
最高傑作長篇小説
村上龍氏絶賛!
「倒壊の陰にある希望、裏切りと同意語の救済。閉塞と共存する解放、虚構に身を隠す現実。」
関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で<現代>のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説!
それぞれにそれぞれの物語があるんだなぁ・・・
と感じてしまいます。
きっと何も取り柄がないような僕にも物語にしようと思えばそうなるのかなぁ・・・とか感じながら読んでみました。
なんだか続きも読みたいです♪ -
つまらない話だった。
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何を書きたいのかよくわからなかった。尻切れトンボで読後感はもやもや。
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都会の交換可能性。
渋谷のロフトで買うはずのカップを大宮で買うときの不自然さ。
象徴を強調しすぎか -
2010.9.25
大宮のスパイラルビル。
隼人、犬飼。
なんか深さを感じなかった。
浜崎あゆみとかで現代感を出したのかな。
方言読みにくいし、
建築の説明がめんどい。
お金をもらってるからなんでもやるのか、
お金を払ってるから何にもできなくなるのか。 -
いまひとつテーマがはっきりしなくて、のめり込めなかったなあ。
それぞれの人物の、それぞれの行動の意味が、いまひとつ浅かった。
あと、建築のこととかサッパリわからないので、そこらへんも合わなかった理由かも。
わかる人には面白い場面が多いのかな。
吉田修一は好きだけど、たまにハズレがある。これもそのひとつか。