NO.6 [ナンバーシックス] ♯3 (講談社文庫)

  • 講談社
3.86
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本棚登録 : 2839
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758017

作品紹介・あらすじ

これだから、人間はやっかいだ。深く関わりあえばあうほど、枷は重くなる。自分のためだけに生きるのが困難になる。火藍から沙布が治安局に連行されたことを告げるメモを受け取ったネズミはそれをひた隠すが、事実を知った紫苑は救出に向かう決心をする。成功率は限りなく0に近い-物語は疾走する。

感想・レビュー・書評

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  • 理想郷とその闇を描いた作品で
    舞台はSFながら
    今現代のさまざまな課題が取り上げられた作品でした。
    児童小説?になるのかな、文体も凝ったものでなくてとても読みやすくまた面白かった。
    紫苑とネズミ、他登場人物も魅力あるキャラクターなので全9巻、最後まで読みたいと思います。

    • あんずさん
      懐かしいです!学生時代大好きな作品だったので、つい嬉しくてコメントさせていただきました。ぜひ、魅力的な登場人物たちの行く末を最後まで楽しんで...
      懐かしいです!学生時代大好きな作品だったので、つい嬉しくてコメントさせていただきました。ぜひ、魅力的な登場人物たちの行く末を最後まで楽しんでください(*^^*)
      2023/10/13
    • ひろさん
      あんずさん、学生時代に読まれたんですね。そう聞くと、後れ馳せながらという気持ちで気恥ずかしいところもありますが、とても面白い作品ですね。大好...
      あんずさん、学生時代に読まれたんですね。そう聞くと、後れ馳せながらという気持ちで気恥ずかしいところもありますが、とても面白い作品ですね。大好きだったのはよくわかります。これは最後まで楽しく読めそうです。最後ですがコメント嬉しく思いました。ありがとうございました!
      2023/10/13
  • 3巻も一日で読破。

    今回は 紫苑がネズミに別れを告げるシーン、そしてネズミが紫苑を迎えに行くシーンに心打たれました。

    紫苑の純情さ、優しさ、ひたむきさ、他人の為に泣くことができる感受性と純粋さ…大好きだし、憧れます。
    紫苑がネズミと一緒に居てくれて良かった。
    ネズミにとっての大切な人になってくれて、本当に嬉しいです。

    そして、ネズミ。
    今まで他人と繋がらないようにしていたネズミだけれど、紫苑が大切な存在となった。
    その紫苑に別れを告げられたとき彼が涙したこと、
    迎えに行った時 強くて、真っ直ぐで、熱くて、重みのある…上手く言葉で表せないけど、紫苑に向かって真っ直ぐにぶつかって行ったこと。
    人を求めたり、心が揺れたり、そういった「人間らしさ」をネズミが見せてくれたことが すごく嬉しかったです。

    「別れのキスなんか二度とするな」という言葉には「もう二度と離れるな、一緒に居ろ」という意味が含まれていたように感じて、とても感動と切なさを覚える場面でした。それにその場面からは、ネズミの紫苑に対する気持ちの重さ、種類が当初とは変化しているようにも感じられて、二人にはいつまでも一緒に、共に暮らして幸せになって欲しいと願わずにはいられません。

    派手なアクションシーンも良いけれど、心の揺れが描かれた場面の方が好きですね。

  • 紫苑が都市に住んでいた頃の、唯一の友だちと言っていい沙布が治安局に連行された。
    それを目撃していた火藍は、メモをネズミに託すが、それが息子を窮地に追いやることになるのではと思うとじっとしてはいられなくなる。

    しかしNO.6は、監視社会であり、密告社会でもあるのだ。
    それを教えてくれた楊眠(ようみん)は、味方なのだろうか。
    そして、油断をすると足を掬われるような社会が、平和で安全だと言えるのか、と火藍は考えるのだった。

    沙布のことを知らせると、絶対に紫苑は後先も考えずに救出に飛びだしていくはずだと思うと、ネズミはそれを紫苑に知らせることもできず、とりあえず沙布が連れ去られたという矯正施設についての情報を集め始める。

    一方紫苑は、古着屋で沙布のコートを見つけ、沙布に何かあったのではと思い、ひとりNO.6に潜入しようと家を出る。
    そんな紫苑の前に現れたのが、ネズミ、イヌカシ、力河だった。
    彼らはまず沙布に関係しそうな情報を集め、作戦を立ててから行動に出ることを決めた。

    ところまで。
    この巻で救出まで行っちゃうかと思っていたから、話の進みの遅さにちょっとがっかり。
    でも作者によると、その先の彼らの行動を考えると、誰かの血が流される可能性が高い。
    そのとき、彼らの若い魂の内が急激な変容を遂げざるを得ないとき、作者はその事実をどう受け止め、どう書くかを考えながらのこの巻の執筆だったらしい。
    作者がそこまで考え、彼らに寄り添うように書いたその先のストーリーを楽しみに待つことにする。

  • 進展はない巻だった。

    “一度でも腹を満たしたことのあるやつは、そんな経験のないやつより、ずっと飢えが辛いんだ”

    なるほど、、

  • 孤独に1人で生きてきたネズミが紫苑と出会ったことで、他人のために動くように変わっていくのが興味深いです! 西ブロックでの生活の術を全く知らない紫苑をかばうのはリスクが大きいはずなのに、自分へのリスクが大きくなろうとも紫苑の力になりたいと願うネズミが人間らしさを取り戻していく様で嬉しくなりました‼︎

  • 沙布がどうなったのか、紫苑が助け出せるか? 不思議な病気は、どうなっていくのか?

  • イヌカシの母が犬と知り笑わなかった紫苑。そしてネズミ。そのことにハッとしているイヌカシがかわいいやら、感動的やら。犬を大事にしてくれる紫苑に、イヌカシも少しずつ心を開いていく。
    物語終盤、ついに紫苑がさふが連れ去られたことを知ってしまう。イヌカシはネズミに忠告するのだが、その言葉が印象的で、真理な気がする。
    「おまえさんの負けだ、ネズミ。守らなきゃならないものを持っちまったやつが、負けさ。それがここのルールだ」
    そして紫苑は紫苑でネズミを助けたことを後悔していない、たとえ同じ日に戻っても同じことをする、その言葉を聞いて出会わなければよかった、自分のことで生きるのが困難になると感じるネズミ。すでにそうなのだろう。
    紫苑が一人でさふのところへ行くのを感じとり、いつものネズミだったら放っておくところを、ネズミもその闇に飛び込む。大きな心境の変化で、読んでいて楽しい。

    急にキスする紫苑の大胆さにも驚いたが、それよりもネズミがイヌカシに忠告されるほど紫苑のことを大切にしている感じがひしひしと伝わり、その心情を隠そうとしているところとかが愛おしかった。

  • あさのあつこ氏のSF小説『NO.6』第三巻。ネズミを使って近くて遠い未来都市に住んでいる母親と連絡を取り始める紫苑。そのカ 彼を理解できない謎の少年『ネズミ』との共同生活がスリリングに動き出す。クライマックスでは紫苑に恋焦がれる少女沙布が治安局に攫われる。かなり面白くなってきました。

  • 2019/01/07 再読。

    2023/02/27-28日。再再読。
    ・3巻好きだな~。ネズミと紫苑がこう、精神的に対等になろうとした第一歩。好き。


    。ネズミとイヌカシの関係も良い。というかこのふたりの会話や駆け引き見てると、いかにネズミが紫苑の前でぐだぐだ(?)かがわかるな。イヌカシも言ってたけど。

    ・だから、おまえは自分で思ってるほど強くはない、ただのひとりの人間なんだと実践をもって教えたイヌカシはすごいな。犬のために自分のためにももちろんあると思うけど、ネズミのことをアッサリ死んじゃったらだめな人だと思ってくれてる。


    ・楊眠ってこの辺から出てきたっけね! 思ったより早いなと感じたけどこんなもんか。

    ・楊眠みたいな思想を持っている人がよく今まで無事に過ごしてるなと思ってたけど、さすがに思考の内部までは探れないもんな。楊眠サイドはたしかアニメで大胆にカットされてたから、どんなんだったか読むの楽しみ。


    ・紫苑、よく爆発するなー。NO.6にいるときはこんなに感情を揺さぶられるできごとが起こらなかったっていうことかもしれないけど、元々かなり感情的になりやすい性質なんだろうね。

    ・この期に及んで沙布のことを「恋慕とは異質の」「家族のように、親友のように、愛している」と評したのは、なんというか、紫苑だね…… となった。どうしても恋慕にはならないんだな。


    ・じゃあ(?)ネズミに対してのおやすみのキスはなんなのよ。「きみに出逢えてよかった」はわかる。キスはわからない。これ私が愚かなオタクだから、ウッホホーイ、となってしまうけど、なんでキスした?? こりゃ紫苑さんあんたファーストキスでしょうが(誰?)。

    ・あとそれで泣くネズミもなんなのよ。わからないよ私には。紫苑に嘘をつかれたこと、自分を巻き込まんとしてひとりで行くことを決めたこと、そして優しいキスがもう二度と会わないと決意したお別れのキスだったこと、いろいろ綯い交ぜになった涙だったのかな~。

    ・殴り合って(殴り合ってというほどでもないか)仲直りするところもTHE 青春って感じですごく良いよ! メロスかい! あとほんとにネズミは紫苑に対して甘いな。一発殴って一発蹴って、足を払っておしまいだもんな。


    ・それで力河はともかくイヌカシも紫苑に相当弱いのよ。なんだろうな、紫苑ってそういう人に好かれやすい魅力みたいのを持ってる人なのかな…… NO.6育ちの純粋培養エリートっていう異質さもあるだろうが、性質の為せる技だな、と感じるところも多くある。

    ・あとコンクかわいい。ニッコリ。間違いなく今巻の癒やし担当だった。

  • 9巻にて

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著者プロフィール

あさの あつこ:1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『アーセナルにおいでよ』など多数。

「2025年 『あなただけの物語のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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