キマイラの新しい城 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758178

作品紹介・あらすじ

「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」フランスの古城を移築後、中世の騎士として振舞い始めた江里。750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作(いするぎぎさく)は、殺人事件に遭遇する。嫌疑をかけられた江里が向かった先は……。ミステリの枠に留まらない知的エンタテインメントの傑作! (講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • 殊能先生が亡くなられて、もう1年が経つのですね…。ご逝去の報に接した当時、ハサミ男を是非読もう、と思いながらも時間ばかりが経ってしまった(汗)。そして、何故かハサミ男ではなく、絶筆の作品となってしまった今作から入るという邪道っぷり…←
    だって、お城の平面図に…滾ってしまったんだもの…←←

    ※以下、トリックのネタに触れまくってます(一応伏字)。未読の方はご注意ください。

    750年前に殺害された亡霊が、「自分の死の真相を解明してほしい」と依頼する設定や、亡霊の視点から見た現代日本の描写が面白い(笑)。
    ぶっちゃけてしまいますと、750年前の殺人事件と現代で起こった殺人事件の謎解きは、呆気に取られるくらい味気ないです。平面図に書かれていない出入り口、っていう設定そのものは綾辻先生の館シリーズで免疫がある私には許容範囲ですよ。それでも、×××はないでしょ、×××は~(笑)。

    実際の殺害トリックよりも、やはりミステリスキーの端くれとしては、名探偵イスルギー(笑)が途中でぶっこんできたトンデモトリックが良かったですね~。城がまさかの××しちゃうなんて、盲点でした(笑)。
    赤川作品にも、【建物が凶器】っていうトンデモトリックがありましたが、このトリックもそれに類するものですね。こういうネタは、現実性とかどうでもよくなるくらい、「ようやってくれた!その意気やよし!」と嬉しくなってしまうのが常でございます(笑)。

    GW中にハサミ男も読めたらいいな~


    750年前に密室と化した塔の中で背中を刺され死亡した騎士が、現代の日本に甦った?!「我が死の真相を探る魔術師を呼べ」――そうして呼び出された探偵・石動戯作だったが、事件検証後に関係者の一人が撲殺されてしまう。嫌疑をかけられた騎士の嫌疑を、石動は晴らすことができるのか?

  • 夭折を心から悼む。もっと読みたかった。

    <blockquote>なぜなら、論理的とは、構造の問題だからだ。各要素の属性を捨象し、それらの関係性だけをとりだして初めて、構造が見えてくる。

    さて、このふたつの感想はどちらもイメージにすぎず、抽象的であることとはいっさい関係がない。抽象的であるとは、アクリル板に描かれた三角形も、血まみれの三つの生首も正三角形であると認識することだ。

    最も初歩的な誤謬は、論理を日常的・現実的なものとみなすことだ。実際には、論理はどんなに非日常的・非現実的な要素にも適用できる。いいかえれば、いかに論理的に正しい推論であっても、日常的・現実的な意味において正しいとはかぎらない。ある推理が正しいかどうかは、論理的整合性の外部で決まる。探偵は論理一辺倒じゃやっていけないんだよ。 p378</blockquote>

    論理は点検の具であり、プレゼンテーションのツールだと思う。
    論理的であるとして喋り倒しながら、自分の思い付きを点検している。

  • 石動戯作シリーズ最後の作品。
    とはいえ前作の『鏡の中は日曜日』をとばしてこちらを先に読んでしまった…。
    そっちに出てくる登場人物がでてくるのでやはり順番通りに読むべきだったかな…と。

    750年前のエドガー卿の死の真相を探ってほしい、というとこから入って現代の事件も起こってしまい…という話でエンタメミステリというかバカミスというかアンチミステリというか…。
    本格ミステリのようにカッチリした動機やトリックを重視する人は難色を示すかもしれませんが、どんなんであれ楽しめればという人にはいいと思います。

    エドガー卿いいキャラしてました。
    生真面目だったり大暴れしたり現代の物に戸惑ったりと事件の最中ですがなんだか微笑ましかったです。

    オチには賛否ありそうですがあの切ないような爽やかなような感じは私は好きです。

    石動とアントニオのコンビはかわいくて個人的に好きだったので、これでお別れだと思うと寂しい…アントニオが手ふってバイバイしてるとこがこっちに向かってサヨナラしてるように思えてきてなんだか…切なく…。

  • これはトリック呼べるのか…

  • テーマパークの社長に憑依した中世の騎士が自分の死の真相の解明を名探偵(?)石動戯作に依頼。そこから始まるドタバタが最高に面白い!こんな迷探偵はそういない。テキトーな推理で済ませたり、丸投げしたり、えっ?そこに気づかない?と失笑させてもいただきました。稲妻卿の現代文明の表現も笑ってしまった!そして過去と現在の密室殺人が共鳴したかと見せかけ、なんですかその結末は!これがバカミスというものなのですね。ムアコックのエルリックサーガを読んでからだと更に面白いらしい。知識と考証に裏付けられた極上のエンターテイメント!

  • 石動シリーズ、探偵役の情けなさがすごく好き
    設定が有りそうでない感じ
    全体を通して微妙な空気感というか、堅苦しさがなく読みやすい
    大昔の密室殺人を解き明かす!といった気負いはなく、謎自体はだいぶ大味のバカミススレスレ…
    ほんわか読んでいられる

  • 2015年12月31日読了。
    2015年240冊目。

  • 殊能将之の作品は,掛け値なしに面白い。文体も肌に合うが,名探偵役の石動戯作,ワトソン役のアントニオ,鏡の中の日曜日に続いて登場しているもう一人の名探偵,水城優姫。そして,この作品の主人公,エドガー・ランペール。どのキャラクターも個性たっぷりに,生き生きと描かれている。
    本格ミステリとして読むと,完全なるバカミス。750年前の密室と,現代の密室,二つの密室の謎が出てくる。現代の密室トリックは,抜け穴があったという信じられないトリック。一応,心理的なトリックは用意されているが,密室を扱った事件で,「抜け穴があった」というトリックの作品を読むことができたのは,逆にラッキーだったと思える。750年前の密室の謎は,被害者が犯人であったというもの。自殺は神に対する背信行為なので,自殺はできない。塔の梁から剣を糸でつるしておき,毎日その下で祈りをささげる。糸が切れて剣が落下したとき,下にいるかもしれないし,いないかもしれない。このような状況で自分自身を殺したというトリック。
    750年前の密室の方は,エドガーのキャラクターの魅力も合わせ,なかなか考えさせる。
    密室トリックがアレなので,本格ミステリとして読んだ場合は三流だが,エンターテイメントとしては一流。バカミスとして読んでも一流。好みの作風であり,★4をつけたい。

  • 石動戯作の密室講義やドタバタ推理、社長に取り憑いた古代人の霊が現代社会を見た時の反応など楽しめましたが、肝心の殺人事件に関する記述が少なく冗長に感じました。
    二つの密室殺人事件はどちらも人を喰ったような真相で脱力気味。途中披露されたトリックは某作家の作品に酷似していた為、驚きはありませんでした。

  • 剣と魔法のテーマパーク シメール城に住み着いた社長は自らを中世の騎士エドガー・ランペールだと名乗り、750年前の密室殺人の解明を名探偵に依頼する。
    そして新たに起こる殺人。
    背後に蠢く陰謀。
    再登場する安楽椅子探偵。
    騎士エドガーの稲妻のような太刀振る舞い。

    不遇でミーハーで残念な名探偵 石動戯作シリーズ最終作。

  • なかなか斬新なテイストで面白かった。

  • 最後の石動戯作シリーズ
    750年前の密室殺人に主人公が挑む。

    一見やな奴、でも案外いい奴という憎めないキャラが多かった。本作でも主人公はいいとこなしで終わり、結局「美濃牛」以降まともに名探偵としての役目を果たしていないという…
    個人的には中盤の暴力団員達と江里の戦闘が疾走感があって好き。
    このシリーズは本当に好きだったので、もう少し読みたかった。

  • 殊能センセ…もっとイスルギーを格好良く書いてあげてよ…水城さんに全部持ってかれてるじゃないか!

  • 解説の福本直美曰く「不思議なすがすがしさを湛えた阿呆ミステリ」。
    750年前の騎士が体験する現代日本がどれほど面妖で便利で緑が少ないかがよく分かる。でも後半でその彼がちょこーっとだけかっこよく見える(かもしれない)場面もあるので息抜きにどうぞ。

    事件のトリックは「まあ、そうだよね」と思うくらいですので期待せずに見守る程度のスタンスがいいかと。

  • 設定や物語の展開が面白く、引き込まれてしまいます。あい変わらずミステリではないようなミステリですが、密室トリックは盲点でした。
    石動戯作は探偵をやる気があるのだろうかと疑問に思ってしまう作品。

  • 『鏡の中は日曜日』が無かったので先にコチラを読んだ。突然登場する名探偵が『鏡の中は~』の人物らしいので少し失敗した気分。「誰?」って思うぐらいやから影響は無かったけど。 『黒い仏』の方が『キマイラ』より突き抜けたバカバカしさでアホやから好き。 現代の物を知らないエドガーが何を見てるのかを想像しながら読むとクイズ(なぞなぞ?)みたいで楽しかった。

  • 2013.7.5図書館貸出

    750年前の古城を移築したテーマパークの社長に、古城の領主の霊が取り憑いた。
    「わが死の謎を解き明かしてくれ」という霊のために呼ばれた石動探偵と助手アントニオ。
    謎を解くためと称して行われた、テーマパーク関係者による事件当夜の再現(コスプレ探偵ごっこ)の直後、関係者の1人が殺害される。
    2つの密室殺人の謎が解けるか⁉という話。

    トリックは、どちらかというとお粗末。
    特に現代の密室はトリックとは呼べないようなオチだった。
    そのためミステリとしてはあまり面白くはなかったのだけれど、現代の日本に驚く750年前の霊の視点がとても面白かった。

  • 再読。ランドリオール(おがきちかさんの)読んだ後なので以前読んだ時より槍のシーンが理解しやすかったです。アントニオはいつもおいしいなあ。

  • 話は好きなのだけれどトリックはいかがなのだろう。
    ドタバタ➕笑い➕パズル?
    と言った印象。

  • 中世の英雄が憑依して現代の事件に巻き込まれるという設定はとてもいい。トリックはあまり好みではなかった。

  • フランスの古城を移築したあと、
    突如中世の騎士として振る舞い始めた
    テーマパークを経営する会社の社長・江里。
    「七百五十年前のわが死の謎を解いてくれ」
    という社長の頼みに困り果てた常務が呼び寄せたのが
    自称名探偵の石動戯作。
    奇天烈な依頼にほとほと手を焼く石動。
    苦肉の策で、重役連を巻き込んで
    七百五十年前の事件の状況を再現することを提案するが、
    その直後、実際に殺人事件が起こってしまう。
    そしてその嫌疑をかけられたのは江里社長。
    現在と大昔のふたつの事件の謎を、
    石動は果たして解き明かすことができるのか――。

    一作ごとに奇想天外な物語を見せつけてくれる殊能将之。
    今回も非常に変わったミステリとなっていた。

    「自分は中世の騎士だ」と主張する社長に
    石動や重役連の人間が振り回されるわけだが、
    その社長には実際に中世の騎士の亡霊がとりついている、
    という設定がそもそも面白い。

    物語の半分は、その騎士の亡霊の視点から描かれるのだが、
    七百五十年の間に進歩した文明や、
    フランスと日本の文化の違いに
    いちいち驚いたり、独自の解釈をしていくところが
    非常にユーモラスで、読んでいてそれだけでも楽しい。

    一風変わったストーリーでありながら、
    殊能将之の作品を読んでいつも思うのは、
    非常に「端正」な作品であるということ。
    文章にはいびつさが微塵も感じられないし、
    構成も一分の隙もなく、まとまりがとても良い。

    また、殊能将之の作品の裏には
    膨大な書物や映画の世界が背景としてあり、
    いつかそれらを理解することができたらいいな、
    という憧れを今作を読んでいても感じた。

    とにかくおかしな作家だとは思うが、
    個人的にはこの人の作品にハズレはないと思うので、
    新作を早く発表してもらいたいものである。

  • 世界史かダメなので、若干の拒否反応がありつつも読み切りました。

    ストーリーはおもしろい。他のシリーズも読みたい。

  • 最初???て感じだけど、途中からはまる。殊能さんの本て王道ミステリーではない、新感覚。推理小説としては…
    時間と空間を上手く使ったトリックとその説明は感心。

  • 石動探偵のシリーズは、いつもコメディータッチ。
    アントニオ、またしても活躍。
    まあ、面白い。読んでもいいと思う。

  • ミステリ長編。たぶんミステリ。ミステリに分類していいんですよねこれ( 
    シリーズものだけど単独でも読めます。と言うかシリーズものと知らずに単独で読みました(← 

    現代日本に現れた750年前の騎士の亡霊の「自分の死の謎を解き明かしてくれ」って依頼から始まる物語。
    探偵役は探偵と思えないダメっぷりだし騎士さんはまともに現代に適応できる訳もないしでわりとぐだぐだです。
    しかし。その騎士さん視点の、「中世騎士から見た現代日本」の描写が実に秀逸!
    日常的な風景も視点を変えるとすごく面白いものになるんだ、って再認識できたよ。
    六本木ヒルズに行ったことがあるとたぶんさらに楽しめます。笑

    小説全体としては、そういう箇所が面白すぎてむしろミステリ的な要素が邪魔に思えたほど……ってのはわたしがミステリ好きじゃないせいもありそうですが(( 
    ミステリ小説としての完成度はわたしは興味がないので他の人のレビューを見てね!(←

  • ミステリとしてというよりも、物語として楽しめた。世界史で小ピピンていうのがいたなあとか思い出す。

  • 「キマイラの新しい城」読了。
    面白くなかった。謎があって探偵役があって解決編があってと一応ミステリの体裁は取っているけど、真相はお粗末なものだし、謎解きもお粗末。プロットの紹介文だけみると、何かすごい仕掛けがあるミステリなんじゃないかと、ものすごい期待して読んでしまったが、何の仕掛けもなかった。物語としての引きも弱いし、オチも残念な出来。

  • 粗筋(アマゾンから引用)

    「私を殺した犯人は誰なんだ?」欧州の古城を移築して作られたテーマパークの社長が、古城の領主の霊に取り憑かれた!? 750年前の事件の現場状況も容疑者も全て社長の頭の中にしかない。依頼を受けた石動戯作(いするぎぎさく)も中世の人間のふりをして謎に迫る。さらに、現実にも殺人が! 石動はふたつの事件を解明できるか!?

  • 「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」
    フランスの古城を移築後、中世の騎士として振る舞い始めた江里。
    750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作は殺人事件に遭遇する。
    嫌疑をかけられた江里が向かった先は・・・。
    (巻末あらすじより)

    ようやく文庫になりました~!今現在の殊能さんの最終作品。
    しかしこんなお話だったとは・・・。
    っていうか、これは殊能作品でなかったら壁にぶつけていたかもしれませんよ!
    ファン以外には薦められない作品ですなぁ。

    もう石動ダメダメじゃん・・・。こんなかったっけ~?
    かなり久しぶりの石動モノだったので忘れていましたが。そういえばアントニオに探偵役を奪われつつあったのでしたよ。

    まあ、殊能作品が好きな私には楽しめましたが。
    ・・・新作はまだですか・・・?

  • ギャグパートに笑いおじいちゃん無双に燃えました
    登場人物がみんなイキイキしててよかったです
    石動シリーズで一番好きかも

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2016年 『子どもの王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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