源氏物語 巻八 (講談社文庫)

  • 講談社
3.86
  • (13)
  • (18)
  • (20)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 190
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758185

作品紹介・あらすじ

成長した薫の君は、宇治に隠棲した源氏の異母弟・八の宮の美しい姫宮二人を垣間見た。姉の大君に求愛するがどこまでも拒まれる一方で老女・弁の君から自らの出生の秘密を明かされる。匂宮と妹宮・中の君との愛の行方は…。傑作「宇治十帖」の物語が華麗にその幕を開ける。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宇治十帖のうち、最初の三帖が本巻に含まれている。宇治の景色の描写があるわけではないけれど、京から宇治へ向かう途中、木幡を通ったりするあたり、千年も前の風景が脳裏に浮かぶ。いまなら電車で20分ほどの距離、当時は馬に乗って移動したとして2時間ほどもかかったであろうか。なかなか毎日通うには少し気が重かったのかもしれない。けれど、好いた人のためならば、すぐにでもかけつけて行きたかったであろうか。匂宮が中の君とすんなり結ばれるのに対し、薫はいつまでもぐずぐずしている。そのうちに大君は衰弱して亡くなってしまうではないか。しかし、薫の気持ちがわからないでもない。無理矢理にということはどうしてもできなかったのであろう。それに比して、光源氏は何と多くの女性とすんなりと結ばれていたことか。ここでは、どちらかというと、どうして大君は受け入れてくれなかったのか、その方が不思議だ。妹のことがあったとしてもだ。父親を亡くしたあと、遺言に従って誠実に世話をしてくれる人に好意を抱かないわけがないと思うのだけれど。しかし、20代そこそこで、すうっと弱って死んでいくというのがどうにも想像できない。祈祷師がいくら祈ったところで救われることはなかっただろうし、なにか栄養のあるものをしっかり食べさせれば元気になったのではとも思える。うーん、何だかしっくりしない。

  • 2007/08

  • 「橋姫」以下、宇治を舞台にした物語が続き、これが世に言う「宇治十帖」だそうで、残り七帖あるわけだ。煮えきらぬ恋愛話が、ウジウジウジウジとウジ十帖連なる。

  • 8巻。源氏の息子、薫と孫の匂宮の物語。
    解説で瀬戸内さんがおっしゃってますが・・・「雲隠」までの文章と宇治十帖の文章がものすごく違っているので、読むのに苦労しました。
    特に「竹河」は、10年の歳月を書いているので途中で頭が混乱してきました。何回、嫌になって本を投げつけようとしたことか。

    元々、源氏物語は何回も何回も読まないと分からないなぁ~と思っているので(いや、私の頭が追いつかないだけかもしれませんが)

    あと2巻・・・頑張って読みたいです。

  • 寂れた山荘に暮らす美人姉妹と、彼女達に思いを寄せる2人の美男子の物語がメインとなっている。薫と匂宮はタイプは違うけれど、2人とも少女マンガに登場しそうな完璧なイケメン。八の宮が亡くなった後の大君と中の君の境遇は、現代とは比べものにならないくらい不安定なものだったはず。出家というセーフティーネットはあるものの、周りに反対されれば思いきれない。苦悩のあまり潰れてしまった大君が哀れだった。源氏の思いをばっさり振り切った女三の尼宮とは対照的。姉に先立たれてしまった中の君は匂宮のもとへ引き取られるのだろうか。

  • 宇治十帖に突入。やっぱり光源氏の話よりこちらのほうが読みやすくて好きです。先に『あさきゆめみし』を読んでいたのでキャラクターが掴みやすかった。

  • 巻八には、「竹河」「橋姫」「椎本」「総角(あげまき)」の4帖が収められている。
    「橋姫」以下「夢浮橋」までの十帖は、「宇治十帖」と言われているらしい。

    故光源氏の異腹の弟である八の宮の3人の姫君(大君、中の君、浮舟。この巻八では、まだ浮船は出てこない)と、薫の君、匂宮の恋模様が描かれている。

    宇治に住む2人の姫君のうち、姉である大君(おおいきみ)に心惹かれる薫。
    しかし大君は快い返事をしてくれず、むしろ中(なか)の君を薫に縁づかせたいと思っている。
    一方の匂宮は中の君に夢中になり、2人は結ばれるが、帝と母・明石の中宮がそれを聞きつけ匂宮は宇治へ行くことを禁止される。
    大君は、このまま中の君が捨てられたらどうなるかと心配のあまり病気になり、そのままお亡くなりになってしまった。
    悲しみに沈む薫の君。
    ああ、この世はなんてはかないのだろう…。

    男性が意中の人に想いを伝えるとき、「前世からの宿縁」という言葉がよく使われる。
    そんなことを言っても男たちは浮気しまくっているけど、ロマンティックな言葉だなあと思う。
    僕もそんなふうに思えるたった1人の人にいつかめぐり会いたいなあ。

  • 光源氏が亡くなって、もう物語を読み尽した気になっていた。その後の子孫たちの物語。主人公をなくした後の物語は、とても味気なくて物足りない。これが紫式部以外の手によって書かれたという説も納得してしまった。「総角」の巻までは。

    「総角」から物語は一気にドラマチックになる。それ以前は、薫と匂宮や周囲の状況説明だったようだ。源氏と違い、薫や匂宮に費やされた巻は3巻のみ。なのでそれだけ話が凝縮されていて、ハマりだしたら止まらなくなる。

    いい香りのするプレイボーイ光源氏。その子の薫、孫の匂宮。その血は綿々と続くようで、光源氏顔負けの強引な女性関係に目が離せない。

  • 巻一に記載

  • ★3が多いのが謎だなあ。
    巻末の解説部には宇治十帖が紫式部の手によるものではないのではないかという疑惑などの説明があり、時代背景を考えられて面白いです。
    大君と薫の君は結局添い寝しかしてなかったことに驚き。
    最後には少し打ち解けるものの、かたくなに薫の君を拒む大君を見ていると、この源氏物語では大半の女性が無理に犯されてきた中でよくがんばったなと思わされる。中の君は割ところりと匂宮にほだされるわけだけど…。姉は強し!っていうやつかな?

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。60年『田村俊子』で、田村俊子賞受賞、63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年、中尊寺にて得度。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、95年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。2006年に文化勲章受章。『現代語訳源氏物語』『奇縁まんだら』など著書多数。徳島県立文学書道館館長、宇治市源氏物語ミュージアム名誉館長。

「2020年 『ひとりでも生きられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀬戸内寂聴の作品

源氏物語 巻八 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×