冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758239

作品紹介・あらすじ

第31回メフィスト賞受賞作!
いとおしくなるほどの懐かしい記憶
「こんなことはいつか終わりになればいい」
――大丈夫、いつか、絶対に大人になれるから――

学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。

感想・レビュー・書評

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  • 後半も出だしはそこまでのスピード感を感じられない。

    主要人物を1人1人深く掘り下げる為、あと何人かはこれが続くのかなぁ。。。
    と若干の諦めモードで、読んでいた。。。


    下巻の後半戦になると、一気に物語が進み出す。
    え?え?えーーーーー????
    あー、これまでの長い長い話は全てここに持ってくるためのものかぁ!

    なかなか畳み掛けて伏線を回収してくるあたりは好みだった(^^)

    私は読みにくい本は名前を書き出して読んでいくことがあるのだが、それをやっていたら少し気づいた点があったな(笑)

    若い人にはそれなりに刺さりそうな本だが、少し私には若すぎる本だったかな(笑)

    しかし、この厚みには敬服した(*^ω^*)

    • あゆみりんさん
      こんばんは♪
      私も前に読みましたよ。

      なんで石像…?
      なしてホラー感をだす…?
      ( •́ - •̀ )

      最後まで読みましたけど、長かった...
      こんばんは♪
      私も前に読みましたよ。

      なんで石像…?
      なしてホラー感をだす…?
      ( •́ - •̀ )

      最後まで読みましたけど、長かったです(笑
      2023/04/09
    • bmakiさん
      あゆみりんさん

      そうなんですよね。。。
      ちょっとファンタジー、ちょっとホラー、ちょっとミステリでしょうかね。。。

      長く感じちゃ...
      あゆみりんさん

      そうなんですよね。。。
      ちょっとファンタジー、ちょっとホラー、ちょっとミステリでしょうかね。。。

      長く感じちゃいました(^^;;
      特に上巻。一生終わらないんじゃないかという不安感を感じてしまいました(^^;;

      最後は纏めてくれましたけど、もう少し短くても良かった感じでしたね(^_^;)
      長編好きの私でさえ、冗長かなぁ?と思ってしまいました(^^;;
      2023/04/10
  • 二ヶ月前の自殺者の事を忘れてしまっていたクラスメイト達。
    その名前と この世界の創造者がようやくラストで明らかになっていく。
    第14章が、長いなと思っていたら、そこが大切ねって後でわかった。


    先日読んだ教室が永遠の眠り〜と描きたい世界観は似ているかな。こちらの方が古いけど。
    作中で過去の集団失踪の事件を語らせて、軽いホラーだろうけど、現実感を持たせようとしているのは面白いなって思う。
    高校から書き始め、かなりあたためた作品らしい。少し盛り込みすぎかなと思うけど、デビュー作だからね!メフィストだしね!
    クラスメイト達が良い子で、特に優秀な男子達は可愛いし、よしよし。

    • おびのりさん
      みんみんとレビューがほぼ同じで笑

      そうなんだよ。
      長いのよ。
      お悩み群像劇なのよ。
      みんみんとレビューがほぼ同じで笑

      そうなんだよ。
      長いのよ。
      お悩み群像劇なのよ。
      2024/03/17
    • おびのりさん
      土瓶さんの(上)で、感想は(下)でって書いてんのに、ほぼ 長いわで終わってるのよ。
      さすがっす。
      土瓶さんの(上)で、感想は(下)でって書いてんのに、ほぼ 長いわで終わってるのよ。
      さすがっす。
      2024/03/17
    • 土瓶さん
      ( ̄▽ ̄)ホメラレテナイヨネ
      ( ̄▽ ̄)ホメラレテナイヨネ
      2024/03/17
  • 先が気になりすぎて一気読み!

    キャラクター1人1人がとても良いし、
    伏線の貼り方も見事!
    また、驚きの仕掛けもあり
    とても面白かった。

    それでも何より、1番良かったのは、
    著者がこの本をとても大切にしていることが
    すごくすごく伝わってきたこと。

    あー、終わらせたくないんだろうなぁという
    気持ちがめちゃくちゃ伝わってきました。
    読んでるこっちも、まだ終わらないで欲しいな
    と思わせてくれました。

    読んで良かった。

    • マメムさん
      初コメです。
      デビュー作で長編なのに一気読みしたくなる面白さですよね♪
      初コメです。
      デビュー作で長編なのに一気読みしたくなる面白さですよね♪
      2023/04/19
    • キョーさん
      本当そーですね!

      今、上巻の最初の方読み直して、
      改めて伏線の多さに驚いてます!
      デビュー作とは思えない笑
      本当そーですね!

      今、上巻の最初の方読み直して、
      改めて伏線の多さに驚いてます!
      デビュー作とは思えない笑
      2023/04/19
  • 超スローペースで突入した後半戦。時の止まった冷たい校舎 ホストの正体を思い出した後、血を流したマネキンへと姿を変え次々と消えてゆく人物達。
    直前で語られる各々の壮絶な過去と心境。

    確かに興味深い展開ではあるのですが、ダークファンタジー要素なのか人物心情描写メインなのかスポットとなる軸がよくわからず、姿勢が定まらないままダラダラと読み進めた印象。
    恐らくどちらもこの作品の醍醐味なのだろうとは思うが、非現実とリアルの混合バランスがあまり取れていないように感じた。

    個人的には前半にて登場人物たちの贔屓具合にキーパーソンがある程度纏まっていたので、気になるのはこれがどう裏切られるかと、「どう着地するのか」の行方のみ。
    一人一人丁寧に語られていく章は読み応えがあるが、設定と中身のギャップーコナンくん現象ーキャラが多いので感情移入もそこまで出来ず。。。
    深月ちゃんに至っては恵まれ過ぎたこの環境で何故そこまでメンヘラれるんだ...と1周回って嫌悪感を覚えてしまった。自分の心の狭さが恥ずかしい。

    という事でキャラに心を宿す事を諦め、物語の行方を見届ける、その一心で最後まで読み進めた。.....が、面白い程に裏切りは無く、やや無理矢理綺麗に収められた終章に読み終えた私の顔は
    ( ゚д゚)ポカーン

    ううーん、世界観が最後まで掴めなかった...つまり○○った皆はどうしてたのか ?タイムラグはどうどうなってるのか?血を流した原因は??時間が動き出した根本的な理由は??というか柔軟性半端無くないですか!?!? とまぁ「???」が止まらない。
    ーーーーーー

    やはり辻村深月作品は、心が優しくHappyを望む天使の様な方が読む作品なんだと痛感。ダークでイヤーなノンフィクションLove!マンは少し物足り無さを感じるだろう。ただ、この処女作から始まり長い年月を経て、私に紛れもない感動を与えてくれた「かがみの孤城」までのルーツを辿ってみたい気持ちは消えない。

    これから沢山の作品が楽しめると思うとオラワクワクすっぞが止まりません。

  • 読み応えがあった上下巻「冷たい校舎の時は止まる」。精神世界とそれぞれの過去のストーリー、さらに最後には近い過去との往復もあり、齟齬が生まれてもおかしくない展開だったが、まったくそんなことはなく納得できる素晴らしいプロットだったと思う。
    特に菅原の過去には涙が出てきて、これだけでひとつ小説ができてしまうほど。そんな過去のエピソードもちゃんと現在の関係に繋げていて脱帽。
    筆者の作品全部読んだわけではないが、辻村深月の最高傑作だと思う。

  • 長かったけど、すごく面白かった。繊細な心理描写にひきこまれるように読みました。デビュー作でこれはスゴすぎる!

  • 菅原の名前がないことので、「読み飛ばした?」と、おもって何度も上巻では彼の名前を探したのだが、見つからなかった。このことにものすごく違和感があり、菅原と榊の繋がりを探しながら読んでしまう。そう考えているせいで、言葉がいろいろ引っかかってしまう。

    そして下巻の「HERO」を読んで、これは「ヒーロー」ではなくて「ヒロ?」と思い、上巻を読み直してみた。
    「彼(鷹野)の口から出た言葉、『菅原』の響きに一瞬耳慣れないものを感じ、…」

    「(菅原が)昨日までとは違う、(自分の)立場と目線。自分に決める権利など何もなく、しかし行かなくてはならないことだけを知っている-そう学校へ」
    「(菅原は)呼ばれたのが自分なのだという自覚が、ひどくゆるゆると頭に込み上げてくるのを感じる。」

    菅原の容姿の箇所では、「さっきから降る雪は傘を持たない自分の茶色い髪の上で落ちては消えていく。どうして俺は、傘を持っていないのだろか。片耳だけのピアスを人差し指で撫でながら、ぼんやりたそんなことを思った。」読み進めるに従い、榊の容姿が「菅原に似てない?読み間違い?」と、また、前のページに戻って、進みを繰り返していた。

    が、下巻の「HERO」で、確信に変わった!
    読み直しで見て、張られていた伏線の多さに「やられたなぁ。上巻でほぼストーリーが完結していた。。」と、思ってしまった。今回はストーリー負けしなかったかなぁと、少々鼻高さんになる。

    一方で、ストーリー以外にも、本作では高校生という未完成な大人の行動、そして成熟している子供の心理が詳細に描写されており、自分の高校時代の感情や思考を回想した。
    当時の幼い自分、それでいて大人に見せようと粋がる自分とダブるところも多かった。

    そんな中で2020年の小中高生が自殺者数が過去最多の479人であったニュースをみた。自殺の原因・動機では、「進路に関する悩み」「学業不振」、「親子関係の不和」のようで、「いじめ」で亡くなるニュースがクローズアップされるので多いいのかと思いきや、学業や進路など学生ならではの理由が主であることが今更ながら、未然に防げる理由のように感じ残念に思う。
    本作のテーマとは異なっていたが、作品の展開に学生の「自殺」があげられることに驚きもなく読めることに落胆する。

  • ちょっと怖い。犯人(ホスト)は分からなくて、わかったときにはああーっ!となった。
    凄く面白い本だった。

  • 青春 ファンタジー すこしホラー
    このすこしホラーが思いの外ゾワっとし、夜、電気をつけるはめに。笑
    ファンタジーなのですが、登場人物たちの思春期の心理描写は重くリアル。菅原エピソード、充エピソード、景子エピソードが特に好きでした。
    ラスト、自殺したのは誰?のみに思考を使っていたので、唐突のもう一つの仕掛けには驚きでした。デビュー作、練りに練られたのだなー。はやく全ての作品を読みたい作家さんです★

    • マメムさん
      初コメです。
      私のお気に入りは菅原エピソードです♪
      初コメです。
      私のお気に入りは菅原エピソードです♪
      2023/08/22
  • 涙腺崩壊(༎ຶ⌑༎ຶ)

    だけどタダじゃあ終わらない華麗なるミステリ。

    これがデビュー作だなんて…レベル高すぎる…!



    私は『泣く話』が嫌いだ。
    小説も映画も、とにかく避けます!(-∀-`; )

    理由は単純。
    泣きたくないから笑

    泣きそうな小説を選ばなくても、意図せず泣いてしまう事も多々あるのだが、それは仕方ない。

    私を泣かすのは簡単で、歳取ってさらに涙腺が弱いのだ。

    なので避けに避けて来たのだが…笑

    辻村作品は私の中で最も警戒すべき作品が多い。

    『かがみの孤城』は、2018年本屋大賞で当時本屋に沢山並んで面白そうだったし、ミステリだから犯人当てるぞ〜と意気込んで読んで顔がぐちゃぐちゃになる程泣いた作品…( ̄▽ ̄;)やられた…

    特に人間の肚の内をずぶずぶと抉り出すのがうまい。
    それに加えて綾辻行人の第ファンだと言う辻村作品の手法は、Anotherのようなホラー感があり、ぞくっとさせる描写も完璧。
    しかもミステリ要素はかかせない。
    伏線回収は当たり前。

    非の打ちどころのない文句なしの傑作。

    ずるいよ〜。
    それはあかん。
    素晴らしすぎる。


    もうね、余韻がすごくて…。
    読了直後に感想書いているのですが、お手本のような作品で褒めたい所しか見つからない…。

    泣くの嫌いなのには(泣くほど)感動したから…
    と言う評価が好きじゃないのもある。

    泣いた=良い作品だった

    と言う事にしたくないからだ。

    なので、泣いたけど(その事が)良い作品だと思った理由じゃないという事を理解していただきたい。

    (え、なんか長くなったらごめん(^▽^;))


    まず素晴らしいのは、時が止まった校舎の中に、生徒会のメンバーが「閉じ込められる」という設定。

    これは言う事なく特殊設定であり、ミステリには欠かせない要素である。

    そこを踏まえて肉付けされていく8人の生徒達の過去。

    ここに閉じ込めた原因である自殺者は一体誰なのか。
    下巻には「挑戦状」とも取れる、自殺者の名前と、その理由を明記する「用紙」が用意されています。

    しばらく本を伏せ、考えました。
    …10分くらいかな。
    そして、頭の中で「この人!」と決め、続きを読みました。

    結果は、はずれ〜( ̄▽ ̄;)

    辻村深月は期待を裏切りませんでした。
    嬉しい♡

    とにかく手法の上手いこと!!!
    回想シーンでの物語のなかでも、2、3つ積み重ねられ層になった伏線が一段ずつ回収されていくのです。層になってるんです。ひとつの意味じゃないんです。
    ここが1番驚いた所で、うわ、辻村深月天才!って思いました。
    (上手く言えないけど、伝わってくれたら嬉しい。)
    他にも数えきれないくらい散りばめられた言葉のトリックがすっきりひとつに纏まっていきます。

    辻村作品の最大の痛い所(褒めてる)である涙を誘う描写も、苦手ながら感動しました。
    ミステリに直結するその内容は、否定したくてもできません…。
    むしろ、ムダなシーンなんてひとつもありませんでした(༎ຶ⌑༎ຶ)
    人の肚の内なんて、他者からの想像以上に酷くて、それを知りたくない!って否定してしまうのが心理でしょう。
    そこをえぐるんです!
    辻村深月は!!
    容赦ないです。
    ツライ…
    つらすぎる…!

    主人公の辻村深月ちゃん、大好きです。
    今思い出しただけで涙が出ます。

    人間とは、弱い生き物であり、逃げたくなる時も沢山あります。

    この作品は、できれば中高生に沢山読んでほしいと思いました。

    想像力を膨らませ、相手の気持ちを考えよう。
    怖いだけじゃなく、希望もあるって伝えたい。


    素晴らしい作品でした。

    おすすめします!

    皆さん、読みましょう(≧∀≦)笑!!




    • bmakiさん
      素晴らしい感想ですね。
      この感想を読んでしまったら、もうこの本を読まないなんてことはあり得ない!!と思ってしまいました。

      めちゃくちゃ読ん...
      素晴らしい感想ですね。
      この感想を読んでしまったら、もうこの本を読まないなんてことはあり得ない!!と思ってしまいました。

      めちゃくちゃ読んでみたくなりました(^^)

      私も映画で泣くのは苦手なのですが、本は家の中なので号泣しちゃいます(笑)

      歳と共に涙腺がゆるくなり(笑)
      先日も、「汝、星のごとく」で大号泣したところです(笑)
      2023/03/21
    • bmakiさん
      Amazonで上下巻ポチりました(^_^)
      届くのが楽しみです!
      Amazonで上下巻ポチりました(^_^)
      届くのが楽しみです!
      2023/03/21
    • Kaniさん
      bmakiさん、コメントありがとうございます❀.(*´▽`*)❀.

      素晴らしい感想…わぁ!ありがとうございます!
      めちゃくちゃ嬉しい‎߹ㅁ...
      bmakiさん、コメントありがとうございます❀.(*´▽`*)❀.

      素晴らしい感想…わぁ!ありがとうございます!
      めちゃくちゃ嬉しい‎߹ㅁ‎߹)♡

      しかも読んでみたいと思ってくださるなんて、感無量。(∩ᵒ̴̶̷͈᷄ωᵒ̴̶̷͈᷄∩ )ᰔᩚ

      いやぁ、泣きますよ〜
      例えば泣ける部分を全て排除したとしても、ミステリとしても傑作だと思います!

      「汝、星の如く」…
      未読ですが、タイトルから涙腺崩壊危険信号を発してますね(^▽^;)

      Amazon届くのが楽しみですね!
      楽しんでくださいヽ(´▽`)ノ
      2023/03/21
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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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