冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 923
  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758239

作品紹介・あらすじ

第31回メフィスト賞受賞作!
いとおしくなるほどの懐かしい記憶
「こんなことはいつか終わりになればいい」
――大丈夫、いつか、絶対に大人になれるから――

学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。

感想・レビュー・書評

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  • ヒロインに自分の名を冠している点、そのヒロインが周りから絶えず気遣われ庇護されている点、ヒロインがすべての原因を引き起こしている点、、、

    色々総括して「気持ち悪い」印象。自己陶酔というかナルシシズムがだだ漏れすぎて、、、胸焼けしそう。おかげで著者お得意の名前遊びや伏線の回収にまで難を付けたくなるような。。

    自分で自分の名を連呼するしゃべり方(梨香)や、男性のようなしゃべり方(景子)にも馴染みがないせいか、登場人物らに好感を持ちにくい。。

    名刺代わりに、、、と書かれているが、名刺にされるのなら「メジャースプーン」や「スロウハイツ」「名前探しの放課後」の方がいいんじゃないかな。本作はデビュー作なのでまだまだ青臭い印象。

  • 辻村深月のデビュー作。すごい!のひと言です。読み始めてすぐに引き込まれ、あっと言う間に読み終えてしまいました。

    登場人物は高校生で、学園ものでもありミステリーでもあり少々のホラー要素を含み(ホラーはあくまでも怖がりな私の主観ですが)、犯人は誰なんだ⁉って、ずーっとドキドキしっぱなしでした。
    途中途中で挟まれる、個々の人物像の掘り下げ方も良くてけっこう泣けますよ。しかも後半になってくると、いろんな所に伏線が散りばめられていた事に気付きさらに泣く事に…。

    辻村さんの作品はダークな中にも愛を感じられてすごく良いです。
    彼女の作品を読むのは三つめですが、すっかりファンになりました。

    せっかくなので、これから読むのは作品発表順に追って行きたいです。

    • 円軌道の外さん
      フーミンさん、こんばんは!
      たくさんのポチとコメントありがとうございました。
      僕の本棚の『東京ロンダリング』にコメントの返事書いたので
      ...
      フーミンさん、こんばんは!
      たくさんのポチとコメントありがとうございました。
      僕の本棚の『東京ロンダリング』にコメントの返事書いたので
      ヒマつぶしにでもみた覗いてみてください。

      てか、フーミンさんの辻村深月レビュー順番に読んでたら
      無性に辻村作品が恋しくなってきました!(笑)

      フーミンさんのレビューにある、
      ダークな中にも愛があるって、
      確かにその通りで、思わずうなずいてしまいました。
      (あと、辻村作品はみな、すごく中毒性がありますよね笑)


      僕は『冷たい校舎の時は止まる』と
      『凍りのくじら』と『ぼくのメジャースプーン』と『本日は大安なり』と『ハケンアニメ!』しか読んでないんですが、
      他にオススメありますか?
      やっぱ古い順番に読むのがいいのかな。
      2018/01/31
    • フーミンさん
      円軌道の外さん、またまた沢山のイイねありがとうございます。大した事書いてないのでなんだか恥ずかしいです。

      辻村作品は私も全部読めてなくて、...
      円軌道の外さん、またまた沢山のイイねありがとうございます。大した事書いてないのでなんだか恥ずかしいです。

      辻村作品は私も全部読めてなくて、今まで読んだなかで円軌道の外さんが読んでないものだとー…、
      太陽の坐る場所とかけっこう好きでした。
      あと、子供達は夜と遊ぶとか。

      辻村さんは色んな作品とリンクしてるんで、たぶん作品発表順に追っていくといいような気がします。
      私はそうしようと決めてるんで、新刊出て気になっても読めないという…(笑)

      読みたい本は沢山あるのになかなか手付かずで、1日24時間じゃ足りないですよね〜。
      2018/02/01
  • 構成が二重三重に凝っていて、それが話の運びに生かされています。
    よく練り上げられていますね。
    前半でやや謎に思った点は、すべてヒントに。
    重い内容ですが、救いがあり、読後感がよくなるように考えてあるのがいいですね。

    このヒロインの名前をペンネームと同じにするとは、痛々しいけれど。
    真摯な気持ちでそうしたのだと思います。

    ネタばれしないで、これ以上書くのは難しいかな‥
    心に食い入るような作品でした。

  • 止まらない、止まらない、止まらない。一気に読んだ。
    わたしは全然推理ができない。だからただあやつられるがままに読んだのだけれど、ラストを読んで、きっちり伏線が引いてあった事が分かって、「くぅー!推理すれば良かった!」と悔しかった。
    ふたつ、みっつと仕掛けがあって、小説ならではのトリックだと思った。
    辻村さんは全ての登場人物をとても魅力的に書く。こんなの、好きにならない方が難しい。

  • またやられた。やられました。
    いつも違和感は感じていて、疑ってかかるのですが、最後はいつもしてやれらます。

    考えてみれば、ヒントはかなり散りばめられているんですよね。
    そして、そのヒントにも何となく気付いて、チェックをしている自分がいる。
    でも、そんな自分の考えをはるかに上回る展開が、いつも待ち受けています。

    辻村深月さんは、しれっと密かに文章に盛り込んでくるので、すごいです。
    本当にさり気ない。


    この物語のメイン人物は、8人の高校生たち。
    物語の軸となるメインストーリーの要所要所に、一人一人にスポットを当てたストーリーが挟まれています。
    その中で、各生徒の過去や、内に秘められたものがどんどん分かっていきます。

    どの子のストーリーも好きです。
    沢山言いたいこともあるし、いろいろと思うところもあります。
    でも、やっぱり・・・うん。
    この物語の中で一番重要なポイントは、「友情」と「個性」だと思っています。

    友達ってなんだろう。
    友達に何をしてあげられるだろう。
    友達だから―。

    自分ってなんなんだろう。
    自分は何がしたいんだろう。
    自分は誰かにとって―。

    きっと誰もが、こんなことを考えてしまうのでしょう。

    こういうことを、校舎の時を止めてしまったあの子は、随分と重く、深く、考えてしまったようです。
    その結果、あの子は勝負に負けることになりましたが、でも大丈夫。
    心強い友達がついていました。

    あの子のまわりは、本当にやさしい人ばかりだなと思います。
    そして、あの子もやさしい。

    ここでいう「やさしさ」が、誰かにとっては「甘さ」になることもあるのでしょう。
    もしかしたら、自己満足なのかもしれない。
    そういった「怖さ」が、「やさしさ」には付き回るものだと思います。

    でも、確かにあの子たちはやさしかった。
    同時に、俺にとっては格好良かった。


    あの子たちが、いつまでも元気でいられますように。
    そして願わくば、みんなの進む道が、明るいものでありますように。

  • 辻村深月さんのデビュー作。
    「かがみの孤城」に引き続き手に取った。

    設定がなかなか面白い!
    雪の中、隔離された校舎の中に集められた生徒達。
    その中にはすでに自殺した人物がいるらしい、でもそれが誰なのかが思い出せない。
    一人一人減っていく生徒、一体誰がその犯人なのか。
    もう先が気になって気になって…一気読み不可避でした(´∀`*)

    最後まで読んだ感想としては…
    うーん、何となく腑に落ちず…というのが正直なところ。
    「この生徒の中から」と繰り返し強調されるので、途中からそれ以外のオチは受け付けられないという気持ちになってしまっていた。
    かなり長いこと焦らされるので、「メンバー内から納得感のある理由、理屈の上でさらに驚きの展開」まで期待値が上がってしまっていて…
    そこが満たされずといった感じでした。

    一人一人のエピソードが長く、間延びしている感じは否めなかった。
    もう少しコンパクトでも良かったかなという感覚。
    後半はオチだけ知りたくなってしまい、ちょっと流し読みしてしまった。

    辻村さんの中でもかなりエンターテイメント性に寄せた作品。
    設定+プロットで勝負している感じ。
    個人的には、もう少し登場人物の内面に迫る作品の方が辻村深月さんの真骨頂ではないかと感じる。

    作者の名前が登場人物として出てくる小説を始めて読んだ。
    色々と勘ぐってしまう(自分の名前だからきっとストーリーに大きく絡むはず?とか)ので、小説を純粋に楽しむなら関係の無い名前の方が良いかと。
    「心優しく繊細なキャラ」という立ち位置もまたちょっと…(笑)

    <印象に残った言葉>
    ・その人の話をしているのに、思い出せないんだよ!その人の顔も、名前も。その人が誰だったのかもっ!(P120 上、充)

    ・屋上に立っていたのは、角田春子だった。(P442 下)

    ・その声に、菅原榊は顔を上げる。顔に色濃い苦笑を浮かべながら、「深月」と教え子の名前を呟いた。(P474 下)

    <内容(「Amazon」より)>
    エンターテインメント界注目の大型新人・辻村深月が贈る青春小説
    閉じ込められた8人の高校生――雪はまだ降り止まない
    「ねえ、どうして忘れたの?」

    雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。

  • 辻村深月のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』を読了。

    辻村深月の作品はこれまでに何作か読了しているが、ようやく今回読むことが出来た。

    辻村作品の登場人物は、他の作品とリンクしていることはファンの間では有名。本作の登場人物も以降の作品に出演したりしている。

    『冷たい校舎の時は止まる』は、高校生8人が校舎から出られなくなり、それには2ヶ月前の学園祭で自殺した名前と顔が思い出せない人物に何か関係があるのでは……という少し不思議な話。青春ミステリの要素もあるが、ちょっとしたホラー表現もあり面白い。ちなみに文庫は上下巻と少々長め。

    必要以上に冗長過ぎる、という意見もちらほら。これは一理あるかもしれない。主な登場人物が高校生8人なのだが、そのひとりひとりのエピソードが描かれている。結果、自然と長くなってしまったのが主な原因だろう。しかし逆に考えれば、しっかり作りこまれた作品だとも言える。これは人によって意見が分かれるだろう。

    ミステリでは滅多に感動する作品にはなかなか出会わないものだ。しかし作風からか、辻村作品にはいつも感動させられる。本作も例に漏れずだった。特にある人物のエピソードはかなり泣けるものがあった。

    読後感も非常に良かった。まだまだ未読の作品も多数あるが、少しずつ読んでいきたいと思っている。

  • それぞれの登場人物について丁寧に掘り下げられていてやや冗長に感じたけれど、それでもとてもおもしろかったです。

    自殺したのが誰かは大体予想がついてしまっていたけれど、どうして榊がいないのか、「ホスト」はどうしてあのメンバーを集めたのか、などは最後まで予想がつかなかったので「こうかな」「ああかな」と思いを巡らせながら読んでいました。

    まさか菅原=榊だったとは……。
    後から考えると確かに、榊の机からタバコのありかを探り当てたり、景子も知らなかったリカの進路希望を知っていたり、菅原=榊をほのめかすエピソードはちらほら見受けられるんですよね。

    ところで菅原=榊だとわかった時に「あれ? てっきり小学校の先生を目指していたのかと……」と思ったけれど、もしかすると自分が救えなかったヒロへの償いもあるのかなあと思いました。

    ヒロのことは助けれられなかったから、せめて相方のヒロ(=博嗣)だけでも自分で見届けたい、みたいなね。

    それで、それを果たすことができるから青南を辞めて本当の希望である小学校教諭を目指した、と。

    そう考えると、榊の話は単品で読んでみたかった気もします。

    榊に限らず、他のキャラクターたちも他の作品で会いたいなあと思いました。

    清水は『光待つ場所へ』に出てきて、それに鷹野もチラッと出てきていたけれど、他の人たちはどうなったんだろうなあ。

  • 解決編となる後半。
    結構、びっくりする。叙述トリックの妙ですね。

    映画化にものすごく向いているストーリーですけど、たぶんむりです(笑) 映像化は相当難しそう。

    たぶん青春時代だからこそ感じることのできる想いとどうやって向き合ってきたか、それを考えさせずにはいられないストーリーでした。

    明るい余韻を保った、ハッピーエンドです。

  • いやー、長かった。上下巻、なかなかのボリュームでしたね。でもその分読み終わった後の達成感は大きい。
    ひとりひとりの自殺への関わりや過去が明らかになり、冷たい校舎の中から消えていく。その代わりにあらわれる、人形や絵。それは一体何を意味するのか。そして、ここを支配している"ホスト"は誰なのか。読めば読むほど先が気になるお話でした。
    私はロードムービーを読んでからこの本を読んだので、この中で本当は誰がいないのか、なんとなく思う人はいたのですが。見事に裏切られましたね笑。
    本当にどの部分も結末にきちんと繋がっている。よく考えられている。たくさんの仕掛けがあきこちにちりばめられ、頑張って"ホスト"を見抜こうとするんですが、ダメです。なかなか当たりませんね。当てられる人がいたなら、本当にすごいと思います笑。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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