冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 8642
レビュー : 923
  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758239

感想・レビュー・書評

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  • 辻村深月のデビュー作。すごい!のひと言です。読み始めてすぐに引き込まれ、あっと言う間に読み終えてしまいました。

    登場人物は高校生で、学園ものでもありミステリーでもあり少々のホラー要素を含み(ホラーはあくまでも怖がりな私の主観ですが)、犯人は誰なんだ⁉って、ずーっとドキドキしっぱなしでした。
    途中途中で挟まれる、個々の人物像の掘り下げ方も良くてけっこう泣けますよ。しかも後半になってくると、いろんな所に伏線が散りばめられていた事に気付きさらに泣く事に…。

    辻村さんの作品はダークな中にも愛を感じられてすごく良いです。
    彼女の作品を読むのは三つめですが、すっかりファンになりました。

    せっかくなので、これから読むのは作品発表順に追って行きたいです。

    • 円軌道の外さん
      フーミンさん、こんばんは!
      たくさんのポチとコメントありがとうございました。
      僕の本棚の『東京ロンダリング』にコメントの返事書いたので
      ...
      フーミンさん、こんばんは!
      たくさんのポチとコメントありがとうございました。
      僕の本棚の『東京ロンダリング』にコメントの返事書いたので
      ヒマつぶしにでもみた覗いてみてください。

      てか、フーミンさんの辻村深月レビュー順番に読んでたら
      無性に辻村作品が恋しくなってきました!(笑)

      フーミンさんのレビューにある、
      ダークな中にも愛があるって、
      確かにその通りで、思わずうなずいてしまいました。
      (あと、辻村作品はみな、すごく中毒性がありますよね笑)


      僕は『冷たい校舎の時は止まる』と
      『凍りのくじら』と『ぼくのメジャースプーン』と『本日は大安なり』と『ハケンアニメ!』しか読んでないんですが、
      他にオススメありますか?
      やっぱ古い順番に読むのがいいのかな。
      2018/01/31
    • フーミンさん
      円軌道の外さん、またまた沢山のイイねありがとうございます。大した事書いてないのでなんだか恥ずかしいです。

      辻村作品は私も全部読めてなくて、...
      円軌道の外さん、またまた沢山のイイねありがとうございます。大した事書いてないのでなんだか恥ずかしいです。

      辻村作品は私も全部読めてなくて、今まで読んだなかで円軌道の外さんが読んでないものだとー…、
      太陽の坐る場所とかけっこう好きでした。
      あと、子供達は夜と遊ぶとか。

      辻村さんは色んな作品とリンクしてるんで、たぶん作品発表順に追っていくといいような気がします。
      私はそうしようと決めてるんで、新刊出て気になっても読めないという…(笑)

      読みたい本は沢山あるのになかなか手付かずで、1日24時間じゃ足りないですよね〜。
      2018/02/01
  • 構成が二重三重に凝っていて、それが話の運びに生かされています。
    よく練り上げられていますね。
    前半でやや謎に思った点は、すべてヒントに。
    重い内容ですが、救いがあり、読後感がよくなるように考えてあるのがいいですね。

    このヒロインの名前をペンネームと同じにするとは、痛々しいけれど。
    真摯な気持ちでそうしたのだと思います。

    ネタばれしないで、これ以上書くのは難しいかな‥
    心に食い入るような作品でした。

  • 止まらない、止まらない、止まらない。一気に読んだ。
    わたしは全然推理ができない。だからただあやつられるがままに読んだのだけれど、ラストを読んで、きっちり伏線が引いてあった事が分かって、「くぅー!推理すれば良かった!」と悔しかった。
    ふたつ、みっつと仕掛けがあって、小説ならではのトリックだと思った。
    辻村さんは全ての登場人物をとても魅力的に書く。こんなの、好きにならない方が難しい。

  • またやられた。やられました。
    いつも違和感は感じていて、疑ってかかるのですが、最後はいつもしてやれらます。

    考えてみれば、ヒントはかなり散りばめられているんですよね。
    そして、そのヒントにも何となく気付いて、チェックをしている自分がいる。
    でも、そんな自分の考えをはるかに上回る展開が、いつも待ち受けています。

    辻村深月さんは、しれっと密かに文章に盛り込んでくるので、すごいです。
    本当にさり気ない。


    この物語のメイン人物は、8人の高校生たち。
    物語の軸となるメインストーリーの要所要所に、一人一人にスポットを当てたストーリーが挟まれています。
    その中で、各生徒の過去や、内に秘められたものがどんどん分かっていきます。

    どの子のストーリーも好きです。
    沢山言いたいこともあるし、いろいろと思うところもあります。
    でも、やっぱり・・・うん。
    この物語の中で一番重要なポイントは、「友情」と「個性」だと思っています。

    友達ってなんだろう。
    友達に何をしてあげられるだろう。
    友達だから―。

    自分ってなんなんだろう。
    自分は何がしたいんだろう。
    自分は誰かにとって―。

    きっと誰もが、こんなことを考えてしまうのでしょう。

    こういうことを、校舎の時を止めてしまったあの子は、随分と重く、深く、考えてしまったようです。
    その結果、あの子は勝負に負けることになりましたが、でも大丈夫。
    心強い友達がついていました。

    あの子のまわりは、本当にやさしい人ばかりだなと思います。
    そして、あの子もやさしい。

    ここでいう「やさしさ」が、誰かにとっては「甘さ」になることもあるのでしょう。
    もしかしたら、自己満足なのかもしれない。
    そういった「怖さ」が、「やさしさ」には付き回るものだと思います。

    でも、確かにあの子たちはやさしかった。
    同時に、俺にとっては格好良かった。


    あの子たちが、いつまでも元気でいられますように。
    そして願わくば、みんなの進む道が、明るいものでありますように。

  • それぞれの登場人物について丁寧に掘り下げられていてやや冗長に感じたけれど、それでもとてもおもしろかったです。

    自殺したのが誰かは大体予想がついてしまっていたけれど、どうして榊がいないのか、「ホスト」はどうしてあのメンバーを集めたのか、などは最後まで予想がつかなかったので「こうかな」「ああかな」と思いを巡らせながら読んでいました。

    まさか菅原=榊だったとは……。
    後から考えると確かに、榊の机からタバコのありかを探り当てたり、景子も知らなかったリカの進路希望を知っていたり、菅原=榊をほのめかすエピソードはちらほら見受けられるんですよね。

    ところで菅原=榊だとわかった時に「あれ? てっきり小学校の先生を目指していたのかと……」と思ったけれど、もしかすると自分が救えなかったヒロへの償いもあるのかなあと思いました。

    ヒロのことは助けれられなかったから、せめて相方のヒロ(=博嗣)だけでも自分で見届けたい、みたいなね。

    それで、それを果たすことができるから青南を辞めて本当の希望である小学校教諭を目指した、と。

    そう考えると、榊の話は単品で読んでみたかった気もします。

    榊に限らず、他のキャラクターたちも他の作品で会いたいなあと思いました。

    清水は『光待つ場所へ』に出てきて、それに鷹野もチラッと出てきていたけれど、他の人たちはどうなったんだろうなあ。

  • いやー、長かった。上下巻、なかなかのボリュームでしたね。でもその分読み終わった後の達成感は大きい。
    ひとりひとりの自殺への関わりや過去が明らかになり、冷たい校舎の中から消えていく。その代わりにあらわれる、人形や絵。それは一体何を意味するのか。そして、ここを支配している"ホスト"は誰なのか。読めば読むほど先が気になるお話でした。
    私はロードムービーを読んでからこの本を読んだので、この中で本当は誰がいないのか、なんとなく思う人はいたのですが。見事に裏切られましたね笑。
    本当にどの部分も結末にきちんと繋がっている。よく考えられている。たくさんの仕掛けがあきこちにちりばめられ、頑張って"ホスト"を見抜こうとするんですが、ダメです。なかなか当たりませんね。当てられる人がいたなら、本当にすごいと思います笑。

  • 誰が一体あの日、自殺したのか。
    やっぱりあの人かなぁ…と思っていたら、まったく違う展開でびっくりしました。
    また、一人一人のキャラクターに共感しました。
    それぞれのストーリーみたいなのがあって、どれも良かったです。
    何よりも男子たちが素敵でした(笑)

    この作品を読んで、もっと辻村作品が読みたくなりました。
    まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください!

  • 辻村さん独特のトリックが隠されています...
    思わずもう一度読みたくなる作品。そのくらい、伏線がすごがったです。なんで気づかなかったんだ、、、?みたいな笑

  • さあ!次はお前の番だとチャイムが鳴る。白過ぎる人形に赤過ぎる血。穢していく雪を見つめながら、あの日屋上から見た何処までも続く青い空は貴方の目には灰色だったのだと気付きました。私の逃げ場は何処。この傷を自分の痛みの様に泣いてくれる心、そう、私は貴方の懐へ帰りたい。大事な人の為に地獄へ逝くか、自分の心のまま天国への扉を開けるか。その先が堕ちると決まっていても、地獄の階段を上がって逝くと思う私はやはり深月であり、弱さを超えた強さを持つ景子が眩しい。責任も悪者も無い。皆人知れず精一杯で生きている。それは自殺した一人もそうだった筈。誰かの想いは雪の様に傷口を溶かし、湧き上がってくる安堵感に、嗚咽を堪え顔を覆いました。

  • 辻村さんのデビュー作。

    感想は、やっぱり辻村さんだなぁという感じです。ページ数多いし、いろんな人の回想に飛ぶしで読みにくい人もいるかもしれないけど、そうすることでその人のことがよく分かるのではないかなぁと思った。
    深月は確かに現実にいたら鬱陶しそうだけど、真相知って納得。。。

    人物描写が丁寧。一人一人が個性的。誰にでも自殺し得る理由があるように感じた。でも、それでも全員自分の弱さを出しすぎず一生懸命生きているのがいい。
    1番好きなのは、やっぱり菅原とヒロとヒロの物語。とても切なかったけど、最後のトリックにやられたっ!

    終わりは明るいのが辻村さんの作品のいいところですね。私は、読後感いいと感じました!

著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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