冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 8646
レビュー : 923
  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758239

作品紹介・あらすじ

第31回メフィスト賞受賞作!
いとおしくなるほどの懐かしい記憶
「こんなことはいつか終わりになればいい」
――大丈夫、いつか、絶対に大人になれるから――

学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。担任教師・榊はどこへ行ったのか。白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。薄れていった記憶、その理由は。

感想・レビュー・書評

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  • ヒロインに自分の名を冠している点、そのヒロインが周りから絶えず気遣われ庇護されている点、ヒロインがすべての原因を引き起こしている点、、、

    色々総括して「気持ち悪い」印象。自己陶酔というかナルシシズムがだだ漏れすぎて、、、胸焼けしそう。おかげで著者お得意の名前遊びや伏線の回収にまで難を付けたくなるような。。

    自分で自分の名を連呼するしゃべり方(梨香)や、男性のようなしゃべり方(景子)にも馴染みがないせいか、登場人物らに好感を持ちにくい。。

    名刺代わりに、、、と書かれているが、名刺にされるのなら「メジャースプーン」や「スロウハイツ」「名前探しの放課後」の方がいいんじゃないかな。本作はデビュー作なのでまだまだ青臭い印象。

  • 辻村深月のデビュー作。すごい!のひと言です。読み始めてすぐに引き込まれ、あっと言う間に読み終えてしまいました。

    登場人物は高校生で、学園ものでもありミステリーでもあり少々のホラー要素を含み(ホラーはあくまでも怖がりな私の主観ですが)、犯人は誰なんだ⁉って、ずーっとドキドキしっぱなしでした。
    途中途中で挟まれる、個々の人物像の掘り下げ方も良くてけっこう泣けますよ。しかも後半になってくると、いろんな所に伏線が散りばめられていた事に気付きさらに泣く事に…。

    辻村さんの作品はダークな中にも愛を感じられてすごく良いです。
    彼女の作品を読むのは三つめですが、すっかりファンになりました。

    せっかくなので、これから読むのは作品発表順に追って行きたいです。

    • 円軌道の外さん
      フーミンさん、こんばんは!
      たくさんのポチとコメントありがとうございました。
      僕の本棚の『東京ロンダリング』にコメントの返事書いたので
      ...
      フーミンさん、こんばんは!
      たくさんのポチとコメントありがとうございました。
      僕の本棚の『東京ロンダリング』にコメントの返事書いたので
      ヒマつぶしにでもみた覗いてみてください。

      てか、フーミンさんの辻村深月レビュー順番に読んでたら
      無性に辻村作品が恋しくなってきました!(笑)

      フーミンさんのレビューにある、
      ダークな中にも愛があるって、
      確かにその通りで、思わずうなずいてしまいました。
      (あと、辻村作品はみな、すごく中毒性がありますよね笑)


      僕は『冷たい校舎の時は止まる』と
      『凍りのくじら』と『ぼくのメジャースプーン』と『本日は大安なり』と『ハケンアニメ!』しか読んでないんですが、
      他にオススメありますか?
      やっぱ古い順番に読むのがいいのかな。
      2018/01/31
    • フーミンさん
      円軌道の外さん、またまた沢山のイイねありがとうございます。大した事書いてないのでなんだか恥ずかしいです。

      辻村作品は私も全部読めてなくて、...
      円軌道の外さん、またまた沢山のイイねありがとうございます。大した事書いてないのでなんだか恥ずかしいです。

      辻村作品は私も全部読めてなくて、今まで読んだなかで円軌道の外さんが読んでないものだとー…、
      太陽の坐る場所とかけっこう好きでした。
      あと、子供達は夜と遊ぶとか。

      辻村さんは色んな作品とリンクしてるんで、たぶん作品発表順に追っていくといいような気がします。
      私はそうしようと決めてるんで、新刊出て気になっても読めないという…(笑)

      読みたい本は沢山あるのになかなか手付かずで、1日24時間じゃ足りないですよね〜。
      2018/02/01
  • 構成が二重三重に凝っていて、それが話の運びに生かされています。
    よく練り上げられていますね。
    前半でやや謎に思った点は、すべてヒントに。
    重い内容ですが、救いがあり、読後感がよくなるように考えてあるのがいいですね。

    このヒロインの名前をペンネームと同じにするとは、痛々しいけれど。
    真摯な気持ちでそうしたのだと思います。

    ネタばれしないで、これ以上書くのは難しいかな‥
    心に食い入るような作品でした。

  • 止まらない、止まらない、止まらない。一気に読んだ。
    わたしは全然推理ができない。だからただあやつられるがままに読んだのだけれど、ラストを読んで、きっちり伏線が引いてあった事が分かって、「くぅー!推理すれば良かった!」と悔しかった。
    ふたつ、みっつと仕掛けがあって、小説ならではのトリックだと思った。
    辻村さんは全ての登場人物をとても魅力的に書く。こんなの、好きにならない方が難しい。

  • またやられた。やられました。
    いつも違和感は感じていて、疑ってかかるのですが、最後はいつもしてやれらます。

    考えてみれば、ヒントはかなり散りばめられているんですよね。
    そして、そのヒントにも何となく気付いて、チェックをしている自分がいる。
    でも、そんな自分の考えをはるかに上回る展開が、いつも待ち受けています。

    辻村深月さんは、しれっと密かに文章に盛り込んでくるので、すごいです。
    本当にさり気ない。


    この物語のメイン人物は、8人の高校生たち。
    物語の軸となるメインストーリーの要所要所に、一人一人にスポットを当てたストーリーが挟まれています。
    その中で、各生徒の過去や、内に秘められたものがどんどん分かっていきます。

    どの子のストーリーも好きです。
    沢山言いたいこともあるし、いろいろと思うところもあります。
    でも、やっぱり・・・うん。
    この物語の中で一番重要なポイントは、「友情」と「個性」だと思っています。

    友達ってなんだろう。
    友達に何をしてあげられるだろう。
    友達だから―。

    自分ってなんなんだろう。
    自分は何がしたいんだろう。
    自分は誰かにとって―。

    きっと誰もが、こんなことを考えてしまうのでしょう。

    こういうことを、校舎の時を止めてしまったあの子は、随分と重く、深く、考えてしまったようです。
    その結果、あの子は勝負に負けることになりましたが、でも大丈夫。
    心強い友達がついていました。

    あの子のまわりは、本当にやさしい人ばかりだなと思います。
    そして、あの子もやさしい。

    ここでいう「やさしさ」が、誰かにとっては「甘さ」になることもあるのでしょう。
    もしかしたら、自己満足なのかもしれない。
    そういった「怖さ」が、「やさしさ」には付き回るものだと思います。

    でも、確かにあの子たちはやさしかった。
    同時に、俺にとっては格好良かった。


    あの子たちが、いつまでも元気でいられますように。
    そして願わくば、みんなの進む道が、明るいものでありますように。

  • 辻村深月さんのデビュー作。
    「かがみの孤城」に引き続き手に取った。

    設定がなかなか面白い!
    雪の中、隔離された校舎の中に集められた生徒達。
    その中にはすでに自殺した人物がいるらしい、でもそれが誰なのかが思い出せない。
    一人一人減っていく生徒、一体誰がその犯人なのか。
    もう先が気になって気になって…一気読み不可避でした(´∀`*)

    最後まで読んだ感想としては…
    うーん、何となく腑に落ちず…というのが正直なところ。
    「この生徒の中から」と繰り返し強調されるので、途中からそれ以外のオチは受け付けられないという気持ちになってしまっていた。
    かなり長いこと焦らされるので、「メンバー内から納得感のある理由、理屈の上でさらに驚きの展開」まで期待値が上がってしまっていて…
    そこが満たされずといった感じでした。

    一人一人のエピソードが長く、間延びしている感じは否めなかった。
    もう少しコンパクトでも良かったかなという感覚。
    後半はオチだけ知りたくなってしまい、ちょっと流し読みしてしまった。

    辻村さんの中でもかなりエンターテイメント性に寄せた作品。
    設定+プロットで勝負している感じ。
    個人的には、もう少し登場人物の内面に迫る作品の方が辻村深月さんの真骨頂ではないかと感じる。

    作者の名前が登場人物として出てくる小説を始めて読んだ。
    色々と勘ぐってしまう(自分の名前だからきっとストーリーに大きく絡むはず?とか)ので、小説を純粋に楽しむなら関係の無い名前の方が良いかと。
    「心優しく繊細なキャラ」という立ち位置もまたちょっと…(笑)

    <印象に残った言葉>
    ・その人の話をしているのに、思い出せないんだよ!その人の顔も、名前も。その人が誰だったのかもっ!(P120 上、充)

    ・屋上に立っていたのは、角田春子だった。(P442 下)

    ・その声に、菅原榊は顔を上げる。顔に色濃い苦笑を浮かべながら、「深月」と教え子の名前を呟いた。(P474 下)

    <内容(「Amazon」より)>
    エンターテインメント界注目の大型新人・辻村深月が贈る青春小説
    閉じ込められた8人の高校生――雪はまだ降り止まない
    「ねえ、どうして忘れたの?」

    雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。

  • 辻村深月のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』を読了。

    辻村深月の作品はこれまでに何作か読了しているが、ようやく今回読むことが出来た。

    辻村作品の登場人物は、他の作品とリンクしていることはファンの間では有名。本作の登場人物も以降の作品に出演したりしている。

    『冷たい校舎の時は止まる』は、高校生8人が校舎から出られなくなり、それには2ヶ月前の学園祭で自殺した名前と顔が思い出せない人物に何か関係があるのでは……という少し不思議な話。青春ミステリの要素もあるが、ちょっとしたホラー表現もあり面白い。ちなみに文庫は上下巻と少々長め。

    必要以上に冗長過ぎる、という意見もちらほら。これは一理あるかもしれない。主な登場人物が高校生8人なのだが、そのひとりひとりのエピソードが描かれている。結果、自然と長くなってしまったのが主な原因だろう。しかし逆に考えれば、しっかり作りこまれた作品だとも言える。これは人によって意見が分かれるだろう。

    ミステリでは滅多に感動する作品にはなかなか出会わないものだ。しかし作風からか、辻村作品にはいつも感動させられる。本作も例に漏れずだった。特にある人物のエピソードはかなり泣けるものがあった。

    読後感も非常に良かった。まだまだ未読の作品も多数あるが、少しずつ読んでいきたいと思っている。

  • それぞれの登場人物について丁寧に掘り下げられていてやや冗長に感じたけれど、それでもとてもおもしろかったです。

    自殺したのが誰かは大体予想がついてしまっていたけれど、どうして榊がいないのか、「ホスト」はどうしてあのメンバーを集めたのか、などは最後まで予想がつかなかったので「こうかな」「ああかな」と思いを巡らせながら読んでいました。

    まさか菅原=榊だったとは……。
    後から考えると確かに、榊の机からタバコのありかを探り当てたり、景子も知らなかったリカの進路希望を知っていたり、菅原=榊をほのめかすエピソードはちらほら見受けられるんですよね。

    ところで菅原=榊だとわかった時に「あれ? てっきり小学校の先生を目指していたのかと……」と思ったけれど、もしかすると自分が救えなかったヒロへの償いもあるのかなあと思いました。

    ヒロのことは助けれられなかったから、せめて相方のヒロ(=博嗣)だけでも自分で見届けたい、みたいなね。

    それで、それを果たすことができるから青南を辞めて本当の希望である小学校教諭を目指した、と。

    そう考えると、榊の話は単品で読んでみたかった気もします。

    榊に限らず、他のキャラクターたちも他の作品で会いたいなあと思いました。

    清水は『光待つ場所へ』に出てきて、それに鷹野もチラッと出てきていたけれど、他の人たちはどうなったんだろうなあ。

  • 解決編となる後半。
    結構、びっくりする。叙述トリックの妙ですね。

    映画化にものすごく向いているストーリーですけど、たぶんむりです(笑) 映像化は相当難しそう。

    たぶん青春時代だからこそ感じることのできる想いとどうやって向き合ってきたか、それを考えさせずにはいられないストーリーでした。

    明るい余韻を保った、ハッピーエンドです。

  • いやー、長かった。上下巻、なかなかのボリュームでしたね。でもその分読み終わった後の達成感は大きい。
    ひとりひとりの自殺への関わりや過去が明らかになり、冷たい校舎の中から消えていく。その代わりにあらわれる、人形や絵。それは一体何を意味するのか。そして、ここを支配している"ホスト"は誰なのか。読めば読むほど先が気になるお話でした。
    私はロードムービーを読んでからこの本を読んだので、この中で本当は誰がいないのか、なんとなく思う人はいたのですが。見事に裏切られましたね笑。
    本当にどの部分も結末にきちんと繋がっている。よく考えられている。たくさんの仕掛けがあきこちにちりばめられ、頑張って"ホスト"を見抜こうとするんですが、ダメです。なかなか当たりませんね。当てられる人がいたなら、本当にすごいと思います笑。

  • 上巻で触れた気持ち悪さの原因は、主人公と作者が同じ名前だという事が大きいのかもしれない。
    まず、第一に私はこの主人公、辻村深月がいまいち理解できないのだ。
    春子がした事は、私にはそれほど酷い事だとは思えない。受験期でただえさえストレスが溜まっているのだ、自分より成績がよく、部活のマネージャーをする余裕がある深月にいらいらして、敬遠するぐらい当たり前ではないか?
    それなのにこの主人公は、まるで天変地異が起きたように、狼狽して拒食症や嘔吐を引き起こしてしまう。なんだか彼女の世界でない現実でも弱すぎる気がする。
    そしてそれをおお可哀相に可哀相に。大丈夫あいつが悪いんだ気にするなとなだめ援護する仲間達……。
    むしろ私はこんな悲劇ごっこに巻き込まれてる春子に同情を禁じえない。
    そしてここまで主人公が擁護されるのは、作者の実体験からの投影ではないかと疑ってしまい、気持ち悪さはピークに達するのである。
    ……こんな事を言ってしまうのは、やはり性格が悪いのだろうか?

    • costa0718さん
      同意見です。
      クラス委員たちが徒党を組んで,春子を追いやったともとれると思います。さらに,担任も味方につけて・・・。
      同意見です。
      クラス委員たちが徒党を組んで,春子を追いやったともとれると思います。さらに,担任も味方につけて・・・。
      2013/05/05
  • 上巻で懸念に思っていたことが、
    まさかまさかと思って読んでたが、そのまさかが当たってしまった。

    誰が苦しみ、誰がそれを救うのか。
    菅原の話はなぜあんなにも長いのか。
    榊はなぜ現れないのか。
    2人のヒロの重要性。

    全ての伏線を回収し、
    全てのキャラクターに命を吹き込む作者の志が伝わってくる。

    自己嫌悪や、自己犠牲という自分の一番嫌いなジャンルにスポットがあたっており、深月には終始イライラした。
    みんなの優しさをフル無視する彼女は一番みんなのことを観れていない。空気の読めない奴。
    甘えに甘え、弱いことを嫌悪する。
    でも、それも作者の作戦。

    でも、その作者自身が辻村深月のため、読んでいての違和感が凄い。
    一気読みできて没頭してしまう良作。

  • そういうことかー!
    自殺した人の正体、榊がいなかった理由、すべて解決!!
    登場人物それぞれが現代の若者が持っているであろう悩みを抱えているのがリアルやった。それぞれのキャラがちゃんとした人になってるというか・・・
    ただ景子の話し方だけが非現実的。それがちょっと残念・・・
    辻村深月さんの作品は初めて読んだけどおもしろかったー!
    これからも読んでいきたいな。

  • 誰が一体あの日、自殺したのか。
    やっぱりあの人かなぁ…と思っていたら、まったく違う展開でびっくりしました。
    また、一人一人のキャラクターに共感しました。
    それぞれのストーリーみたいなのがあって、どれも良かったです。
    何よりも男子たちが素敵でした(笑)

    この作品を読んで、もっと辻村作品が読みたくなりました。
    まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください!

  • 大学受験を控えた高校三年の冬。雪の降る学校に登校した文化祭実行委員の8人だけが学校に閉じ込められた。ここは実際の学校なのか?それとも超常現象?怪奇現象? そして、それは誰の陰謀? 時間が止まった校舎の中で犯人探し、真相探しが始まる。


    上下巻で1000ページを超える長編ミステリーにも関わらず、読み始めたらあっという間に読了。クローズドサークルで、1人ずつ犠牲になっていって、そして、犯人は仲間の中にいる、というホラー的ミステリーの要素と、そこが数ヶ月前に自殺した生徒に関わる精神世界なのではないか…という超常現象的な要素。そして、誰もその生徒の名前を思い出せないなかで、「思い出して」という声が響くという、精神的に追いつめられた状況。誰が自殺した生徒だったのか? そして、何故、こんな世界を作って仲の良い友達たちを閉じ込めたのか? いったい、何が嘘で何が本当なのか…… 書かれている記述の中からヒントを掴もうと、必死になっているうちに、あっという間に1000ページ。世界への引き込み方はすごかった。

    自殺した同級生の名前と理由を思い出すために、8人の同級生が少しずつ過去を思い出そうとする。同級生のこと、トラウマになっている過去、後悔したこと、悔しかったこと、謎だと思っていたこと、誰かを好きだったこと…。物語の半分は、生徒1人1人の過去の辛くて切ない出来事に費やされていて、それが謎を解いてゆく材料にもなっているのだけれど、……少しだけ文句を言うなら、その量が多くて読むのが大変だった…かな。早く先の謎が知りたいのに、過去の話が長すぎ〜っ!…と。それもすべて意味がある物語なのだけれど、も少しコンパクトになっていたらもっと読みやすかったのにな。

  • やられたー。「校舎がボロい」って発言には確かに違和感を覚えたんだけどなぁ。そこから考えが進まなかった。ほかにもヒロ=博嗣とか、わかるとどうして気付かなかったんだと思ってしまうほど見事なトリック。ただ榊が名前ってのはちょっとずるいよ・・・。上・下巻通して丁寧に八人の過去、心情が丁寧に描かれていたからその中にうまく紛れたんだろうなぁ。それでも菅原は一番最後に持ってきてるし一番長い。やっぱり完敗。
     単なるミステリーにもホラーにもとどまらない、心に残る小説。長いけど読んでよかった。特にトリックは気付くヒントがしっかりあるからミステリーとして凄く面白い。これは気付けなくて悔しいって思える。

  • こんな仲間がいたらなぁ○
    読み進めていくうちに、1人1人を好きになってた。

    何となく自殺した子に気付きながらも、謎が解けずにいてまだもしかして??って時折感じさせる。
    下巻は徐々に色んなことが明らかになり、分厚さなんて忘れて一気読み。読み応えアリ!

    菅兄がかっこいい!
    悲しみを抱えながら、悩みや葛藤を抱えながら、傷を作りながら。自分自身と向き合って、大人になっていく。

  • 2019年の読書初めはだいすきな辻村さん。読了してみれば「原点」であることが確かに感じられた。終盤に浮かんだ感想は「辻村深月てんこ盛り!」。笑ってしまう感想だが、辻村さんが書きたいもの。それが完成されていたことがよく理解できた。若い情熱が迸るままに綴られた、デビュー作にしかないであろう不器用さ。そんなものも感じられてなんだかうれしくなった。ここから逃げずに書き続け、深化していったのだろうとおもえたから。それにしても……確実に提示されていたヒントを夢中で読んでいたとはいえ疎かにしてしまい。「やられた!」。

  • 下巻の伏線回収、、、癖になる〜!

  • 再読

    ミステリ的な部分ではなく、この本で描かれる人間関係の胸糞悪さを主に書きます。


    感想としては、「角田さんが可哀相」に尽きる。

    もともとは深月との揉め事だったはずが、クラス委員と担任教師が姫を護る騎士の如く深月を庇護してしまったから、自殺する以前の段階で角田さんは「加害者として白眼視される」という形で「被害者」の立場になっていたと思う。

    クラス委員の面々はいい子達だからこそ、友達を守るために必死だったんだろうけど、実際にしたのは、「クラスの中心人物」としての自分達の影響力も考えずに深月を「いじめた」相手をいじめ返し、いじめ殺すという酷い仕打ちだと思う。揉め事があったとして、クラスの雰囲気を悪くしない、揉め事が収束した後は引きずらない。このくらいのこともできない連中がクラス委員って。特に、身近な人に死なれた経験のある昭彦、鷹野の冷たさは(鷹野は深月と特に親密な関係であるとはいえ)異様なまでで、「結局大事な人にしか優しくできないのね」と呆れる。

    サカキさんは良い先生と言われているけれど、幼馴染だからといって、深月を贔屓しすぎている時点でダメダメだと思う。女子同士の揉め事に対して、若い男の担任教師が片方に肩入れするっていうのもダメ。絶対に反感を買う。自殺の現場で「何であいつが飛び降りるんだ」と言っているということは、「あいつは自殺するようなタマじゃない」と思っていたということだよね。本当に重ね重ね、酷い。冷たい。

    角田さんは確かにすごく攻撃的な態度を取ったけど、もしかしたら「嫌い」と態度で示していたのに深月が縋り付くからキレたのかもしれない。彼女にしたって不安定な年頃だし、言動を肯定はしないまでも、精神面のケアは必要だったのではないのかな。

    そもそも深月の、ショッキングな手紙を受け取った後の嘔吐や拒食という反応からしてどうなの。そんな、この世の終わりみたいに嘆き悲しむか普通。だいたいにおいて、こういう揉め事って結局、「か弱く振舞って同情を引くこと」に長けている方が「勝つ」んだよなぁ、と思う。深月は角田さんの自殺直前、「みんなの見る目も変わらない」と角田さんに言っていて、こんなこと言えてしまうということはなかなか強かじゃないか。友達ひとりと揉めたくらいでこんな大事件を引き起こすほどメンタルの弱い人が、心理学を学んでカウンセラーになりたいとか、笑える。

    今の辻村深月さんが「辻村深月」的な人物を小説に登場させたなら、もっと嫌な面を前面に押し出すのかもしれないな。

    最後に。たかが手首を切ったくらいでは致命傷にならないし意識も喪失しません。自殺未遂者の証言を取材したルポルタージュによると、1,000ml以上出血したとみられるケースでも意識は失っていなかったし、結局その自殺未遂は未遂に終わっているわけなので。

  • 受験を控えた高校生たちが突然校舎に閉じ込められ「自殺した人物」を思い出そうとする物語。進学校の頭脳明晰な生徒たちだからこそ成立する話であり、考え抜いて真実に迫っていく様子が、ホラー的要素を交えながら進んでいく。

    この下巻では、登場人物の一人である菅原の過去が描かれ、全体の中ではその部分が一番興味深く読めた。他の生徒たちにはなかなか感情移入できず、長々とした展開に飽きてきた頃だったので新鮮な章でもあった。

    全体に長すぎて、ほっとしたものの何か物足りない。あの千里姐さんといっしょの場面が再現するのでは?という私の妄想はもろくも崩れた。

  • 第31回メフィスト賞受賞作。
    上・下共に500ページ以上、合せて1100ページ以上の長編。

    登場人物たちがわざとらしいというか妙に背伸びしているというか、等身大の高校生たちではなく演劇を見ているようでした。
    8人を校内に閉じ込めたホストは、文化祭の日に自殺した者の記憶を失わせそれでいて「私を思い出して―――」という。
    それぞれが思い出そうとする過程で、自分が何をしたのかを知らしめるのが目的なのだけどやり方が汚い。

    この物語の根底にある、死ぬこと・生きること、への作者の思いは充分に伝わった。
    だけどもっとコンパクトにまとまっている方が良かったと思う。
    ミステリー・ホラー・ファンタジー・青春群像劇、いろいろ書きたいことをMIXしてしまうとこんなにもクドい作品になってしまうのだとわかった。
    繰り返される「私は自殺なんかしていない」のやり取りもお腹いっぱい。
    1人ずつのエピソードも長い長い。
    あと作者と同名の「辻村深月」というヒロイン的な存在も全く同情も共感もできず受け入れられなかった。
    せめてエピローグでの成長が見られればよかったけど、まだみんなに庇護されていたので。

    設定は確かに面白いし、8人それぞれのエピソードも続きが気になってページを繰る手が止まらなかっただけにちょっともったいない印象。デビュー作だから荒削りなのも仕方ないかな?
    同じような会話が繰り返されるのはイラッとするし飽きてしまうのよね。
    本当に長かったわー…。

  • 辻村さん独特のトリックが隠されています...
    思わずもう一度読みたくなる作品。そのくらい、伏線がすごがったです。なんで気づかなかったんだ、、、?みたいな笑

  • 登場人物の名前に「深月」と付けるくらいだから、ストーリーの中の「深月」には恐らく作者の思いが投影されているんだろう。
    だとしたら…痛い。ま、自分に都合の良い世界を自由に創作できることこそが小説の醍醐味なのだから、それを存分に享受していると言えなくもないが。
    精神的に弱い深月ではあるが周りにイケメンをはべらかせ、何故か彼らは弱い深月を非難することもなくみんなして守ってやる。そんな少女マンガみたいな設定が気になり、「自殺した友人の名前を思い出す」どころではなかったw
    彼女の名前が「深月」でなかったらもっと集中して読めたのに。作者の方の「深月」もきっとこんな性格なんだろうな(というか理想、こうなりたい?)と思わない方がムリだよね?だって敢えて自分の名前を付けてるんだもん。
    辻村氏の他の作品は面白かっただけに残念。
    2018/05

  • 数々の伏線。気づいたもの、見落としたもの。謎解きの面白さももちろんある。でも一番の魅力は登場人物たちの心。友達を守ろうとする、その当たり前のことを当たり前にする。大切なものを知っているものは強い。でもそれが弱さにもなる。それぞれが胸の内に抱え苦しんでいるもの。「そんなことのために死ぬの?」でも人の心のキャパは他人と比べるものではない。辛いものは辛い。痛い思い、しんどい現状がたくさん出てくる。でも「生きることを、諦めるな」この一言が全てだと思う。恐怖や絶望の後に残るのが友達という希望で救われる。いい作品に出会えた。

  • さあ!次はお前の番だとチャイムが鳴る。白過ぎる人形に赤過ぎる血。穢していく雪を見つめながら、あの日屋上から見た何処までも続く青い空は貴方の目には灰色だったのだと気付きました。私の逃げ場は何処。この傷を自分の痛みの様に泣いてくれる心、そう、私は貴方の懐へ帰りたい。大事な人の為に地獄へ逝くか、自分の心のまま天国への扉を開けるか。その先が堕ちると決まっていても、地獄の階段を上がって逝くと思う私はやはり深月であり、弱さを超えた強さを持つ景子が眩しい。責任も悪者も無い。皆人知れず精一杯で生きている。それは自殺した一人もそうだった筈。誰かの想いは雪の様に傷口を溶かし、湧き上がってくる安堵感に、嗚咽を堪え顔を覆いました。

  • 女子ってめんどくさい。男子の内面は大部分が「ああ、わかるわかる」と共感出来るが、女子は異星人だった……。物語自体は面白かったけど。あの二人がキャラ被ってたのは、そういうわけだったのか、と。それにしても、女子高生が若い男性教師の自宅を一人で、しかも夜中に訪ねるって問題にならないのだろうか。

  • 犯人についてはおおよそ察しがついてたかな…という感じ。もしどんでん返しなら、鷹野が犯人ならよかったかなと思った(笑)

    話としては、菅原榊の話が良い…!青春っぽくていいし、処女作なだけあって荒削りだけど、人間臭く甘酸っぱくって感じがよかった。
    そして、小さいヒロとみーちゃんの正体がネタばらしまで気づかなかったのは、不覚。(笑)

    辻村作品は、くじらの凍りとスロウハイツに続き3作目だったのだけど、話は暗いが最後は少なからずハッピーエンドになるパターンなことに気づいた。こらからはこのパターンも覆されるのかな?

  • 上巻から下巻の最後まで、いたるところに張り巡らされた伏線やヒントが最後一気に回収される様が読んでいて気持ちがよかった。8人が校舎にいる間から一変、日常への帰還後の爽やかさに押さえつけられていた心が緩んだ気がした。ただ、クラスメイトが自殺した事実も、その引き金をひく一つのピースになってしまった事実も消えてはいなくて、これを抱えて今後を歩んでいくというのが想像できないほどに重い。

  • 辻村さんのデビュー作。

    感想は、やっぱり辻村さんだなぁという感じです。ページ数多いし、いろんな人の回想に飛ぶしで読みにくい人もいるかもしれないけど、そうすることでその人のことがよく分かるのではないかなぁと思った。
    深月は確かに現実にいたら鬱陶しそうだけど、真相知って納得。。。

    人物描写が丁寧。一人一人が個性的。誰にでも自殺し得る理由があるように感じた。でも、それでも全員自分の弱さを出しすぎず一生懸命生きているのがいい。
    1番好きなのは、やっぱり菅原とヒロとヒロの物語。とても切なかったけど、最後のトリックにやられたっ!

    終わりは明るいのが辻村さんの作品のいいところですね。私は、読後感いいと感じました!

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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