王城の護衛者 新装版 (講談社文庫)

  • 講談社 (2007年9月14日発売)
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  • 本 ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758338

作品紹介・あらすじ

 

感想・レビュー・書評

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  • 「王城の守護者」を読んでから「八重の桜」を観るとそらもういろんな深読みが(笑)
    八重〜の松平容保像は少なからずこの容保を下敷きに描かれているのではないか、と思われるほどに、八重容保と共通する姿が。

    個人的には「容保の鮭」のエピソードが好きです。

  • 幕末の人物を切り取った短編集なのだけど、表題の会津藩主、松平容保さんのお話が一番良かった。浮世離れするほどの純粋さと、それに全力で応えた家臣。悲劇ではありますが感動です。

  • 容保の誠実さはわかる。時に日和見であることも必要か。以蔵は悲しきビースト。認められたくてしょうがなかったのだろう。逆にイデオロギーを持つことの必要性を感じる。

  • 【司馬遼太郎幕末短編再読月間②】
    2000年に購入してから幾度目かの再読。
    ・王城の護衛者…会津藩主松平容保
    ・加茂の水…玉松操(岩倉具視のブレーン的人物)
    ・鬼謀の人…大村益次郎
    ・英雄児…河合継之助
    ・人斬り以蔵…そのまま人斬り以蔵・岡田以蔵

    面白い。とても興味深い。
    司馬遼太郎氏の、しつこいくらいの言動描写、心理描写、その源となる歴史描写が生々しい。
    授業で詳しく解説されるような人々ではないかもしれないけれど、当時の彼らの存在意義や、生き様がこのような形で残っているのは素晴らしい。

  • 会津人の気骨、良くも悪くもその原点を伺い知る作品。こざかしい策略などできるはずもない。

  • 友達に本をもらった。初の歴史小説。容保は綾野剛に脳内変換して読み進める。清廉潔白な容保の姿が印象的だった。忠義を尽くしたにもかかわらず、会津の悲劇的な運命に涙を禁じえず。もう少し
    歴史的背景について知識を得なければいけないな。

  • 久振りに司馬遼太郎の作品を読む。人物の描き方が素晴らしい。それぞれ個性的な人物を、本当にそんな人いるのかと、生き生きと描く。
    幕末に活躍した人物、数人を描くが、短編ならではのエッセンスを凝縮した作品になっており、極めて個性的な人物ばかりを集めている。

  • 幕末の動乱に生きた人々に関する短篇集です。幕府側についた人の話が主だから仕方がないけれど、各々の不遇っぷりにやるせない気持ちにさせられます。八重の桜を見るのも、これを読んだあとでは切ない。

  • 高校生の頃に読んだ本。35年ほど前か。
    最近、天地明察で保科正之が登場していたり、NHK大河ドラマ「八重の桜」で幕末の会津を見るにつけ、読み返したくなった。

    松平容保に京都守護代を押し付けた松平春嶽は結局官軍につき、将軍慶喜は敵前逃亡。薩摩は会津と組み、長州を京都から追い落とすが、後に長州と同盟。会津だけが貧乏籤を引く。
    容保は京都方に嘆願書を何度も送ったにもかかわらず、官軍の討伐を受け、会津は女性、子供に至るまで奮戦し、敗北。その後も長州から会津は非情な扱いを受け続ける。

    孝明帝に対しても容保は忠節を尽くし、帝も容保を頼みとされたことは歴史の皮肉というもの。この短編を読み返し、改めて歴史の渦に呑まれた犠牲者として哀切の念が尽きない。

    その他、岩倉具視の参謀として錦の御旗を作った玉松操、桂小五郎から見た大村益次郎、同塾の若い友人の覚え書を基にした河井継之助伝、そして人切り以蔵について。そういう幕末の人物についての短編。つまり「花神」「峠」のもとになった作品達。こうして読むと、明治維新なんていい加減なものだったんだと、つくづく思う。
    「峠」はまだ読んでいない。いつか、読まなくては。

  • 表題作が好きすぎて、そればっかり読み返し、先に進まない。このままでは永遠に読み終わらない気がする。困った。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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