- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062758383
感想・レビュー・書評
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小松左京の作品が良かった。
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アンソロジー作品で「宮部みゆき」選の『スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎002』を読みました。
本シリーズは約3年前に読んだ「東野圭吾」選の『スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001』以来ですね。
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美しい謎(ミステリー)とともにタイムトリップする
選者「宮部みゆき」による宝箱のようなアンソロジー
1970年代からの30年間、ミステリー界に何が起こったのか?
人気作家が膨大な数の短編小説の中からベスト・オブ・ベストを選ぶ「謎」シリーズの第2弾。
今回のミステリー・ブレンダーは「宮部みゆき」。
選者による解説が、各年代を象徴する「謎」を解き明かす。
7作品を収録した、極上のアンソロジー。
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本作品には以下の七篇のミステリー作品が収録されています。
・序文 大沢在昌
・はじめに 選者 宮部みゆき
・年表一九七一年/選者のひとこと
■男一匹 生島治郎
■企業特訓殺人事件 森村誠一
■闇の中の子供 小松左京
・年表一九八一年/選者のひとこと
■暗い窓 佐野洋
■首くくりの木 都筑道夫
・年表一九九一年/選者のひとこと
■歩道橋の男 原りょう
■酷い天罰 夏樹静子
・終わりに 選者 宮部みゆき
選者と趣味が合うんですかね… どの作品も一定レベル以上で愉しめましたね、、、
特に印象に残ったのは、「生島治郎」の『男一匹』と「佐野洋」の『暗い窓』でした。
『男一匹』は、父親が失踪し、母子での貧しい生活から脱するためヤクザの世界でビッグになろうとする男「雅」を描いた物語、、、
ビッグになるために鉄砲玉として組を裏切った人物を銃殺… その夢が叶った瞬間、読者にしかわからない衝撃的なエンディングが待っていました。
まさかその相手が… 父親を越えることはできたのかもしれませんが、あまりにも哀しい結末でした。
『企業特訓殺人事件』は、異常なまでに厳しい社員研修で兄「野上正男」を喪った「速水正吾」が兄の勤めていた化粧品メーカの「粧美堂」に復讐する物語、、、
復讐目的で「粧美堂」に就職し、兄に激しい特訓を課した研修リーダの「大津」を自殺に追い込み仇を討ったつもりが… 実は会社に利用されていたという疑念が生じたところで物語は結末。
個人個人が巨悪に打ち勝つことは難しいのかもしれませんね。
『闇の中の子供』は、子ども達が闇の中に連れ去られて行くというファンタジックな展開の中で、大人の身勝手による嬰児殺しや児童虐待を告発する物語、、、
ホラーっぽい内容だったことや歌舞伎三大名狂言のひとつ『菅原伝授手習鑑』が絡めてある展開に感情移入できなかったですね。
「小松左京」って、子どもの頃にSF作品を何冊か読みましたが… こんな作風の作品も残していたんですね。
『暗い窓』は、電話での会話だけで構成されている異色の物語、、、
現代であればストーカーと呼ばれるような行動を取る少年からの電話が、偶然、事件の真相を暴くことになる展開が面白かった。
固定電話しかなかった時代の物語なので、携帯電話が主流で、音声よりもメールやラインにコミュニケーション手段が移り変わった現在とは通信手段が状況が大きく異なりますが、現在にも十分通用する内容… 冴えてます。
『首くくりの木』は、首くくりの木と呼ばれた木を探すことを探偵に依頼した男が死亡し、その真相を探る物語、、、
探偵に依頼する内容は何だって良かったんですね… 探偵に捜査を依頼することで、妻の浮気をけん制するつもりが、まさか殺されるなんて想像もしなかったんでしょうね。
物語のほとんどが木を探すことに費やされているので、エンディングまで、全く真相に気付きませんでした… 良い意味で裏切られた作品でした。
『歩道橋の男』は、私立探偵「沢崎」が人捜しに巻き込まれる物語、、、
誰からも仕事を頼まれていない「沢崎」の前に「成島」と名乗る女性探偵が現れて「人捜し(「伏見芳江」の孫捜し)の仕事を引き受けないでほしい」と依頼したことから、「沢崎」はこの人捜し興味を持って調べ始める… そのうち、「成島」が歩道橋の階段から転落して意識不明となる事件が起こり、徐々に新たな事実が明らかになる。
凶悪な少年犯罪者だった孫を受け入れようとするエンディングが良かったですね。
『酷い天罰』は、バイクで若い女性を轢き殺した過去があり、無職の少年「裕平」が全身を滅多打ちされ筵を掛けられた状態で自宅の庭で発見される、、、
当初、怨恨からの犯行と思われたが、滅多に帰らない自宅付近での犯行で他人には待ち伏せが難しいことから、母親や姉、轢き殺された女性の母親等が捜査線に浮上したが… 実は自分が交通事故の加害者になることは絶対に許されない人物が、事故を隠すために実行した犯行に及んだ事件でした。
意外な人物が犯人でしたが、殺された少年が荒れていただけに家族等が疑われてしまうという暗くて哀しい作品でした。
一冊で、異なる作風の作品と触れ合えるので、たまにはアンソロジー作品も良いですね。 -
宮部みゆき氏をブレンダーに迎えたアンソロジーです。
「一九七〇年代からの30年間、ミステリー界に何が起こったのか?」
日本推理作家協会が1970年以降、毎年刊行している「ザ・ベスト・ミステリーズ」の中から年代を10年ごとに区切って、その年のベスト・オブ・ベストをブレンダーが選ぶという趣向。1970年、1980年、1990年が001で東野圭吾氏がブレンダー。その続き、1971年、1981年、1991年が今作です。
このアンソロ自体、もう12年も前に刊行された代物なのですが。
小松左京「闇の中の子供」。初読は高校生の頃でしたか。
自らの首を胸に抱いて行進する子供の列のイメージが強烈で、とても恐怖した思い出があったのですが、今回再読してみると、きちんとオチもついていて、そんな怖くないじゃんって。むしろ、子どもの哀れさを強く感じてしまいました。自分が母になったからでしょうか。
あとブレンダー、宮部氏の趣味なのか、いわゆる探偵の出てくる話が目立ちましたね。原寮氏の「探偵 沢崎」のシリーズはぜひ読みたいです。
他の巻には無いものもあるようなのですが、宮部氏の各年代の解説やあとがきも
読み応えがあり、面白かったです。
他のブレンダーさんもこのくらいやってくれるといいのに。 -
読了。移動の伴に。最良。
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宮部みゆきって本当にうざい。
こいつのダラダライラつく解説がなければ
もう少しスムーズに読めた。
003のが面白く感じたのは
こいつのせいかな。 -
"酷い天罰"のみ面白かった
宮部みゆきさんなんで期待したんやけどなぁー -
宮部さん推薦なら+原尞さんの短編が集録されている、から読んだ。
未読の作家も居たが、短編なのでサクサク読めて、車中に適当な本。 -
たまには名作選でもと読んでみたが、中途半端に古いから背景にもどかしさがあった。
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寝る前に一話ずつ