- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062758574
作品紹介・あらすじ
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。(講談社文庫)
すべてはここから。清冽なる新本格の源流!大学ミステリ研究会の七人が訪れた十角形の奇妙な館の建つ孤島・角島。メンバーが一人、また一人、殺されていく。「十角館」の刊行から二十年。あの衝撃を再び!
感想・レビュー・書評
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ミステリーの金字塔、綾辻行人さんのデビュー作にして代表作の「十角館の殺人」
驚愕の1987年刊行、というと自分が小学生高学年、昭和の終期の作品で約35年前に執筆されたことになる。
今尚、多くの読者に支持され続けクローズドサークル系ミステリーの不動の名声を浴びるこの作品。
宮部みゆきさんの「火車」と並び、この先ミステリーを読んでいく為にはいつかは必ず読まなければならない、一般的に名作中の名作の基準として格付けられているような作品。
気構えすぎて後回しにしすぎていたが、やっと読むことができた。
作品はクローズドサークルミステリー、自分が好みとして好まないジャンルのミステリー。
このジャンルの作品は狭い密な空間で仲間が殺される事、その仲間の死に対しても感情が何故か自分には薄く感じられる事が多く、犯人が身近にいるにも関わらずただ淡々と時間の推移が行われていく印象を持っている。
自分以外の人に対して生まれる猜疑心。その絶対的な強烈な猜疑心を読み取ることができない事が多いからあまり好きじゃなくなっていた。
しかし今作品は初めて面白いと感じられた。
物語はミステリー研究会に所属する大学生達が曰く付きの未解決殺人事件のあった孤島に興味本位から出向き、外部と連絡手段のない状況下で数日間滞在、そのうちに次々と仲間が殺されていくというミステリー。
まず構成力が素晴らしい。
日付毎に各章が「島内」と「本土」で順番に物語展開されていくのだが、そこに大きなトリックが仕掛けられている。
そしてこの島に向かった大学生サークルの面々は通名のようなアダ名で呼び会い、最初は馴染めないのだがそこも作品のキーになっている。
この作品を形容する「衝撃の一行」の破壊力はその2つのトリックの融合の賜物。
素晴らしかった。これは名作中の名作といわれるだけある。
そして作品はやはり年代を感じさせる、ワープロでタイピングされた郵送物が新しいとされていた時代。
当然携帯電話やGPSやSNSもない時代、だからこそのトリックでありミステリーだと感じる。現代ではそれらを駆使してしまえばただのつまらない物語だと思う。
その一昔前の時代背景だからこその魅力が存分にあった。
絶対に映像化できない作品とも言われている。確かに難しいと思う。
仮に映像化されたとしても見たくない。
先程も書いたがその当時の生活スタイルがあればこその作品だからだし、今回のトリック、ミスリードは本でしか出せない魅力だとどうしても感じる。
名作中の名作、流石だった。
改めて読めてよかった。
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大分県にある角島という無人島にある十角館という十角形の館。一年前に設計者であり家主であった中村青司氏を含む住人全員が殺害され放火された「青屋敷」の別館である。その因縁の十角館に大学のミステリーサークルの7人が電話も繋がらない中で合宿するのである。
十角形の建物の真ん中に十角形のホール。そしてホールの外枠の10の辺にそれぞれ扉があり、周りに10個の個室がある(風呂、トイレ、洗面所を含む)。ホールの天井には十角形の天窓があり、ホールの真ん中には十角形のテーブルがある。
離れ小島、不思議な建物、殺人事件との因縁付きというこの、「ミステリー」のテーマパークのアトラクションのような設定の屋敷にミステリーサークルの学生たちは嬉々としてやってくるのだ。私も初めは参加したくなった。
だが、2日目には殺人予告が。予告によると7人のうち、5人までが順番に殺され、最後から二人目は探偵で、最後に残るのは犯人だと。
一方、合宿に参加しなかった元ミステリーサークルのメンバーの所にも亡くなったはずの中村青司から脅迫状が届く。
十角館にいるメンバーたちは、殺人予告の恐怖に怯え、団結しながらも、お互いが犯人ではないか疑いあうという神経がすり減る時間を過ごす。が、誰も見ていない時に絞殺、撲殺されたり、皆が見ている前で、コーヒーを飲んだ瞬間、毒殺されたりして、一人一人減っていく。
一方、死んだはずの中村青司から脅迫状が届いた本土でももとミステリーサークルのメンバーによる探偵行為が行われていく。
犯人は本当に十角館にいるメンバーの中にいるのか?それとも外部の誰かなのか?十角館の中にほかに誰かいるのか?それとも死んだ筈の中村青司の仕業か?
亡くなった筈の中村青司はどういう関係がある?衝撃の一言が発せられた時、「えっ!お前か!」と言いそうになった。面白い。設定がすごい!
ただ、ちょっと残念だったのは、その一年前に中村青司含む住人全員が死んだという、「青屋敷殺人事件」の真相については動機も犯人もはっきり分からなかった点。その事件との繋がりがもうちょっと明かされてたら面白かったかな(推理はされるのですが)。
綾辻行人さんのことを調べてみたら、奥さんは小野不由美さんで、お二人は京大のミステリーサークルでご一緒だったそうだ。こんな青春だったのかな?
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2024/07/11
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2024/07/11
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まこみさん、ヒロキンさん、おはようございますm(_ _)m
承知しました(*^▽^*)
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)mまこみさん、ヒロキンさん、おはようございますm(_ _)m
承知しました(*^▽^*)
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m2024/07/12
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初読より15年経ちすっかり内容を忘れていたため再読。ミステリーを読み過ぎたせいか目が肥えてしまっていた…?よく耳にする「ある1行での驚き!」が…そこまで…ではあったがミステリーとしてやはり面白かった!久しぶりに十角館の世界に浸れて幸せだった。
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ミステリーにはまるきっかけとなった作品。
緻密に計算された描写によって紡ぎ出される衝撃の展開に脱帽した。
あだ名が海外チックで覚えにくいのが難点だったが、物語の構成上はやむをえないともいえる。後世に語り継ぎたい作品。 -
【ミステリーレビュー100冊目】多くの人々をミステリーの沼に引きずり込んだ伝説の一冊 #十角館の殺人
100冊目レビューの記念は、十角館の殺人にしました。多分再読5回目くらい。
数々の伝説がある本作、まぁとにかくすごい。
・ミステリーは、本作以前、以降として分類される
・30年以上前 1987年の作品にも関わらず、いまだに本屋で平積みされる
・本書にあこがれてミステリー作家を目指す人、多数
まだ読んだことが無い人は、これから体験できるなんて、むしろ逆にうらやましい。近代本格ミステリーの基本書です。今すぐ読まないとマジでもったいない。
あらためて読んでみると、デビュー作なので多少に荒っぽい部分はありますが、しっかり作者の魅力が詰まっています。以下、素晴らしい点をあげさせていただきます。そりゃ面白いっつーの。
■構成
・島と本土の二構成で組み立てられた物語設計
・説明が少なく、場面の切り替えと登場人物のセリフ回しだけでストーリーが変化
■ミステリー要素
・現場に残された情報、足跡、アリバイなどで読者になぞかけを提示する仕掛け
・緊迫した場面での議論、人間関係のやり取り
■ホラー要素
・読者の不安を掻き立てる感情描写の書きぶり
■人物描写
・島の面々、本土の面々、全員が魅力あふれる個性的な登場人物
■驚き、真相
・各章の文末にでてくる、ものの見え方が変化する表現
・物語を丸っとひっくり返す、突然やってくる例の一文
本作は、私をミステリー狂いにさせた一冊です。圧倒的1位で、おそらく今後も変わることはありません。
感謝とともに、ミステリーに熱中しすぎちゃうんで、どうしてくれるんだとも思っている、そんな作品です。あなたもミステリー沼にハマりましょう。-
こんにちは!
時計館、良いですね( ´ ▽ ` )
煩悩の数の時計に囲まれて、、、!!
何もなくてもソワソワしそうw
迷路館には絶対住め...こんにちは!
時計館、良いですね( ´ ▽ ` )
煩悩の数の時計に囲まれて、、、!!
何もなくてもソワソワしそうw
迷路館には絶対住めません。
方向音痴なので、部屋に戻れなくて毎日廊下で寝るハメになりそうですw2022/03/04 -
2022/03/04
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2022/03/04
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確かに凄かったが、ブランド名に踊らされた感が否めない。細かい所をグジグジするのはご法度だろう。しかしなぜこの作品は死角ナシ扱いをされるのだろうか。
とは言え否定したい訳ではなく、例の一行にはしっかりとそのインパクトと不意打ちに驚愕したし、座っていたソファからは余裕でずっこけた。
あだ名という人物像を掴みにくいキャラクター達を各々しっかりと認識出来る個性や、「恐怖」「焦り」等の心理的描写は流石としか言い様がなく
世界観にどっぷりと浸っていた。夜寝る前に窓の施錠を確認してしまったほどだもの。
怒涛のクライマックスを経て、犯人のみぞ知る犯行の全貌は闇に紛れるのかと思いきや、しっかり下される審判。点と点が線で繋がれていくトリックの数々に溺れそうだ。面白かったです。 -
絶対に騙されないぞと思って読んだけど、あの一行でまんまと騙されていたことに気がついた。
だから映像化できないのか!なるほどー!
全てを読み終わった後にもう一度読み返したくなる。
綾辻さんの他の作品も読んでみたくなった。
追記 2024.5.5
この作品から綾辻さんのファンになった。
ブクログをはじめる以前はミステリーよりもためになる本を読んでいて、いつの間にか読書の楽しさを忘れていた。
そんな自分をまた本好きにしてくれたのが『十角館の殺人』のあの1行だった。
本でなければ感じられない面白さを思い出させてくれた「館シリーズ」には特別な思いがある。1番好きな本。
★10 -
すごく、面白かった。衝撃の一行というのがこの本のPOPだったのですが、まさにその通りでした。どうして映画化不可能と言われていたのかも納得しました。記憶を消してもう一度読みたい!
ただモヤモヤしているのはどうやって映画化するのか?ということですね。-
2024/05/11
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うたえながさん、お返事ありがとうございます。
すごい気になりますよね♪でもHulu契約してないのでお預けです(^_^;)うたえながさん、お返事ありがとうございます。
すごい気になりますよね♪でもHulu契約してないのでお預けです(^_^;)2024/05/11 -
Huluで実写ドラマも拝見しました!
どう再現するんだよ!と思いましたし
改悪も危惧していましたが、
とっても素晴らしい作品でした!
原作...Huluで実写ドラマも拝見しました!
どう再現するんだよ!と思いましたし
改悪も危惧していましたが、
とっても素晴らしい作品でした!
原作を知らない旦那に見せましたが、
バッチリ騙されてくれました(笑)2024/07/12
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少し時間が出来たので、ここにきてミステリーの名作を読んでみることにしましたが、なるほど、こういうタイプのミステリーなのかと驚きました。ミスリードが上手すぎですね。
物語はミステリー研究会に所属するメンバーが曰く付きの島、「角島」にミステリー旅行することから始まります。そこでは、家族の心中事件が起こっており、その空気感を楽しむため、わざと帰りの船便を後日に設定し、クローズドな空間を楽しむことに。そんな中、館には犯行予告と思われるプレートが突如として現れて…という展開。
トリックを際立たせる要素は色々あると思うのですが、まぁ際立っているのは思い込みによる盲点をついた構成であるということですね。詳しく書くとネタバレなるので控えさせて頂きますが、蓋を開ければ単純なトリックではあるのに、それを隠すための環境や登場人物の設定が緻密。そしてそれを一部仄めかす要素も加えて、知的な遊び要素を読者に提供するエンターテイメント性は素晴らしいです!
著者プロフィール
綾辻行人の作品






私は十角館が大好きで、その為だけにHulu契約して映像みましたが、犯人を知っているだけに、最...
私は十角館が大好きで、その為だけにHulu契約して映像みましたが、犯人を知っているだけに、最初はなんじゃこりゃ、犯人丸わかりやん!って思っちゃいました(笑)
監督さんが怖がり過ぎてましたね(^◇^;)
やっぱり本で読むのが最高ですね!
再再読したくなりました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
この作品の映像化はきっと無理だと思います。
bm...
この作品の映像化はきっと無理だと思います。
bmakiさんが言うように即ネタバレしてしまうはず。ミスリード系の作品は映像化難しいと思います。
ミスリードは本だからできるトリックなのでしょうね。