十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758574

感想・レビュー・書評

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  • こちらも約20年ぶりの再読。
    古典的名作、的なものをたまーに読みたくなります。

    内容についてはネタバレしちゃう気しかしないので割愛するとして、気になる点が2点あったのでつらつらと。

    まずは、こちらはアガサ・クリスティーの超有名作「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品ということは知っていましたが、わりと当作品の重大なネタバレ描写があります。
    「そして〜」の方も近々読むつもりだったのでちょいと残念…どちらも読むつもりの方は順番が逆の方が確実によきですね。

    それならニヤリとできる共通点があったりして楽しめるのかなー?

    そして2点目。
    この作品は初版が1987年に刊行されたらしいんですが、いま読むと当時の性別役割分担への違和感がすごくてある意味新鮮。

    ある男性登場人物が女性キャラクターに「コーヒーが飲みたいな。淹れてくれよ」と当然のようにお願いするシーンがあるんですが、女性側も「わかったわ。みんなも飲むでしょ?」的にあっさり受け入れるんですよね。

    当然、全員分の食事も女性が作って当たり前的な風潮で。

    何より驚いたのが、何人か殺されたあとキッチンにこの女性ともう一人男性がいる、という描写があったんですが、「そーよね!一人でみんなの食事の準備なんて絶対大変やからこの男性が手伝ってるんやな」と思ったら、まさかのこの男性は女性が食事に毒を入れたりしないための見張りで。
    見張りってなにさ…

    この女性はそのグループ内では姫的立ち位置として描かれるんですが、こんなん全然姫ちゃうやん召使いやん…。

    約20年前に読んだときの感想は覚えてないけれど、たぶん今ほどは違和感なく受け入れてたんじゃないかなー?
    そう考えたら時代は動いてるね!

    なーんて思ってたら、2007年に刊行された新装改訂版あとがきで作者の綾辻さんも同じことに触れられていました。
    15年前でも違和感のある描写だったのね…それなら令和の今なんて違和感てんこもりなはずだわ。

    内容としては、ミステリというエンタメ作品としてはさすが!という感じで、十分に楽しめました。
    ただ、読後に面白かった!以外の感想がこれと言って出てこないのが少し物足りないような気も…?

    もちろん名作と言われるだけの作品ではあるので、このへんは完全に好みの問題なんだと思います。

  • アガサ・クリスティの
    『そして、誰もいなくなった』
    と似たような感じではあるものの

    工夫が凝らされていた一作だったとおもう。

    たとえば、
    本土と島の同時並行で話が進んでいく


    犯人がまさか!

    という仕掛けで読み応えがありました。

    いやはやミステリーとは
    奥が深いですな笑

  • 高校生の頃に読んだ記憶があったが内容を忘れてしまっているという事で再読、

    結論、「しっかりだまされた!!」
    1行で世界が変わる、確かにって思いました。

  • まず、海外のミステリー作家にちなんだニックネームで登場人物が呼ばれることに、とても読みにくさを感じました。で、最後まで読んだけど、いまいち分からず、再読。やっと理解できました(笑)再読すると、なかなか面白く、11角あるコーヒーカップを見てみたいし、収納庫の穴に差し込んでみたいと思いました(………そこ?)
    ミステリーとしては、とても面白かったのですが、歳をとったからか、最近ミステリーに感情移入しすぎて、なんだかとても辛くなる。今回も、6人もの前途有望な学生さんが次々に無残な殺人方法で殺されていくのは、読んでいてしんどかったです。最後、わたしが1番好きだったエラリーだけでも生き残ってくれたら…と思いました。そんな中での、島田さんの飄々とした感じは癒されました。次は、ちょっとミステリーではないものを読もうかな、と思います。

  • ホームズ、ポアロ、エラリー・クイーンを読んできた自分にはどんぴしゃ。再読だったけど内容は全く覚えていなくて…謎が明かされていく過程は新鮮な気持ちで読んだ。古典的なこんな話が基本的にはやっぱり好きだなぁ、と思った。

  • 余りにも有名なミステリですが初でした!
    そして誰もいなくなった、に通ずるクローズドサークルもの。
    これが噂の一行か!と確かに衝撃。
    文章に時代は感じますが面白かったです。

    最近だと方舟や十戒などクローズドサークルはもはや時代を越えますね

  • アガサクリスティのそして誰もいなくなったより個人的に凄く面白かった。最後がよかった。いくら大切な人の復讐だとしても心病まない人なんていないと思うから。自分の意思ではなく瓶に。。自然に全てを委ねたんだなって。
    中村千織の死んだ時の状況を突き詰めるのかと思ったから。。その部分がなくて残念だった。。急性アルコール中毒ってだけでなく何があったのか知りたかった。

  • あまりミステリーは好きではないのだが、これは名作ということで、図書館になかったのでリクエストして購入してもらってまでして読んだ。
    時代が随分昔の感じがした。

  • デビュー作。ずっと読みたかった一冊。

    エラリィとかアガサなど、登場人物のニックネームがミステリ作家なのがいい。
    一人、また一人と殺されていく。誰が犯人か、最後までぐいぐいっと読ませて頂きました。

  • とても人気の作家
    そのデビュー作なんですね。
    ミステリーに疎い私は初めて読みました。
    どうも殺人が苦手で……

    ラストのどんでん返しは面白いけど、
    やはりなんかつらいものがあります。

    名前はそのままでいってほしかったな。
    ミステリー好きな方には魅力なのでしょうが。

    コミックも面白そうです。

    ≪ むなしくて かなしいままで 復讐は ≫

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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