十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758574

作品紹介・あらすじ

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!'87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

感想・レビュー・書評

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  • 映像化で話題になったので図書館で借りて一気読み。
    確かに、これ、どうやって最大のトリック?を表現するんだろう。

  • ロングセラーの本格派推理
    読んでみると、長年映像化不可能と言われていたのがよくわかる、衝撃の一行
    しかし、綱渡りのような計画であることは間違いなく、犯人は行幸に恵まれてるよなぁ、と感じるのは愚考だろうか

  • この度実写化されたこともあり、再び原作に興味を持って再読。
    初めて読んだのは中3の夏前だったと記憶していますが、読了後の衝撃が今でも忘れられません。
    「衝撃の結末」「ミステリ史上に残る大トリック」という謳い文句は決して過言ではなく、本作を読む前と後で自分の中の”ミステリ観”が180度変わったと言っても良い程の内容でした。
    俗にいう「館シリーズ」、そして他の綾辻作品に興味を持つきっかけとなった1冊です。

    今回再読するにあたり、中3当時よりもより細かく、”あの一行”に至る伏線をひとつ残らず探すつもりで読んでみました。
    流石に全ては見つからなかったものの、序盤からヴァンと守須が同一人物であることを示唆するような伏線を発見。
    二人とも同じ銘柄のタバコを吸い、同じく体調が悪いことを伺わせる。
    他にも守須(と江南)は件の三次会に行っておらず、ヴァンも三次会に行ったとは明言されていない。
    これくらいしか見つかりませんでしたが、もっと読み込んでいる人は守須の住んでいるマンションの所有者=不動産業を営むヴァンの叔父などと推理していたようで、その読解力に驚かされます。

    内容としては、ミステリファン好みの”クローズドサークル”もので、
    閉ざされた孤島と本土、二つの視点で物語が進みます。
    それぞれのパートの登場人物は別人というのは読者の思い込みでしかないのですが、まさか孤島の中の人物が本土でもアリバイ作りを行っていたとは初見で見抜くのは至難の業でしょう。
    また、孤島で殺害されていくミス研のメンバー達も皆個性的な面子ばかり。
    この中で次に誰が殺されるのか、そして犯人は誰なのかといった興味を持って読み進められます。
    動機がやや弱い気がしますが、それを補って「日本ミステリ界に変革を齎した」といえるだけの衝撃を読者に与えたと思います。

    これを機に、他の館シリーズも読み直してみます。

  • 登場人物の個性がちゃんとあり、誰が誰かわからなくなる現象は起きなかった。
    結構身構えて読んだのに、あっさりトリックに引っかかってしまった。
    私は思い込みを持って読んでしまっていたけど、柔軟な思考の人なら推理して犯人を当てることができただろうなと思う。
    ただ動機や本筋以外の部分で、「あれは何の意味が?」と釈然としないところがあるので、もう一度じっくり読み返したい。

  • 王道のミステリー。
    確かに映像化は難しい!動機はややこじつけ?

  • 島と本土、○日目などと分かりやすく章が区切られているため、ミステリーなのに読みやすい

    時系列や場所も分かりやすく記されていて、それぞれのトリックの種明かしも詳細に書かれている

    島にいる登場人物はニックネームが当てられているので最初は少し複雑で想像に労力を使うが、例の一文のために、それぞれのパーソナリティや立ち姿をイメージしながら読んで欲しい

  • ミステリーの名作!
    孤島に建つ十角形の館で起こる連続殺人事件。犯人は誰なのか、この結末は予想ができません。

  • 「映像化不可能」が自分の想像していたものと違って衝撃。こういうトリックを思いつくのはすごい。ただ、犯人の動機は個人的にしっくりこなかったです…

  • 映像化に伴い久々に再読

    最近新しめの文面ばかり読んでたからか、思いのほか時間かかった…再読だからってのもあるかもしれない。

    やっぱりこの作品は、初読の衝撃に勝るものがない。当時部屋でうわぁーーまじでーーー!!って叫んだのを覚えてる。

    その衝撃を忘れられないから、2回目以降はどんなに時間をあけても、答え合わせというか神様視点なんだよね…それはそれで面白いんだけども。
    今回、多分10年はあいたと思うんだけど、細かいトリック以外はほとんど覚えてた。

    初読なら本当に、衝撃と直後の答え合わせが楽しすぎる作品。だから星4なんだけど、時間開けると期待値が上がってしまうのかあんましだった。再読はしないかもだけど、表紙の赤い十角館がお気に入りなので、本棚に入れとく。

  • ミステリーの名作。それにしても実写化とは。

  • 仲悪いならお泊まりするな‼️

  • 登場人物や場所などが思ったよりも複雑で、きちんと整理せずに読み進めてしまった。そのため「衝撃の一文」の驚きが半減されてしまった。読む人には少し時間がかかってでもきちんと頭の中で整理してイメージしながら読んで貰ったほうが楽しめる作品だということをお伝えしたい。

  • やっぱり面白かったーー!!
    途中ぐらいからこの人が犯人かなーと思ってた人が犯人だったけど、「驚きの1行」でそういうことか!てなった。確かに驚く。これは実写化は絶対ムリでしょう!!!本だからできるのでは?
    huluで見た方の感想聞きたい!!

  • 期待はしていたが、結果はイマイチ。Huluでドラマをやるとのことで、もう30年も前の小説だったがなんとなく読んでみようと思つた。ミステリーと言えば、自分の中では東野圭吾だが、それと少し違うので、戸惑いもあった。次も読もうと思うが、心してかかろう。

  • 映像化不可能なトリックってどんなだろと思い購入。色々考えたものの全く予想していないオチでした。。序盤は読んでいてややダレたものの後半めちゃくちゃ引き込まれ、眠気も飛んで布団の中で読みました。個人的にはエラリイのあの鼻につく感じはかなり好きです。皆がすぐ煙草を吸い始めるところには時代を感じたし、自分もちょっと吸いたくなってしまいました。

  • 【あらすじ】
    十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する、角島(つのじま)。 1986年、“十角館”を建てた天才建築家・中村青司(なかむら・せいじ)は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。 半年後、無人島と化していた角島に、K大学ミステリ研究会の男女7人が合宿で訪れる。 その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明(かわみなみ・たかあき)のもとに【死んだはずの中村青司】から1通の手紙が届く。 <十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。 「偶然とは思えない」―。江南は調査を進めるなか、島田潔(しまだ・きよし)という男と出会い、行動を共にしていく。 一方“十角館”では、ミス研の1人が何者かに殺害される。「犯人は一体誰だ?」疑心暗鬼に陥り、互いに仲間を疑いはじめるメンバーたち…孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。 2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。

    【感想】
    衝撃の1行を読んだ時に『えっ?』っとなり、一気に色々な事がフラッシュバックしてひっくりされるのは、本当にミステリとして面白い!!
    単純といえば、単純なのかもしれないがだからそこ気付けないなーと感じ、やられた!という気持ちが悔しくも気持ちのいいスッキリ感があった!!
    実写化不可能と言われている作品で、実写はどうやるんだろうと思い、鑑賞したが、まぁシンプルゆえにこういうやり方でいいのかーと納得!
    思ったよりも登場人物の顔とかそこまでちゃんと観てないよなーと思い直しました。

  • こんなトリックがあったのか…。
    全くもって見破れず。

    エピローグを読み終わった後、プロローグを読み返しました。

    審判は下されたのだろう。

  • 騙されないように気を張っていても騙される

  • 海外ミステリに全然詳しくないのでエラリイもカーも初耳だった。
    小説だからこそのトリックが面白かった。名前が本名ではなくあだ名であるのも先入観に引っ張られていたことに気がつく。
    殺しの動機は不十分とは思わないけど、もう少し犯人の孤独やその慰めについて知りたかった。なんというか、復讐を捧げた相手を神格化し過ぎてないか?それでいて姿が見えなくなったから自白(みたいなもの)するのは、もったいないなぁと思った。犯人に肩入れするわけではないけど。
    ふと思ったけど、探偵が解決できず犯人が勝つ、または犯人の逃亡を許すミステリーってあるんだろうか。

  • 実写化が決まったというネットニュースを目にして興味がわき、読みました。
    時は1986年。携帯電話が世に出ていない頃のミステリーです。
    大学のミステリ研究会のメンバー7人が無人島を訪れ、風変わりな十角形の館で過ごします。
    ミステリ研のメンバーが島に来る半年前、十角館の北側にあった青屋敷が炎上して全焼。
    十角館と青屋敷を建築した男とその妻、使用人夫婦の合計4人の死体が焼け跡から発見されるという事件がありました。
    その事件は「謎の四重殺人」と報道され、真相はわかっていません。
    ミステリ研のメンバーが島を訪れるタイミングで新たに次の事件も幕を開けます。
    本土でも探偵が登場し、島と本土で本格推理が繰り広げられ、謎解きに参加するような気持ちで読み進めました。
    文庫本の解説にもあるのですが、この作品は「孤島もの」「吹雪の山荘もの」と呼ばれるジャンルにあてはまります。
    伝統的な型があるわけですから、作者は他の作品と違いをつけるために誰もが思いつかないような独自のトリックを考え出さなければなりません。
    事件の真相が見えた一瞬が意外すぎて、最初、うかつにも重大な一行を読み飛ばしてしまいました。
    「あれ? 今、すごいこと書いてなかった?」と思考を戻し、ページも前に戻し、一歩遅れて大変驚きました。
    読後、興奮冷めやらぬままhuluで実写版を見て、よく映像化したなぁ、頑張ったなぁと感心しました。
    原作もドラマもどちらも面白かったです。

  • すっごく面白かったです!
    「衝撃の一文」は本当に衝撃でした。思わず「え、?」と声に出るほどです。小説の可能性に魅せられました。
    もう何書いてもネタバレなので何も言えない…ギリギリを攻めて書くと、ミステリーって膠着状態が続くと飽きてしまうことも多いのですが、この本は島と本土に分かれて話が展開するので全く飽きませんでした!むしろ続きが気になってページをめくる手が止まらなかった!
    これは映像化できないのでは、?と思うけどするんですよね…気になる…
    素晴らしい作品に出会ってしまった( ; ; )♡館シリーズ全部読みたいなと思いました。

  • 衝撃!!!!!!
    本を読んでて久しぶりに「えっ」って声が出た。
    館シリーズ全部読みたくなった。

  • 25年以上前に旧版で既読。ネタはほとんど覚えておらず、今回も初読同様の驚きを得ることができた。特段、賞を受賞したわけでもないデビュー作である本書が、世に出たこと自体すごいことだと思うし、その後の新本格の流れを見ると、先頭バッターである本書の功績は大きい。大ネタにはもちろん驚くけれど、エピローグでの話の閉じ方も当時、新しかったんじゃないかなと想像する。この作品がどんなふうに実写映像化されたのかはとても興味がある。

  • ストーリーの先が知りたくて、一気に読み終えた。
    ミステリー小説は久々に読み、この小説家の本は初めて読んだが飽きずに読めた。
    物語の設定や展開が面白かったし、最後の最後まで犯人が分からず、知った時には「え?」と思わず口にしてしまった。

  • 例の1行

  • 新本格ムーブメントの聖典的作品。叙述トリックが巧みで読みやすかった。別府が舞台の一つなのがいいな。なかなかグロテクスでもあり暗澹たる気持ちにもなった。

  • ・“映像化不可”な作品が実写化
    ・あの1行を読むだけで全てがひっくり返る

    この2つが気になって気づいたら手に取っていた。

    初めは登場人物のあだ名がカタカナで誰が誰かよく分からなくて少し挫折しかけた。正直このあだ名意味あるのかな、、ってね。だけど最後まで読んで分かったけど、このあだ名もトリックの一つだった。

    “あの1行”を読んで実際鳥肌立ったし、びっくりして一瞬時が止まった。
    本当にどうやって映像化するの?!

  • うーん、有名な作品みたいだけど、全然好みではなかった。有り得なさすぎて、アニメみたいだったなあ。人が死んでいくのが軽い感じでリアリティなくて。連続殺人企てるわりに、犯人の動機がひしひし伝わってくるような文章もなかったし…誰にも感情移入できないし、入り込めなかったなあ。残念。
    なにがそんなに高評価されてるの?ってくらい…。そうか、35年前?の本か。私は違う本で似たような感じの流れを知ってしまってて。なんかこれは古い感じがして。全体の文体も特に魅力的な言い回しとかないし…ここの場面のこの言い回しがすごいすき!とか、どの本にもあるけど、今回は全然なかったー…展開も別にどうってことなかったー…ヴァン?があだ名だって言ったところが、1番の衝撃ポイントねぇ…はあ…はいい…こういうのがミステリなの?本vs読者って感じがもりもりで苦手だなあ。もっと私はただただ世界観に引きこまれたい。

  • あの一行を読んだ時思わず「えっ」って声が出た。
    あと、まさか映像化されるとは。

  • 衝撃の一行に「えっどういうこと?」と混乱しながらも、最後まで読んだ時には、「やられた〜」と感じた。とても読みやすくすぐに面白いと感じることが出来た。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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