猫にかまけて (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 926
レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758956

作品紹介・あらすじ

気位が高く威厳に満ちたココア、犬の血が混じっているのではないかと思うほど人懐っこいゲンゾー、遊び好きで無邪気なヘッケ、並外れて気の強い奈奈-縁あって共に暮らした、ちょっと面白い奴ら。手を焼かされ、言い負かされ、それでもいつも一緒にいた。写真と文章で綴った、猫たちとのいとおしい日々。

感想・レビュー・書評

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  • もうこんなこと言うのいい加減厭なんだが(とは言えまだ2回め)
    解説が糞。
    文庫本はたまにこういう要らんおまけがついてくるから困る。

    単行本持ってるから買うか悩んだけど、
    写真がちょっと増えてるので、
    解説を破り捨てる心意気のある方はこっちを買えばお得だと思います。

    内容に全く触れてないけど、
    とにかく町田康はいいって、それだけですよ。
    あんまり動物がどうとか生命がどうとか言うのは、
    わたしは好きじゃないんでマチダ先生に任せます。

  •  猫にまつわるエッセー。
     いつもの町田節を交えて展開する擬人化された猫との会話はそれなりに面白い。
     ただ、最も印象的で、作品の大半を占めるのは、わずか14ヵ月で亡くなったヘッケと、二十二歳、人間の年齢に換算すると百歳は優に超え大往生したココアの話である。
     そこにはいつもの町田節はない。
     自責の念に駆られる一人の男の懺悔の記録。
     そんな印象を受けた。

  • ヘッケさん可愛い

  • 自称パンク作家の飼い猫は主と普通に会話するらしい。はは、あほちゃうか。おもろ。と普通は嗤ってしまうところだが、あの妖怪めいた著者の存在感を思えばさもありなんとしばし黙考。相変わらず文章は抜群のグルーヴ感で思弁に思弁が転がり続ける面白さに溢れてるのだが、猫への愛情と喪失に直面した時、普段は見せない愚直さが顔を出している。対象へまっすぐと届けようとする、恥も外聞もない剥き出しの優しさ。それは主従関係ではなく1体の生物として猫と向き合っている姿勢から生まれてくる。やはりいつだって町田康は最高なのである。ずるい。

  • 町田さんの愛猫エッセイ。
    ただ単に「うちの猫かわいい!」なエピソードだけでなく、
    動物と一緒に生活する上で引き受けなければならない
    めんどうくさい事・つらい事もひっくるめて書いている所が
    誠実でとても好感が持てる。

    ヘッケの話はうすうす結末が分かりながらも一気に読んでしまった。

  • 動物と一緒に暮らすのは良いものだなーとほんとに思います。
    町田さんと4頭の猫たちの生活、最後までを綴った本。
    動物を家族として最後まで看取った事がある方は涙を流さずにはいられないと思います。
    私も一緒に暮らしていた子達の最後を思い出して辛くなりました。
    なので、電車など外で読むのはオススメしません。


    この本を読んで思ったのは死を間近にした者にしてやれる事は本当に僅かだということ。自分が余りにも無力だと思い知らされること。言葉が分かりあえない関係だからこそ、「もっと出来る事があったんじゃないか」と後悔と疑問が残り正解なんて見えないこと。

    町田さんも書いてますが、ひとつの命が燃え尽きても当たり前に朝がきて、夜がきて、自分は仕事に行き、何かを口にしなければいけません。
    日常は待ってくれない。それが辛い。

    なんだかすごい暗い内容になってしまった。
    つい、一緒に暮らしていた子達の事を思い出してしまって‥すいません。

  • ・・・同タイトル単行本の文庫化・・・

    パンク歌手にして作家・町田康さんのエッセイ。
    個性豊かすぎる4頭の猫たちに翻弄される町田さんの日常です。
    ゲンゾーの犬疑惑、猿疑惑のくだりは爆笑。
    齢20歳の古参猫・ココア姐さんが良い味だしてます。
    他にも、儚げな拾い猫・ヘッケや、
    神仏にすら喧嘩を売る気の強いお嬢・奈奈が登場します。

    共に暮らした猫たちを看取る場面は辛いですが、
    楽しいだけでない、猫と生きる日々が丁寧に描かれている素晴らしい作品です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「看取る場面は辛い」
      一緒に過ごさせて貰った、人間の役目・務めとは言え、辛いよね。でも、それを忘れる許されない人間が多いコトも確か。。。反省...
      「看取る場面は辛い」
      一緒に過ごさせて貰った、人間の役目・務めとは言え、辛いよね。でも、それを忘れる許されない人間が多いコトも確か。。。反省しなきゃ、、、
      2013/01/04
  • この本の恐ろしいところは、「町田さんはほんとうに猫さんが好きなのねー文体から町田さんの猫さんへの愛が伝わってくるわー」などと余裕ぶっこいていると、実は猫を愛していたのは他でもない己だったのだ、ということを思い知らされる点です。

    町田さんの文章は相変わらずレロレロと楽しく、私にはそれがわかりよいわけですが、その猫への愛でもって書かれた文章を読みながら猫の姿・仕草・態度を明瞭に、あまりに鮮やかに思い浮かべているのは、これまた己自身の猫への愛なのです。
    結果、私は自分で思う以上に猫を愛していたことを思い知らされ、町田さん宅の猫が亡くなるような時の描写さえ容赦なく、私を刺すのです。

    わざわさこんなものを読んで、猫を愛でたり可愛そがるようなことは悪趣味と言われるかもしれませんが、オススメしておきますね
    猫だぁい好きん!

  • ぐいぐい引き込まれて一気に読んだ。
    ヘッケとココアの闘病のところは涙なくしては読めないくらい。

  • ナナに、「字を書くなんて馬鹿なことをしてすみません」と謝ったら、ナナは「こんなことは二度としてはいないよ」と言いながら廊下の方へ去っていった。(p221)

    ――ああ、去ってゆくナナの、得意げにぴんと立てた尻尾と可愛いお尻がぷりぷり揺れている、その後姿が目に見えるようだ。
    人間でいうと百歳を超えている気位高い錆猫ココア。若いころは悪逆を尽くしたがすっかり落ち着いた貫禄十分の男、雉虎のゲンゾー。遊び好きで無邪気な、けれど14か月しか生きられなかったヘッケ。そのヘッケの生まれ変わりなのか? ヘッケにそっくり、でも、元気いっぱい神仏すら畏れぬナナ。
    町田さんちの猫たちは町田さんが通常の人間に比して少しくファンシーであるのと同程度にファンシーだという。
    「あなたいったい何のために生きてるの? わたしを腹の上に乗せるためでしょ?」と町田さんに町田さんの存在意義を教え込み、町田さんのお宅の中を楽しくクールランニングし、もっとおいしいご飯をよこせと要求し、雨が降れば「止ませなさい」と無理を言う。「かしこいな」と町田さんが頭を撫でようとすれば「なにがかしこいじゃ、ぼけ」と言って殴ってくる。
    ファンシーすぎる4頭の猫たちはよくしゃべりよく食べてよく遊び、自由に、思うがままに猫生を謳歌する。町田さんは日々彼/彼女たちに気を使い、説教を食らい、使いッ走り、日常的にすったもんだが繰り広げられる。

    町田さんならではの観察力、洞察力、そして愛情深い筆遣いで描かれる、飄々とした日々とその内にある小さな命への思慕。
    猫たちに翻弄される町田さんの面白おかしい様子にゲラゲラ笑いながら読んでいると、不意に、ドバっと涙が溢れる瞬間がある。きっと猫と一緒に暮らしているひと、暮らしていたことがある人ならわかる、感情のゆらぎに襲われる。
    大切だから、猫の様子に一喜一憂する人間たち。たとえ何があっても、泰然と受け入れる猫たち。彼等との日々を大切に、彼女たちの命を慈しみ、後悔のないよう生きなければと考える。そんな機会を与えてくれる、猫エッセイ。

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著者プロフィール

1962年生まれ、大阪府堺市出身。バンド「INU」のボーカリストとして活動する一方、俳優、詩人としても活躍。1996年「くっすん大黒」で小説家デビューし、第7回bunkamuraドゥマゴ文学賞、第19回野間文芸新人賞を同時受賞。2000年「きれぎれ」で第123回芥川賞を受賞以降は、作家としての活動にほぼ専心している。
その他受賞歴として、2001年『土間の四十八滝』で第9回萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で第28回川端康成文学賞、2005年に『告白』で第41回谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で第61回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
上記文芸作が代表作として評価を得る一方、映画化された『パンク侍、斬られて候』など、メディア化作品が多い。エッセイストとしても定評があり、『猫にかまけて』『スピンク日記』などが人気。

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