猫にかまけて (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1271
感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758956

作品紹介・あらすじ

気位が高く威厳に満ちたココア、犬の血が混じっているのではないかと思うほど人懐っこいゲンゾー、遊び好きで無邪気なヘッケ、並外れて気の強い奈奈-縁あって共に暮らした、ちょっと面白い奴ら。手を焼かされ、言い負かされ、それでもいつも一緒にいた。写真と文章で綴った、猫たちとのいとおしい日々。

感想・レビュー・書評

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  • 著者と4匹の猫との暮らし。
    そのうち2匹は看取るところまで書いてあって、自分の猫の将来を思い、たまらない気持ちにもなった。
    要求の多いうちの猫にも、今出来る限り応えようと思った。

  • 猫との出会い、一緒に過ごした泣き笑いの日々。「気の抜けない仕事をしてて、その他にも様々な問題があちこちで起きており、へとへとであったがそんなことは別にどうでもよいことだと思った。」これに尽きると思います。
    自身も同じく、たくさんの喜びと悲しみ、命の尊さ、気持ちに寄り添ってくれた人、全て猫が教えてくれた大切なこと。

  • 最初は取っ付き難い文章に思えるけど、町田康節がどんどんクセになってくる。「ちょらちょらと歩く」等の独特な言い回しが大好き。

    猫たちに翻弄される町田さんの泣き笑いの日々に、思わず「はは、おもろ」と笑ってしまう。
    間に挟まれている写真がまた、良いなぁ。猫達がとても幸せそう。
    ヘッケの章は、一緒に暮らしていた先代猫の事を思い出し、悲しくなった。
    町田さんはそうは思わないと言うけれど、たとえ少しの期間だとしても、ヘッケは町田さんと奥さんの元で過ごし、愛情を浴びることが出来て幸せだったんじゃないかと思う。
    町田さんの猫愛に暖かい気持ちになる一冊。
    猫様との時間をもっと大事にしたくなった。

  • もうこんなこと言うのいい加減厭なんだが(とは言えまだ2回め)
    解説が糞。
    文庫本はたまにこういう要らんおまけがついてくるから困る。

    単行本持ってるから買うか悩んだけど、
    写真がちょっと増えてるので、
    解説を破り捨てる心意気のある方はこっちを買えばお得だと思います。

    内容に全く触れてないけど、
    とにかく町田康はいいって、それだけですよ。
    あんまり動物がどうとか生命がどうとか言うのは、
    わたしは好きじゃないんでマチダ先生に任せます。

  • 実家の近所には猫屋敷って呼ばれてる家があった。背の高い雑草が鬱蒼と生いしげるボロい家の周りに、野良猫が何十匹もたむろしてた。うちの婆ちゃんは汚いって言ってそこに行かせようとしないけど、友だちが猫屋敷に遊びに行こう行こうって言う。でも私はやっぱり不気味で。その頃に、猫は怖くて汚いっていうイメージを持ったんだと思う。
    しかしたまたま家にあったこの本を読んで猫に対する価値観が変わって、エンパシーのようなものが芽生えた気がする。猫のことはもう怖いとも汚いとも思わないけど、猫屋敷は今どうなってるのだろうか

  • ヘッケさん可愛い

  • 自称パンク作家の飼い猫は主と普通に会話するらしい。はは、あほちゃうか。おもろ。と普通は嗤ってしまうところだが、あの妖怪めいた著者の存在感を思えばさもありなんとしばし黙考。相変わらず文章は抜群のグルーヴ感で思弁に思弁が転がり続ける面白さに溢れてるのだが、猫への愛情と喪失に直面した時、普段は見せない愚直さが顔を出している。対象へまっすぐと届けようとする、恥も外聞もない剥き出しの優しさ。それは主従関係ではなく1体の生物として猫と向き合っている姿勢から生まれてくる。やはりいつだって町田康は最高なのである。ずるい。

  • 町田さんの愛猫エッセイ。
    ただ単に「うちの猫かわいい!」なエピソードだけでなく、
    動物と一緒に生活する上で引き受けなければならない
    めんどうくさい事・つらい事もひっくるめて書いている所が
    誠実でとても好感が持てる。

    ヘッケの話はうすうす結末が分かりながらも一気に読んでしまった。

  • 動物と一緒に暮らすのは良いものだなーとほんとに思います。
    町田さんと4頭の猫たちの生活、最後までを綴った本。
    動物を家族として最後まで看取った事がある方は涙を流さずにはいられないと思います。
    私も一緒に暮らしていた子達の最後を思い出して辛くなりました。
    なので、電車など外で読むのはオススメしません。


    この本を読んで思ったのは死を間近にした者にしてやれる事は本当に僅かだということ。自分が余りにも無力だと思い知らされること。言葉が分かりあえない関係だからこそ、「もっと出来る事があったんじゃないか」と後悔と疑問が残り正解なんて見えないこと。

    町田さんも書いてますが、ひとつの命が燃え尽きても当たり前に朝がきて、夜がきて、自分は仕事に行き、何かを口にしなければいけません。
    日常は待ってくれない。それが辛い。

    なんだかすごい暗い内容になってしまった。
    つい、一緒に暮らしていた子達の事を思い出してしまって‥すいません。

  • ・・・同タイトル単行本の文庫化・・・

    パンク歌手にして作家・町田康さんのエッセイ。
    個性豊かすぎる4頭の猫たちに翻弄される町田さんの日常です。
    ゲンゾーの犬疑惑、猿疑惑のくだりは爆笑。
    齢20歳の古参猫・ココア姐さんが良い味だしてます。
    他にも、儚げな拾い猫・ヘッケや、
    神仏にすら喧嘩を売る気の強いお嬢・奈奈が登場します。

    共に暮らした猫たちを看取る場面は辛いですが、
    楽しいだけでない、猫と生きる日々が丁寧に描かれている素晴らしい作品です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「看取る場面は辛い」
      一緒に過ごさせて貰った、人間の役目・務めとは言え、辛いよね。でも、それを忘れる許されない人間が多いコトも確か。。。反省...
      「看取る場面は辛い」
      一緒に過ごさせて貰った、人間の役目・務めとは言え、辛いよね。でも、それを忘れる許されない人間が多いコトも確か。。。反省しなきゃ、、、
      2013/01/04
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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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