新装版 日本歴史を点検する (講談社文庫)

  • 講談社 (2007年12月14日発売)
3.62
  • (2)
  • (15)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 99
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759168

作品紹介・あらすじ

淡白で楽天的な気質が日本人の原動力か?

青年を愛した長州、薩摩急旋回の因など、維新へ向けての諸藩の動静。勝海舟、西郷隆盛、島津斉彬、吉田松陰、大久保利通など傑物たちの人物と思想。幕府の善政、尊王攘夷と危機意識、日本人の潜在秩序、維新の二つの功績、封建の土壌の功罪等々――歴史文学の巨匠二人が博識を駆使して“日本人とは何か”を考察した快著。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 司馬遼太郎と海音寺潮五郎の歴史対談の書。
    二人が楽しみながら歴史談義をしている様子が迫ってくる。
    あとがきからも、司馬氏が海音寺氏を慕っている様子が伝わってくる。
    二人が現在も存命だったら、現在の国内政治状況をどう評するだろうというのを考えずには読むことができない。
    30年以上前の対談録だが、現在の国内情勢は劣化しているように思われてならない。

  • 海音寺潮五郎と司馬遼太郎、昭和を代表する歴史家の2人が主に幕末~明治維新の歴史から、「日本人とは何か」を語りつくす。朝鮮、中国との違い、西洋との違い。 巨匠の口から語られる子言葉の一つ一つが示唆に富んでいる。
    この2人のような巨大な歴史家が居て初めて、歴史は未来に繋がっていくんだと感じた。

  • 50年前の対談で幕末維新が話題の中心だが、学生運動との比較で語っているのが時代を感じさせる。まさに歴史とは同時代の影響を受けて解釈されるという印象を受ける。またソ連も健在なので共産主義の観点からも幕末維新が語られており、今では考えられない対談内容になっている。
    2人とも作家なので想像力豊かに「~だろう」「~に違いない」とアレコレ語っていて読み物としては面白いが、なんの根拠も証拠もないし、この対談に感心して信じちゃうのは間違いであるのは言うまでもない。

  • 18/9/23読了

  • 海音寺潮五郎 司馬遼太郎 ビック対談。幕末明治の歴史から 日本人を語る

    日本人論
    *日本人の無思想性〜思想は 時代ごとの道具
    *朝鮮より儒教の浸透度が低い→中国と陸続きの分
    *勝海舟は 朝鮮、中国と同盟して ヨーロッパの侵攻に対抗しようとした〜日韓同祖説
    *江戸時代の名君は 儒教にマキャベリズムを入れている

    明治維新
    *長州は 運動方針を全面的に変えて 薩摩と連合して 明治維新が成功した
    *明治維新は 先進文明国から滅ぼされる危機感から起こった→日本も文明国になれば 危機回避できる
    *明治維新の効果は 日本が統一国家になったこと、廃藩置県により市民社会になったこと

    「勘で本質を掴む」西郷隆盛、坂本龍馬

    日本人のバランス感覚〜二者併立によって 安定を感じる

  • 40年も前の対談とは思えないぐらい、現在問題となっていることが、その根本からの解明の糸口が示されている。
    海音寺潮五郎の小説はいつも好きで読んでいるが、そう思えるのは基底の思想に共感できるところが多いからなのだろう。

  • 対談の時期は今から40年も前で、学生運動の話題にも触れられたりするが、言ってることは古いといった感じはなく楽しめた。「言語感覚の特殊性」がおもしろかった。12.2.20

  • 勝海舟の方が坂本竜馬よりも遥かに洋学に詳しかった。
    日本の大学は欧米から取り入れたものばっかり。もっと日本にあった大学の創設というのがあってもよいはずだ。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

(かいおんじ・ちょうごろう)1901~1977。鹿児島県生まれ。國學院大學卒業後に中学校教諭となるが、1929年に「サンデー毎日」の懸賞小説に応募した「うたかた草紙」が入選、1932年にも「風雲」が入選したことで専業作家となる。1936年「天正女合戦」と「武道伝来記」で直木賞を受賞。戦後は『海と風と虹と』、『天と地と』といった歴史小説と並行して、丹念な史料調査で歴史の真実に迫る史伝の復権にも力を入れ、連作集『武将列伝』、『列藩騒動録』などを発表している。晩年は郷土の英雄の生涯をまとめる大長編史伝『西郷隆盛』に取り組むが、その死で未完となった。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

海音寺潮五郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×