- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062759335
作品紹介・あらすじ
栗本薫は22歳、某マンモス私大の3年生。アルバイト先のTV局内で発生した女子高生連続殺人事件を、ロック・バンド仲間の信とヤスヒコと解決しようと挑む――。当時の若者たちの感覚や思考を背景に、凝った構成と若々しい文体によって、シラケ世代とミーハー族の心の断面をえぐった江戸川乱歩賞受賞作。(講談社文庫)
1978年第24回江戸川乱歩賞受賞作品!栗本薫は某マンモス私大の3年生。バイト先のKTV局内で発生した女子高生連続殺人事件を、ロック・バンド仲間の信とヤスヒコとで解決しようとするのだが……
感想・レビュー・書評
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古いからしゃーないんだけど、
言葉遣いが最後まで読みづらかった。
冗長だし、物語りはあまり展開がない。
また、オチは予想できなかったけど、
そもそもの理由もクソみたいな話で誰にも共感できない。
主人公たちも最後の最後まで好きになれなかった。
出てくる70年代の曲だけが最高。
めーーーーーっちゃ眠くなったし、
読んでる時に何回も落ちたけど、
なんとか読み切ったぁ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これもやはり中学時代に読んだ記憶が。
栗本薫作品はグインサーガが入口だったので、ファンタジー作家がミステリーも書けるなんて、器用な人だな、なんて生意気な感想を抱きながら読みました(笑)
推理小説もよく読みましたが、ミステリーマニアを自負するところまでは到っていないので、この作品がミステリーとしてどのような完成度(つまり謎と、それを解く為の鍵の配置、そしてトリックの着想や実現性)なのか、判断はつきません。
でも、物語としては(俺の判断基準は常にそこにあります)秀逸だと思います。
ミステリーの括りではあるけれど、これはジュヴナイル小説だと思います。
思春期の葛藤そのものが書きたかったんじゃないかな。
ぼくらシリーズは、そんな甘酸っぱさに満ちた作品です。 -
主人公たちもあい光彦の風貌や設定は時代が違っていて、どうにも想像がつかない。しかし世代間の対立や、大人に振り回される子供たちの訴えという軸には大いに共感出来る。視点がころころかわってしまうために感情移入しがたいが、それこそが狙いだったのだと納得もする。
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何とも懐かしい、というのが正直な感想であった。ここで描かれている風俗は、作品が書かれた当時はリアルタイムの現実だったと思うのだが、今となってはまさに時代劇である。テレビ局を主な舞台にしているけれど、あ、これはあの番組かな、なんていちいち思い当たる。登場人物のファッションも、雰囲気も。レコードが(CDでなく)モチーフのひとつになっているあたり、今の若い人が読もうとしたら、脚注が必要になるのではないだろうか。
しかし、登場人物、特に主人公の3人の思考パターンはまったく違和感のないものだった。作品中では世代の違いや対立がいろんな形で現れてくるし、それがその作品の多分中心なのだと思う。そしてこれはミステリの形を借りた、ひとつの世代の「存在宣言」のようなものなのだと思う。そしておそらく僕は、その世代のしっぽなのだろう。
今の大学生たちは、大人に対してどんな感覚を持っているのだろうか。この物語に登場する3人の大学生の思考や感覚に、共感することができるのだろうか。とても気になる。 -
超人気アイドルのファンの女の子が、番組収録中のスタジオで謎の死を遂げる。アルバイトで現場にいた大学生の‘ぼくら’、薫、信、ヤスは、自慢の頭脳を使って事件を追いはじめる…
栗本薫の小説デビュー作。同名の作中人物が、自分が遭遇した事件の記録を綴るという形で始まるこの小説、‘革命児’らしい著者の挑戦が感じられて、興味深い。探偵役だったはずの彼らが、物語の最後に立つ場所は…鏡の迷宮を歩くような、めくるめくミステリー体験。かなりユニークな作品。
男子が髪伸ばして、ロックだかなんだか騒がしい音楽やって、まるで自分だけで生まれてきたような顔して、口ばっかり達者で…1960~70年代に青春期を迎えた人たちは、戦争を身近に体験した大人たちから、こんな呪詛をあたりまえのように聞かされたんだろう。そんな時代の匂いが、むっとするほど感じられる、そんな‘ぼくらの時代’。
自分が‘ぼくら’の年頃だった時期(ちょうどこの本を最初に読んだ時期)は、作品の時代から10数年は過ぎていて、そういう意味では少々古い印象を受けたけれど、いつの時代も「今時のわかいもんは…」という言葉を聞かされることに変わりなく、当時の自分も、そんなセリフばかり吐く大人たちをうっとうしく感じて、`ぼくら‘にリアルな親近感をもっていた、そんな気がする。
自分も微妙な齢になった今、読み返して思うのは、大人たちの気持ちの複雑さだ。「今時のわかいもんは」には、諦めてしまった夢、捨ててしまった憧れ、後悔、焦燥…そんな想いが練りこまれている、そんな風に見えてきた。大人たちの言葉を、ただ「うるさい」と感じて、聞き流すことしかできなかったけれど、その時の大人たちが若者だった時の話を、時々は聞いてみてもよかったなと、今更にして思ったりして。 -
軽めの推理小説として、また80年代若者文化(シラケ、ヒッピー、歌番組)を映しだした物語としての側面とともに、アイドルに傾倒する少女たちの心理(を主人公の青年が代弁したセリフ)が印象に残った。「推し活」が話題になることも増えてきている現在、読んでみると発見があるかも。
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図書館で。
栗本薫のミステリ…というか現代ものはどうやら合わなそうだな… もうやめておこう…
というわけで80年代の無気力・何考えてんだかワカンネー系若者の象徴が長髪だったんだなぁ…と悟った感じです。そしてそんな彼らもきっと今頃は中年のイイおじさんになっていて「近頃の若いもんは」とか「俺たちの頃の方がまだマシだった」なんて言いあってるんだろうな。歴史は繰り返す。
それにしてもロックバンドで「ポーの一族」って。それだけでちょっと笑っちゃうんですがどうなんでしょうか。ポーの一族だったらゴスロリ系とかじゃないのか?メタルとかもしくはクラシック寄りのテクノとか。外見にもこだわっていて、化粧とかして、衣装にも凝ってる感じの!ジーパンにTシャツで伸ばしただけの長髪がそんなバンド名にしたらファンに怒られないのか?ダメだろ~それは~(笑)どうせ少女漫画で付けるなら…なんだろ…ホット・ロード辺りが合うような?…でも暴走族は違うか。サジタリウスぐらいでいいんじゃないのか?(少女漫画じゃないか)
謎解き辺りはふぅん、という感じで読み終わりました。昔のテレビ番組ってあんな感じだったんだなぁ~ ドラムの子の殺人はとばっちり感があって可哀想な限りですが大人はわかってくれないから俺たちが…といきがってる辺りで彼らも大人を軽視したんだから手痛すぎるしっぺ返しを受けた、という事なのかも。
それにしても一番の被害者は歌手の彼なんじゃなかろうか。目の前で少女が死んでいくのを見てる訳だし。 -
頻出するサブカルチャーや固有名詞は古過ぎますが、時代背景が分かるのでこれはこれで良いかなと思いました。ただ、登場人物たちの語り口調やノリは好ましいものではなく、感情移入できませんでした。
前半の事件の真相は意外ではありましたが、あまり正々堂々とした答えではなかったので、やや期待外れでしたし、後半の密室も予定調和で、本格推理小説としてはイマイチかなと思いました。 -
あるTV局で起こったあるアイドルのまわりで起きた連続殺人事件のお話です。
この話を支えてるのは、昔かたぎの警察といまどきのロックな奴ら。
付属の赤川次郎と栗本さんの対談にもあったけど、
昔の大江健三郎の時代だったら『われらの時代』だったのに、これは30年前に出版された当時は『ぼくらの時代』にタイトルが変わった。
たぶん、30年後の今、こういう推理小説を書いたら『ウチらの時代』になるのかな~?
なーんて考えたりしちゃう。。。
この30年前から援助交際なんてあったんだぁ~。
でもその当時は何千円の単位だったんだな~とかリアルに思ったりして。。。
話自体は古くないよね~。っていうか今でも全然変わってない。
そんな社会を背景に書いてあるとこがちょっと悲しかったりする。。。
結末は、ちょっと意外な展開でビックリしたけど、まぁ普通の推理小説だったかな。。。?
栗本さんは、中島梓で文壇デビューしたんだけど、この本の主人公がこの本の書き手で栗本薫ってんで、それから栗本薫と中島梓と使い分けていろいろマルチに活躍しなさった偉い人だったのね~。