新装版 猿丸幻視行 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 290
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759359

作品紹介・あらすじ

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき――百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸大夫が詠んだ歌に秘められた謎。そして“いろは歌”に隠された1000年の暗号とは? 友人の不可解な死に遭遇した、後の民俗学の巨人・折口信夫の若き日の推理が、歴史の深い闇をあぶりだす。江戸川乱歩賞受賞の永遠の傑作! (講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • 第26回江戸川乱歩賞受賞作品。
    導入部のタイムスリップ設定と終盤の殺人事件はメインパートのための物語の装置なのだ。(前者の理由はあとがきに書いてある)
    どれほどタイムスリップがチープなSFみたいだろうと、殺人事件がとってつけたように起ころうと、そんなのどうでもよくなるくらいメインパートが放つ歴史のロマンと暗号解読が素晴らしく面白かった。
    ジョセフィン・テイの「時の娘」が好きな人におすすめ。

  • 納得できる所と??な所が半々くらい?

    高校の古典で最初からつまづいた私には、
    説明が小難しくて理解しづらいところもあったけど、
    百人一首やいろは歌の謎はやはり心踊ります。

    後半くらいで事件が起こりますが、最初に事件ありきで
    話が展開して行く方が、入りやすい気がしました。

  • 占星術殺人事件と比較するために読む。

  • 百人一首に登場する猿丸大夫だか、その歌に隠された謎を解き明かす。特にどんでん返しはないが、あー、暗号ってそういう風に作られているのかー、とか、ちょっとした知識欲を満たしてくれる本だ。
    現代から薬を使って過去にタイムスリップする設定だが、その設定はほんとに必要な設定だったのかは?だ。

  • タイムトラベル専門書店の店長である藤岡みなみさんにお勧めしていただいた一冊。
    分野的に疎いところもあり、読書スピードは上がりませんでしたが、逆になかなか濃密な読書時間になりました。

  • 乱歩賞作品。私に合わなかったかなぁ。

  • 著者26歳のときの作品らしいが、その膨大な知識量と流麗な文体に驚いた。
    『インセプション』みたく入れ子構造になっているのだが、それが少し煩雑で余計に感じた(必要性は解説で理解したが、ほかに回避策はなかったものか)。
    物理トリックは後付け感が強く蛇足だったかなと。

  • 『邪馬台国の秘密』や『時の娘』の系統のいわゆる歴史ミステリーです。猿丸太夫=柿本人麻呂説をベースに展開する物語。この手の史実研究踏まえた創作作品大好きなので面白かった。
    主人公の片割れに若き日の折口信夫を持ってきたところが面白い。前半のいろは歌に含まれた諸々の考察から暗号解読までの盛り上がり、後半は歴史書の記載にまつわる考察と盛り沢山で満足。

  • 柿本人麿と猿丸太夫を同一人物とする、梅原猛の説を題材にした歴史ミステリ小説です。

    主人公の香坂明は、民俗学を専攻している大学院生です。彼の書いた「碩学折口信夫の足跡」という論文に関心を持った製薬会社の研究員がやってくるところから、物語は始まります。

    好きな夢を見られる薬を開発していた製薬会社の研究員・泉田卓司は、過去の人間の意識に同化するR試薬を開発します。薬のモニターを探していた彼は、明ならば高い確率で民俗学者・折口信夫の意識に同化することができると考え、彼にモニターになってくれないかと依頼します。じつは明は、猿丸太夫の子孫であり、猿丸一族に伝わる暗号「猿丸額」を説くことを夢見ていました。彼はかねてから、優れた直観力を持つ折口信夫ならば、この謎を解くことができるのではないかと考えており、R試薬のモニターとなって折口信夫の意識に入り込むことになります。

    こうして、物語の舞台は折口信夫の謎解きへと移ります。友人で猿丸宗家の息子である柿本英作から「猿丸額」の謎を教えられた信夫は、優れた頭脳で謎を解き明かしていきます。しかし、あと一歩のところで解決が得られず、やがて彼を残して柿本は地元の猿丸の里へと帰っていきます。その後しばらくして、柿本の妹の悦子とともに、猿丸太夫を祀る祭を見ることになった信夫は、柿本が首を吊って死んでしまうという事件に遭遇します。その死に方は、2年前に柿本の父が死んだのと同じ手口でした。

    薬によって過去の「幻視」体験が得られるというSF的な設定が、優れた直観力で古代を「幻視」する折口信夫の眼差しに重ね合わされていて、おもしろく読みました。また「解説」にもあるように、折口自身が猿丸の里によそからやってきた「まれびと」となり、「異人殺し」の事件に巻き込まれるという仕掛けも見事です。

  • おそらく初めて読むジャンルであろう歴史ミステリー?作品。
    折口信夫という名前は初めて聞いたが、柿本人麻呂はもちろん、宇合など少しマニアックな知識も日本史で学んだことを思い出して、物語とは別のところで楽しめた。また肝心の謎解き部分でも、歌の意味やそれにまつわるしがらみなどを紐解いていく過程おいて、歌人の技術がどれほど優れているかを味わうことができた。
    ただ、薬を飲んでタイムスリップをするという要素が必要だったのかは少し疑問に思った。単に初めから折口信夫が主人公の物語にしてもよかったのではないだろうか。

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著者プロフィール

作家

「2021年 『学校では教えてくれない江戸・幕末史の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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