新装版 猿丸幻視行 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759359

作品紹介・あらすじ

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき――百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸大夫が詠んだ歌に秘められた謎。そして“いろは歌”に隠された1000年の暗号とは? 友人の不可解な死に遭遇した、後の民俗学の巨人・折口信夫の若き日の推理が、歴史の深い闇をあぶりだす。江戸川乱歩賞受賞の永遠の傑作! (講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • いろは歌の奥深さに驚かされました。一つの歌にいろんな意味・仕掛けを込めていた昔の歌人の頭の中を見てみたい。

  • 江戸川乱歩賞の中でも特に傑作ときいて。
    柿本人麻呂の言い伝えを解く折口信夫。古典と和歌とパズルの切り口は、正面から切り開く正統派ミステリだった。
    3分の2は信夫視点だったけど、現代から夢として信夫をトレースする主人公は不要だったのでは。
    その構図がしっくりこないので星マイナス1。

  • 古文、日本史に興味がある人は始めの百ページをちょっとレクチャーと思って我慢(^^) 読み進むと、おー!凄い世界へ。
    最後まで引き込まれてしまいました。

  • 柿本人麻呂の和歌が好きなので本書を手に取った。
    (ほとんど)折口信夫が主人公で、友達の柿本といろは歌の暗号の謎を解くのがおもしろい。和歌の文字数の制限がある上に意味も通して、さらに沓冠などの言葉遊びも入れるなんですごい。そんなジャンルがあるんですね!

    だんだん因習のある村が登場して不吉な雰囲気を出すのが上手いので、読んでいてぞくぞくした。面白いのでこの辺りから一気に読めてしまった。

    物語は折口の視点で完結しているので、なぜ主人公を折口にせず現代の香坂の視点が無理やり用意されたのか疑問だったが、解説で論説の話に触れられたので納得した。
    香坂の金沢にいる母の旧姓は猿丸で、猿丸額も引き継いでおり、折口の事も知っていたけど柿本悦子と血の繋がりがあるのかしら?本人?
    事件の真相は理解できたけど、考え方の違いでせっかくの血筋と口伝を絶やさなくてもよかったんじゃないかなあとは思った。

  • 第26回江戸川乱歩賞受賞作品。
    導入部のタイムスリップ設定と終盤の殺人事件はメインパートのための物語の装置なのだ。(前者の理由はあとがきに書いてある)
    どれほどタイムスリップがチープなSFみたいだろうと、殺人事件がとってつけたように起ころうと、そんなのどうでもよくなるくらいメインパートが放つ歴史のロマンと暗号解読が素晴らしく面白かった。
    ジョセフィン・テイの「時の娘」が好きな人におすすめ。

  • 納得できる所と??な所が半々くらい?

    高校の古典で最初からつまづいた私には、
    説明が小難しくて理解しづらいところもあったけど、
    百人一首やいろは歌の謎はやはり心踊ります。

    後半くらいで事件が起こりますが、最初に事件ありきで
    話が展開して行く方が、入りやすい気がしました。

  • 占星術殺人事件と比較するために読む。

  • 百人一首に登場する猿丸大夫だか、その歌に隠された謎を解き明かす。特にどんでん返しはないが、あー、暗号ってそういう風に作られているのかー、とか、ちょっとした知識欲を満たしてくれる本だ。
    現代から薬を使って過去にタイムスリップする設定だが、その設定はほんとに必要な設定だったのかは?だ。

  • タイムトラベル専門書店の店長である藤岡みなみさんにお勧めしていただいた一冊。
    分野的に疎いところもあり、読書スピードは上がりませんでしたが、逆になかなか濃密な読書時間になりました。

  • 乱歩賞作品。私に合わなかったかなぁ。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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