東大オタク学講座 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.56
  • (12)
  • (12)
  • (25)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 166
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759380

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前半「光のオタク編」は、面白く、勉強になった。後半「闇のオタク編」は理解できなかった。途中で挫折した(ゴミ漁りのあたりで)。たまたま人脈があって呼べただけの人々を含め、強引にオタクに含めているのではないかと思う。

  • ここでとりあげられているのは昨今の狭義のおたくではなく、広義のおたく。
    大学でこのような講座があったら間違いなく休まず出席。

  • 講演のネタは面白いが、中身はない。

  •  実に楽しい講義録。といいつつ、アニメ関係はほとんどどうでもいいことばっかだが、ま、それはそれで。模型やラジコン、鉄道関係を次は取り入れていただきたい(自分で自由に追求すればいいだけだが、第3者にそれっぽくまとめてもらい、理論?づけしてもらうと妙に安心する場合があるので・・)

  • 1996年から97年にかけて、著者が東京大学でおこなった「オタク文化論」講義から13講をまとめたものです。

    第1講では、ゲームを例にオタク的な批評眼について解説しています。著者が取り上げるオタク的な批評眼は、(1) 作者の意図や作品の意味を見通す「粋の眼」、(2) ハードウェア、ソフトウェアの双方からテクノロジーを批評する「匠の眼」、(3) 社会的・歴史的観点からゲームの位置づけを捉える「通の眼」の3つの「眼」によって成り立っています。

    第2講では、アニメーションの作画やエフェクトなど、オタク的な作品鑑賞のポイントが解説されます。また第4講では、当時の海外における日本のコミックの受容状況などが説明されています。

    第6講はオカルト概論です。一般的な「オタク」のイメージと少し違うような気もするのですが、これがテーマに選ばれたのは単に著者が「と学会」のメンバーだからというだけでないように思います。超常現象を信じるのでもバカバカしいと退けるのでもなく、おもしろがるというスタンスが、オタク的な享受の仕方の実例として取り上げられているのではないでしょうか。

    他の講義では、ロト(氷川竜介)、フレデリック・ショット、皆神龍太郎、志水一夫、村上隆、村崎百郎、青木光恵、兵藤二十八、唐沢俊一、小林よしのりという多彩なゲストが登場します。著者は「文庫版・あとがき」で、「萌え」を中心とする快楽原則や、マーケティングされたオタク商品のみに反応する「消費者型オタク」ではなく、異端の教養人としてのオタクを取り上げ、東京大学を頂点とする「正統派教養」ではなく、「もう一つの知のピラミッド」を提示したと語っています。本書に登場するゲストたちは、いわゆる「オタク」には入らない人も多いが、まさにもう一つの知の頂点を極めた人たちです。なお、こうした「もう一つの知」としてのオタク理解は、哲学や思想を駆使してサブカルチャーにおけるさまざまなギミックを解釈する東浩紀や、広く社会状況や文化状況の中で「おたく」のあり方を論じる大塚英志とは異なる、著者独自のものだと言えるように思います。

  • 【単行本 1997年 有り】

  • 筆者が東大で行った講座を書籍化したものです『光のオタク編』と『闇のオタク編』の二部構成であり、その徹底してディープな内容と、筆者に負けず劣らず『濃い』ゲスト達とのトークバトルは本当に必見です。

    『オタキング』の異名を持つ筆者が1996年から97年にかけて東京大学で行った伝説の講義である『オタク文化論』の書籍化です。ある意味では「東大オタク白熱教室」とでも言い換えたほうが良いのかもしれません。筆者はその後「オタクは死んだ」といい、現在ではここまでディープな世界は存在しないのだそうです。しかし、ここに展開された授業内容は立派な評論であり、『智』というものに対してどこまでも誠実であろうとする筆者及びゲスト。さらには授業を聞いている東大生の中に存在すると、これを読みながらそんなことを考えてしまいました。

    内容は『光のオタク編』と『闇のオタク編』の二部構成で、物事の表と裏、もしくは光と闇の部分を知ってこそ『真のオタク(そういうものが存在するのかどうかは別として)』なのかなと、もうすでになくなったものへのある種『郷愁』あるいは『挽歌』のような気持ちすら抱いてしまったことをここに告白します。

    僕はゲームをほとんどやらないのでゲームを取り巻く当時の環境のことは『ふうん。そういうものだったんだ』という程度の理解しかありませんでしたが、筆者の真骨頂であるアニメやマンガスーパーヒーローや科学にオカルトというのは読みながら『オオッ!』というある種の「畏敬」に似たような感情が沸き起こってしまいました。

    しかし、第二部の『闇のオタク編』で岡田氏の人脈を駆使して出てくるゲストの数々。その一人ひとりの持つ『濃さ』には始終圧倒されっぱなしでございました。村上隆氏の『芸術論』に始まって、今これをやると確実に『御用』となるであろう村上百郎氏の『ゴミの物語』に関する話。兵頭二十八氏による『日本核武装論』。さらには筆者と同じカテゴリー「日本オタク四天王」の一人である唐沢俊一氏による怒涛の『変態講座』。これは読んでいて正直自分も、『ドン引き』の内容でございました。そして、トリを勤めるのは我らがゴーマニズムこと、小林よしのり先生で、氏が当時かかわっていた薬害エイズ訴訟とその顛末を綴った『脱正義論』にまつわるエピソードや、「本物の愛はギャグかロマンか?」という話も本当に面白かったです。

    本書の中には今はすでに絶えて久しい、かつてのオタクが持っていた『爛熟した文化』の極北がそのままの形で残っていて、現在には貴重な資料になっているのかと思われます。

  • フォトリーディング。直後のオーバービューではイラストにビビった。前書き(オリエンテーション)では文化の闇も扱うとのことだったが、かなりディープな内容のようだ。岡田斗司夫なので興味を持ったが、或いは濃すぎる内容なのかも。以後は高速を交えて読むことに。
    当たり前だがかなりオタクな内容だった。大学の講義なので結構学究的なオタク文化論。岡田斗司夫にしてはつまらないと思った。
    20年ほどの前のこともあり、話題が古いとも思えたし、それにしては専門的すぎて、はっきり言ってついていけなかった。普通なら積ん読になる本。でも高速で読めたので、ところどころ興味のある話題もあった。飛鳥昭雄についてや、UFO、地球空洞説などは比較的楽しめた。
    読んでいて苦痛な暇つぶし以下の本だと思えたので星は二つ。

  • ちょっとリアルタイムから時間がたっているので、ネタの鮮度が落ちてます。第二弾ないかな?

  • はたして『オタク』というものは先天的な気質であるのか、それとも後付か。これはしょっちゅう考えるテーマである。自身が飽きっぽい性格であるためか、『オタク気質』ってやつは結構うらやましいもんだ、としみじみしているんだ。

    世にはたくさんの種類のオタクがいる。本書の中でいえば、ゴミ収集マニアが登場して興味深かったが、私の知ってる限りでは植物オタクやら、ダムおたくやらが存在している。彼らは何故にそれを好きになるのか。はじめは「どうせこだわりがある、と人に言っている自分が好きなだけなんだろう」と思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

    植物マニアの友人に話を聞くと、どうやら無意識のうちにどんどんのめり込んでいってしまうらしい。ついつい調べてしまう、この「なんとなくそれについて調べてしまう」というのがオタクへの近道なのだろうか。ハートに耳を傾けろ、ということなのか・・・。

    しかし、今後こういったオタク気質が世を生き抜くために必要だといわれている(気がする。。)以前は、誰とでもうまく合わせられるような人間が必要とされた。それは大きな組織が活躍していたから、というのが一つに挙げられるだろう。しかしながら、インターネットなどが台頭してきて、一人一人が自発的に何かコンテンツを持っていれば発信できるようになったこの時代、オタクが持っている知識や技術、ある種それがガラパゴスであっても、それは強いであろう。個の時代は確実に急速に進んでいる、しかし私たちはその波の前にして立ち向かう準備はできているだろうか。

    もちろん、大きな組織でもうまくやっていける自信があるならばそんな気質、必要ないのかもしれんが。しかしながら、「ナンバーワンよりオンリーワン」そんな歌が流行ったりして、学校の授業だって詰め込み型より、個々人を活かす授業が大事だと方針を転換してきている。さて、今後ますます、エンパワーされるだろう若者たちは、個と集団の間でどのような未来を描いていくのだろうか。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。通称、オタキング。1984年にアニメ制作会社ガイナックス創業、社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーに。その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を超える。現在はYouTuberとして活動し、チャンネル登録者数は90万人を超える。

「2023年 『誰も知らないジブリアニメの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡田斗司夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
唐沢 俊一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×