空の境界(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2208
感想 : 126
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  • Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759465

作品紹介・あらすじ

両儀式とその友人・黒桐幹也の前に再来する殺人鬼。忌まわしい邂逅が、式を苛む"殺人衝動"を加速させていく。式と幹也の赴く果てに、真実を告げる記憶の"境界"は開かれるのか-!?もはや伝説となった同人小説から出発し、"新伝綺"ムーブメントを打ち立てた歴史的傑作-。

感想・レビュー・書評

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  • これは凄い伝奇小説・・・と一言では言い切れない魅力が沢山詰まった小説だった。

    まずは、激しいバトル展開。式がこれでもかというぐらい躍動する様はカッコイイの一言に尽きる。

    続いてこの膨大な世界観。途中説明的になる部分もあったけど、全てがこの世界の説明というか・・・倫理・価値観・起源とか云々こそが奈須きのこ氏の言いたかったメッセージな気がする。特に荒耶宗蓮の部分とか思わず唸ってしまった。

    最後に忘れてはならないのが、これが「ボーイ・ミーツ・ガール」という超ベタなジャンルであること。要は黒桐幹也と両儀式が出会い世界に抗う荒耶宗蓮達といった敵に立ち向かっていく小説なのだ。

    中は長く感じてしまったが、下は同じ厚さとは思わせないぐらいにのめり込んでしまった。理由はわかってる。蒼崎橙子のセリフが少なかったからだ。序盤彼女が世界の説明の多くを担っていた為だが。彼女の説明は両儀式も作中で言ってるが、長くて分かりにくい。

    オカルトチックだったり幻想的な部分はただの飾りなんです。偉い人にはそれがわからないんです!

    ただこの小説、中二病好きな方じゃないと正直苦しいかも。とにかく長いから。

  • すごいわw

  • 再読。久しぶりに読んだわりにだいぶ内容は覚えていた。前に読んだ時はノベルス版だったので今回は文庫版で。伝奇小説だとか色々と呼ばれたり書かれたりしているけれど、結局のところ根幹にあるのは愛だとか恋だとかそういうものなんじゃないかな。式は回り道をしまくってようやくそれに到達できたんだと思う。

  • この作品を完全に理解、いや8割理解するにしても一回読んだだけでは足りないと思った。アニメ(式と幹也の関係に焦点を当てたテレビの編集版だけど)を観て、よくわからないという思いをずっと燻らせ続けて数年、小説を読めばもっとすっきりするのではと読んでみたが、物語の核心を突くことができないというか、本質的なところに感情移入できないというか。でもスラスラと、楽しく読ませていただきました。
    個人的に、自分の起源は何なのだろうかと思った。

  •  確かにこれはミステリの作法で描かれた伝奇小説だ。上中下に豪華にも名を連ねているミステリ作家の名を見てもそれは明らかだ。

     密室の孤島で起こる殺人事件は、物理法則というルールにのっとって行われるしかない。ルールはあらかじめ示されればならず、示されなければアンフェアと罵られる。

     そして、ミステリの作法で描かれた物語は、結局のところボーイミーツガールだった。そうか。そうなるのか。

  • 西洋の魔術や仏教的な考え方を織り交ぜ、しっかりとした世界観が出来上がっており、ついつい引き込まれた。まさかアラヤ識に繋げるとは思わなかったし、抑止力という考え方には不覚にも感銘を受けてしまった。
    個人的には猟奇的な内容が気持ち悪く、ところどころ嫌な気分にさせられる表現が多かったが、人間の存在について考えさせられ、とても面白かった。昔読んだ菊池秀行の様だった。
    この複雑な世界観に比べ、 基本的な話のストーリーはシンプルで式と幹也の二人の恋と鮮花の危険な片想いなど、若い頃の淡い恋の感覚が少し味わえた。
    しかし、最近、こういう小説を読んでも中高生の頃ほどにトキメキは大きくなく、世界にいつまでも深く入っていられず、自分がおじさんになってしまったことを思い知らされてしまう。

  • 恋愛小説だよね?
    叶わない願いへの静かな情熱を胸に抱いて生きていくことの切なさ。なんのこっちゃ。

  •  上・中に引き続き購入。
     ここまでくればこの「空の境界」の世界に引き込まれているのでは?

     とりあえず見せ場は後半の「殺人考察(後)」。
     物語の完結編となる話ですが、最後の主人公の言葉はぐっとくるものがありました。
     前半の「忘却録音」は一種の謎解きのような形で、これは少々個人的に退屈な話でした。
     奈須きのこワールドを展開させているわけですが、その作りこまれた設定だからこそ説明が長い。
     少々説明じみた話になっているので、何度か眠りかけてしまったことも・・・。

     こちらも恒例の如く映画版がありますが、やはり原作を一読。
     文字ならではの表現の仕方があるものなんだな、と思わされる作品でした。
     読んでる本は少ないものの、この作品から学ぶことは多かった。

     空の境界、読んでみてはいかがでしょうか?

  • 6章7章終章収録。物語の締め方はあまり好きな部類には入らなかったけど納得はできた。

  • 全ての伏線が回収されて終わります。
    この作品は元々視点がわかりにくく書かれていたりするので、よく考えないと内容が理解できないです。

    ただ、個人的には終わり方があまり好きではない感じでしたね。
    今までの戒めを破ってなお、会ういう結末になるというのは…

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著者プロフィール

ゲームシナリオライター・小説家。ノーツ所属。シナリオを手がけた主なゲームに『月姫』『Fate/stay night』『Fate/hollow ataraxia』など。小説作品には『空の境界』『DDD』『月の珊瑚』などがある。

「2022年 『空の境界 the Garden of sinners(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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