モロッコ水晶の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1376
レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759885

作品紹介・あらすじ

とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生!邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は…。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題作ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた"国名シリーズ"第8弾。

感想・レビュー・書評

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  • 間に挟まれた掌編「推理合戦」が良いね。表題のモロッコ水晶も、この逆説的なというか逆転のというか「ゆえに、〜である」がとても面白かった。

  • 数年ぶりの再読。この時期に再読したのに特に他意はない。四編収録されているが「助教授の身代金」は覚えていたものの他の三編は全く覚えていなかった。そういやこの「ABCキラー」で因幡丈一郎が初登場してたんだなぁとしみじみ。表題作でもある「モロッコ水晶の謎」のオチは個人的には十分あり。むしろこういう動機な方が人間くさい気がするのは私だけかしら?

  • 今度ABCキラーがドラマになると聞いて読み返そうとしたらノベルズ版を持ってたはずなのになくって。
    あらためて文庫版買った。
    久しぶりに読んだけどどれもおもしろい。
    そして解説のモロッコ水晶のところ、こんなこと書いていいの?ってなったけど、文庫版あとかきに思わせぶりなこと書いてるからいいのか。
    ただそれが正しいならそれくらいアリスが気づくはずでは?って思うけどなー。

  • 表題作がとても面白かった。
    あの親にしてこの犯人、なのかなぁとも思うし、占いを信じない火村先生だから解決出来た事件だとも思う。

    期待して読んだABCキラーがそこまで刺さらなかったのだけど何故だろう…?
    交換殺人なのかなとわくわくして読み進めていたのに、結局ABは偶然だと?わくわくを返して欲しい笑
    第三の犯人も名言がされていないのも、この作品で効果的な書かれ方と思えなかったので少しばかりびっくりしました。
    有栖川先生のファンの方はどう読まれたのか気になりますね。

  • 「助教授の身代金」、「ABCキラー」、「推理合戦」、「モロッコ水晶の謎」の4編。モロッコ水晶の謎での、火村の推理が驚きだった。占いという科学的根拠のないものを信じて疑わなかった人間の心が作り出した、普通の推理では解き明かせないトリック。

  • そんな理由で人を殺すんですか?的な動悸も凄いけど、そんな理由であのトリック実行できちゃう犯人が衝撃的でした
    思い込みの力って凄く怖い!!

  • とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生!邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は…。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題作ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた“国名シリーズ”第8弾。


    どれも好きだけど、表題作のトリック?が、すごく怖かった…

  • 中編の名作ぞろいだが、その分、推理合戦ががいい。スパイスが効いている。
    こういう作品は好きだ。

  • 単行本やノベルズ版を整理して文庫本に揃い変えているのだが、ぜんかい読んだのがいつなのかをまったく覚えていないくらいの再読になった。「助教授の身代金」だけよく覚えていて、他の三編はほとんどの内容が飛んでいた。気が利いているのはやはり「推理合戦」。殺人事件が起きるミステリを愛しているが、こういった作品があるとシリーズもののファンとしてはとても楽しい。「ABCキラー」と「モロッコ水晶の謎」は根気とひらめきが活躍した印象。ナイフで暗幕を切り裂くような推理だと感じるが、論理でギリギリまで積み上げたからこそ成り立つ。

  • 「助教授の身代金」
    助教授という、ヒットした出演作の役柄からあだ名される過去の人になってしまった俳優が誘拐された、というところから始まる話。奥さんが要求通りに身代金を準備して、指示された通り電車に乗ったのに、回収されることのなかった身代金。
    後日誘拐された俳優の遺体が発見されるんだけれども、世間の注目を集めた事件だっただけに、早期解決を望む警察から協力を要請される火村せんせ。
    なかなか捻くれてておもしろかったです。犯人は不仲だった奥さんなんですけども、誘拐事件を仕立て上げたのは、俳優の友人でもあり、奥さんに密かな思いを寄せていた人物。この人がまた、やばいんですよねw 奥さんへの思いが高じて、彼女らの家に盗聴器を仕掛けてるの。その盗聴器から奥さんが、俳優を殺したことを知って、助けるつもりで誘拐事件であるかのように見せかけて、遺体を別の場所に移動させていた、という。クレイジーが過ぎますねw
    盗聴器に気づいたのが、初めて火村先生とアリスにあった時に、確信を持って二人を間違えた、というところから導き出す火村先生の冴え渡る推理がすごい。

    「ABCキラー」
    クリスティのミステリよろしく、Aのつく町名で浅倉さんが、Bのつく町名で番藤さんが、という調子で連続殺人事件と思われる事件が発生。凶器は共通の拳銃、事件が起こると警察あてに挑戦状のような書面が届く。でも、被害者の共通点が見つからない中、調査を進めていくうちに、それぞれの関係者の中に意味ありげな人が浮かび上がってきて…という話。
    これもまたひねられてましたねー。挑戦状を送った人と、実際に殺人を起こした犯人は別、さらにいうと殺人犯は二人いて、最初の犯人は、二人目の犯人に殺されるねじれ現象が起こってるという。途中から挑戦状は別の人では、とは確かに思ったんですけどねー。一つつながりが見えるとスルスル解けていくように解けるの面白いなー。

    「推理合戦」
    これは箸休め的な。小休止と言いますか。
    小夜子さんと火村せんせと三人での飲み会上で、小夜子さんの新連載を読んだ火村が、最近どこどこ町に行きましたね?と突然きりだす。どうしてそれを?と不思議がる小夜子さん。最近火村せんせもその町で起こった殺人事件の調査で行ったはずだけれども…と不思議がるアリスに、答えを閃いた小夜子さんが、車はいつ戻ってきますか?と火村せんせに尋ね返す、というところで一幕が終わり、二幕目は答え探しに件の町に降り立つアリス。歩いているうちに、火村の推理の理由がわかり、さらに一捻り、意趣返しに小夜子にその小説の犯人は誰々でしょう、とあててみせると、という三人のお戯れの話。

    「モロッコ水晶の謎」
    珍しくアリスが殺人事件に巻き込まれてしまう系。
    アリスが、ある大型書店の経営者の敷地の一角に住まう占い師の元を取材で訪れたところ、経営者の息子が小説家を目指していて、ぜひ本物の作家さんに話を聞いてみたい、と言われてお呼ばれするアリス。気に入られて(だったかな…該当箇所がパラ見では発見できなかった…)、ホームパーティーに呼ばれるんですけど、そこで殺人事件としか思えない事件が発生。殺されたのは、その家の長女(姉)の婚約者で、毒物を飲んだと思われるんだけれども、毒を入れる機会が誰かにあったとは思えないのに…という不思議な状況。苦手な野上巡査部長のいる樺田班が担当になり、火村も後からかけつけて謎解きに参加する流れに。
    この話のすごいところは、トリックらしいトリックがないところですね。
    犯人は小説家志望の息子(弟)なんですけど、姉の婚約者がどうしても好きになれない、家の一員になるのは耐え難い、という理由で、家にあった除草剤を被害者の飲み物に混入させていたんですけれども。被害者がどれを取るかはわからなかったんだけど、居候の占い師先生に以前言われた、その占い師先生の元にいる、彼女の姪と結婚する未来が見えるという言葉を信じて、被害者と、犯人、姪の三人しか飲むことのないオレンジジュースに、事前に除草剤を入れておいた、という…。つまり1/3の確率で自分、またはターゲット以外の人を殺す可能性もありながら、あえて除草剤を入れていた、という狂気。すごいわ…。

    で、解説…!
    佳多山大地さんが書いているのですが、モロッコ水晶の謎の深読みがすごい…。その発想はなかった、と思いつつ、いや確かにそうも読めるな、っていうのがとても衝撃的で、真っ先に書いておかずにはいられなかったですw 動機も、犯行の方法も180度反転しますね。いやあすごい納得。
    弟が、実は占いは信じてなんかいなくて、ただの方便だったのではないか説。毒の入ったグラスは見分けられるようにしていて、被害者がそれを取らなかったら、犯行を見送ることもできたかもしれない。占いを信じてやったというのは自分の責任を転嫁する目的があったのかもしれない。そして、被害者をターゲットにしたのは、実は弟が姉に恋をしていたからかもしれない。という仮説、凄すぎます。確かにそう読めなくもないし、ある意味ちょっと腑に落ちやすいんですよね…。
    あと学生アリスシリーズと作家アリスシリーズの関係性などにも焦点が当たってて、面白いなあ、と思ったのでした。江神さんが学生を続けてる理由を予想外のところで知ってしまった感はありますがw

    時間が経ちすぎて細かいところは忘れてしまった!
    んですけど、感想書いて改めて見てたら、今回の話はねじれ現象が中心になってる話が多いんだなあ、などと思ったのでした。

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

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