モロッコ水晶の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1989
感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759885

作品紹介・あらすじ

とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生!邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は…。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題作ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた"国名シリーズ"第8弾。

感想・レビュー・書評

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  • 『助教授の身代金』はタイトルを読んで、まさか火村先生が誘拐される?!と思ってしまった。
    あとがきにある通り、まんまとタイトルにミスリードされちゃった(笑)
    火村先生の推理では、あの部分でそこまで推測していたのかと、改めて観察眼に脱帽。
    他の作品も面白かった!
    掌編の『推理合戦』はすごく平和で和む。
    友人二人の推理に負けじと意地になって行動するアリスが可愛かった!

  • タイトルになっている〝モロッコ水晶の謎〟をはじめ、予言(予告)モノを集めたのかな?という印象。読後すっきりではないのだけれど、実際は割り切れないことの方が多く現実ってこんなものかも…と逆にリアリティを感じた。

    中篇3篇の中にある超短篇〝推理合戦〟も面白かった。
    著者もあとがきで触れられているが、こういう箸休めのソルベみたいなのも好み!

  • 国名シリーズ8作目らしい。中編3作、短篇の推理合戦の4作品。題名はこじつけでない事を願いつつ、なぜこの表題にしたのかを意識しながら読んでいく。

    助教授の身代金:助教授といっても火村ではない。真犯人の動機が解決を遅らせる。普段何気ない言動を記憶している火村、それが解決へと誘う。

    ABCキラー:アガサのABC殺人事件を倣っているのだろうか?警察に届いた手紙を書いた者、殺人犯、被害者が複数入り乱れ、より複雑になっている。そこが読み応えがある。

    モロッコ水晶の謎:表題作、やはりこじつけか?例えとしてモロッコの路地が迷路のようで、推理の行き詰まりを表現しているというのは無理がある。水晶もモロッコ産ではない。作中の表現で、人は親しい友人に打ち明け話をするのではない。通りすがりの人に人生の重さを語るというような表現はよくわかる。

    間に推理合戦という短篇がある。箸休めだそうだ。焼き鳥が食べたくなった。

  • '22年6月28日、聴き終えました。Amazon audibleで。確か、紙の本で、2〜3回、読んでいるはず。

    シリーズ中の中編&掌編としては、かなり本格色が色濃い、と思っていて…大好きです(まあ、全部好きですが)。

    「助教授の身代金」…初読み時は、一番好きだったかな…有栖川さんの小説としては、かなりアクロバティックだな、と感じました。で…シビれた!

    「ABCキラー」…う〜ん…素晴らしい!犯人の仕掛けに、唸りました。

    「推理合戦」…他の有栖川ファンには怒られるかもしれませんが…audibleで改めて聴いて、これが一番好きになったかも!ハハハ!

    「モロッコ水晶の謎」…これも、結末はかなりあっけにとられました。そりゃあ、さすがの火村も、苦戦するワな┐(´д`)┌そして、エンディングの、美しさ!

    audibleで改めて体験して…有栖川有栖さんに、またもガッツリハマってます!次も!!!

  • 作家アリスの国名シリーズ8作目。
    4作品からなる中編小説。
    個人的にこれぞ!っていう作品がなかった。
    すっきりせず終わってしましました。

  • 長編から読んでいたので、初短編。まさしくフィールドワークが読めて面白い。事件が起きるまで焦ったいって事も無いし、サクサク読める。お口直しのシャーベット「推理合戦」もなるほどねっと軽くて好き。

  • 予言がテーマの短編集。

    表題作の前に差し込まれている「推理合戦」が好き。掌編だからすぐ読めちゃうんだけど、ちゃんとアリスが推理してて好き。
    というか、朝井さんと火村先生に対抗して現場までいっちゃうアリスが可愛い。
    この話のために買っても惜しくない(笑)

    「助教授の身代金」は昨今の誘拐事件事情(?)がよく分かる。この事件では誘拐というか、なんというか、真犯人の歪んだ愛と性癖の結果というか…。
    犯人は怖かっただろうな、全然意味がわからなくて。

    「ABCキラー」はドラマ特別編の記憶朧気にありながら読んだ。予告状の犯人が一番不気味。そいつも捕まえて欲しいよ火村先生。

    そして表題作。
    予言の裏の切ない想いが引き起こした殺人事件。
    占いという曖昧模糊のものを根底としながら、あくまで推理は論理的。
    げに不可思議は人の信じる思いかな。
    そしてこの話の見所は、アリスが火村先生との想い出を第三者に話してたら1時間も過ぎたという点ではないかと思うのです。その直前の火村先生の悩みへの想いの部分も捨てがたいけどね。

  • 超短いけど、『推理合戦』がすき。シンプルだけどまとまりつつオチもいい。

  • 短編集。「ABCキラー」、あの脅迫状で引き込まれて、期待していたので、ちょっと肩透かし。
    表題作もなんだかいまひとつ。犯人は意外だったけど、トリック、動機もはっきりしない。ああ、所詮フィクションか、と思った。
    どうも全体的に淡々としてる。のめり込めなかったな。「推理合戦」がなかったらあまり手に取ることはないかも。有栖川氏の短編はさらっと読めていいけど、甘いよね。

  • 急に『作家アリスシリーズ』が読みたくなったので、読んでいた本を全て中断して積読から中編集を。急に「あの作品読みたい!」ってなることありますよね( ある…よね…? )

    表題作の『モロッコ水晶の謎』は賛否両論ありそうだなぁと思いつつ、私は「あり」でした。占いとか心理テストとか信じてないふりをしつつ信じてしまう単純だから、( 'ω')ヒェッとなりながら読みました。

    所々に現実で起きた事件の名前も。即調べて( 調べなくても説明してくれています )みたり。『助教授の身代金』と『ABCキラー』は映像化したような記憶があるので、久しぶりに『犯罪心理学者 火村英生の推理』が観たくなりました。

    どの結末も全く想像していなかったので驚きの連続で、楽しかったです!やっぱり火村とアリスの会話に癒される…。
    でも『推理合戦』が1番面白かったです。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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