『瑠璃城』殺人事件 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759960

作品紹介・あらすじ

1989年、日本。1243年、フランス。1916年、ドイツ――時代と国を超えて繰り返される密室殺人。図書館で胸を貫かれた女性、城から忽然と消えた6人の騎士、戦地で消えた4人の遺体。それらに隠れた、ある男女の恋の運命。不可能犯罪も輪廻転生したのか? 切ない思いと仰天トリックが全編彩る本格ミステリ。解説・辻村深月(講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • 3つの時間軸で起こる首無し殺人。輪廻転生ミステリ。正直、セカイ系過ぎてついていけないが、ミステリ部分や仕掛けは結構練られていて面白い。骨組みをもっとしっかり組み立てれば、面白い本格になりそうなのに、冒頭から芝居がかった悲恋と生まれ変わりのエピソードが入るので、読者がクエスチョンマークになるではないでしょうか。読むには勢いが必要な作家。気分が乗らないと詰み本になりそう。

  • 1989年日本、1243年フランス、1916年ドイツ……マリィとレインは生まれ変わり続け、殺し合う。
    って、まさか生まれ変わりの最初が1989年とは。輪廻転生って時が遡るんですね…という切ない美しさがありました。生まれ変わりに重複もあるなんて。重複が鍵でした。自分と同じ記憶を持った人が複数いる、ってかなり妙だし自分さえも信じられなくなる…ジョフロワはそれで歪んだんだろうけど狂うよなぁ。
    ラピスラズリの瑠璃色がちらつきます。
    マリィとレインの恋も、執着して殺してるジョフロワも、時を自在に移動する探偵の探偵のスノウウィも良い。スノウウィ=マリィなのねたぶん。
    2作目にして、事件そのもののトリックよりも世界観が好きだと気付く城シリーズでした。

  • 異なる時間線式のパラレルワールドやリインカーネーション、ループワールドとSF・ファンタジー系のギミックが満載で、ミステリと思って読むと少し肩透かしな感じがする。表看板の物理トリックもあるのだけれど小粒な印象な拭えないし、終盤には様々な伏線が次々と回収されていくタイプの、物語的な仕掛けが用意されているのだが、これをミステリ的なトリックやロジックと呼ぶのは無理があるだろう。逆に、これがファンタジー小説なら、この終盤は「ミステリ的」とか評されてるかも知れない。そういうものだと思って読めば愉しい。あと、舞台劇を思わせるような、生硬な会話文が独特で最初は驚いたけれど、これが以外と効果的。非日常的な物語世界への導入として、うまく機能している。大林宣彦監督作品での棒読み台詞みたいなものかも知れないが、興味深い。

  • 城シリーズの最新作。全体の50%くらいまでほぼ何も起こらない。昔の話と城の探索くらい。ちょっとダレたけど、そこから一気に登場人物がいなくなってしまう。そのわりに残った人物たちがあまり危機感や恐怖感を抱かないので、クローズドサークルにある緊迫感があまりない。
    スクウェアをする空間の仕組みは本当にすごい(複雑なので自分がちゃんと理解したかわからないけど…)。なんであんな複雑な仕組みを思いつくんだろ。
    肝心の犯人の正体だけど…これはフェアといえるのか…?確かに読んでいて犯人であるあの人がいる場面だけ「ん?今この人どうなってるの?」と不自然感があった。振り返って読んでみると、動作をする人物の名前が首から上と下でちゃんと分かれてる。しかも地の文は三人称。だからこれはこれでフェアなんだろうな。ただ、全体を通してライカ目線で進んでいくので、ライカが2人を見ている=2人がいると勘違いしていた。
    残る城シリーズも読んでみよう。

  • 城シリーズ第二弾。第一弾である「クロック城」と特に繋がりがあるわけではないが、幻想的な雰囲気はやはり似ているところがある。時代と国を超えて繰り返される密室殺人が主題。それぞれの事件は北山猛邦らしい絶妙なトリックだったのである程度の見当はついたが、最後の最後の種明かしにはしてやられた。うーん、淡々としながらも切ない感じを書くのが上手いよなぁ。

  • ファンタジーっぽいの全開なのに、トリックがちょっと笑えるくらい豪快だった
    探偵さんのキャラが好きだわー愛くるしいねぇ

  • クロック城もイマイチだったけど、これはファンタジー?
    ミステリーとしても、中途半端な感じ…トリックも想像できちゃったし…

  • 最近読んだのは、オルゴーリェンヌと人狼作家。
    確か昔にクロック城とアリスミラーを読んでいるはずなのです。

    城シリーズに関しては、ほぼ記憶は無いのですが、人狼作家では大活y……モゴモゴな、なんでもないのですトマト

    雰囲気としては、「瑠璃城」なんて漢字のお城だけどバッチリオルゴーリェンヌ風。
    SFと言うか、ファンタジーと言うか。
    「生まれ変わり」とゆーミラクルが何故か大前提。
    大前提なわけだから勿論その仕組みや因縁は省かれてるのです。

    リプレイ物とか好きなしーなは取り敢えずハードルとしてはクリア。ヨカタ

    冒頭のシーンで登場するのは若干昔のラノベ……と言うかライトな長野まゆみ風味なキャラと世界。
    オルゴーリェンヌで予想はしていたのでここもクリア。ヨカタ

    3つの世界?時空?時代?と、謎の図書館。
    それぞれの世代?に起きる事件と謎。
    そして必ず共通して登場する不思議な探偵。

    何故一人の探偵が時空や空間を超えてあちこちの世代を行き来できるのかはどうやら大前提の中のひとつらしい。
    ので、そう言うもの。って納得するしかないのでしょうね。

    ストーリーの中で大事なのは、やっぱりその世代毎に起こる殺人事件だと思うので、それぞれの解決と、繋がっている謎の解決。
    こっちなのですよね。
    そっちの方は流石「物理トリック(物理)」と言う感じで、マップや見取り図がしっかり提示されているので
    時間をかけて考えようとしたら、きっと味のある謎と解決になっていると思うのです

    ただ読んでいると先が気になってしまって、じっくり時間をかけて何度も読んだり考えたり……はできないかも。

    最後の謎解き?は、それまで考えても分からないし
    「へ、へえ……」とゆー感心程度。
    物語の世界観やストーリーにはとってもマッチしていて
    読了感にほんのりプラスされて良いのですよね

  • 本作は北山先生が「SF」[ロマンス][歴史][推理]その4つのキーワードをフィーリング ラッキーした産物かな?

  • 微妙。
    アリスミラー城に期待。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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