- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062760034
作品紹介・あらすじ
「私とあなたはまた旅に出ましょう」
日本が西洋と出会ったばかりの時代の、切ない恋の物語。
「文学史上屈指の「通訳文学」の誕生である。」――鴻巣友季子
維新後間もない日本の奥地を旅する英国女性を通訳として導いた青年イトウは、諍いを繰り返しながらも親子ほど年上の彼女に惹かれていく――。イトウの手記を発見し、文学的背景もかけ離れた二人の恋の行末を見届けたい新米教師の久保耕平と、イトウの孫の娘にあたる劇画原作者の田中シゲルの思いは……。
感想・レビュー・書評
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情熱的で狂おしく切ない恋のお話だった。海を渡る。
好きな女ができたなら、追いかけていってつかまえておあげよ。それがつかまる恋ならばね。 -
詳細は、こちらをご覧ください
あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート
→ http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1274.html
19世紀の大英帝国の旅行家、探検家、紀行作家 イザベラ・バード のマンガ本を読みました。
→ http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1120.html
イザベラ・バード と 伊藤のことを もっと知りたいと思ったら 友人がこの本を勧めてくれました。 -
作中作の設定が面白すぎる。
最初に読んだ時は「なんだこの話、面白いけど読みにくいなあ」と思ったものだけど、この作者独特の呼吸に慣れた今だと純粋に面白い。珍しく情熱的な恋の話。でも恋に失敗している辺りがやっぱり中島京子だなあ。 -
イザベラ・バードの紀行文はまだ読んだことがない。少し読んでみたくなった。伊藤はどのように描かれているのだろう。確かにかの時代、通訳は必要だ。イザベラの通訳として淡い恋心、慕情を抱く伊藤鶴吉視線の話。手記、日記、書いている当時はなんてことないただの雑文でも50年、100年経つと価値が出てくる。その重要性がよく分かる。記録というのは面白いものだ。歴史の隙間に埋もれている事柄を掘り起こし、未来の直接関わりのない人間に感動やら勇気を与える。言葉、文字がある限り続く現象であり時間が持つ雄大なロマンでもある。
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「江戸時代のなごりが色濃い明治11年(1878),イギリスから横浜に渡ってきた40代後半の女性が北海道への旅に出た。文明開化期の日本を西洋人の目で記録した「日本奥地紀行」の著者、イザベラ・バード(31~1904年)。かたわらには伊藤という名の通訳の若者がいたー。ここまでは史実だ。
伊藤から見たその旅はどんなものだったのか。伊藤がこの女主人に恋をしたとしたらー。そんなふうに想像をふくらませたのが、この小説だ。
かなわぬ恋と知っていても、人は恋をする。切なくて、苦しくて、最も輝いている時間。この本には、恋の本質が描かれている。
(『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 の紹介より) -
今回の旅のおともは、長らく本棚で眠っていたこの本に
イトウの手記の狂おしさも
手記の続きを探す三人の妙なキャラクターも
なんだか不思議なバランスで、つい夢中になって読み進めてしまった
数珠繋ぎ読書、次は
通訳者イトウの狂おしい恋のお相手
I.B.ことイザベラバードの
"日本奥地紀行"にしよう -
中島京子さんの作品は「ちいさいおうち」以来、2作目で2冊ともとても読みやすくて面白かった。両作品とも切ないと言えば切なく、かと言って読後感はスッキリとしているという不思議なお話し。数世代に渡って歴史上の人物と現代の人々が繋がっているというのも中島作品の特徴の一つなのかな、と思う。他の作品もどんどん読んでみようと思った。
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2021/3/19購入
2021/5/1読了