愛の幻滅 上 (講談社文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 講談社 (2008年3月1日発売)
3.78
  • (18)
  • (31)
  • (30)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 222
感想 : 26
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (281ページ) / ISBN・EAN: 9784062760126

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さと恋愛のリアルな感情を描いた作品で、特に共感を呼ぶ要素が詰まっています。大阪弁を交えた軽快な会話の中にも、愛し合う男女の間にある埋められない溝がしっかりと表現されており、登場人物の心理...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 数ある田辺聖子さんの恋愛小説のうちで、
    もっとも共感度の高い、とても深い作品。
    大阪弁でポンポン冗談を言いあう、かつ
    愛しあう男女の仲だけど、どうしても埋められない
    溝があるよう。
    眉ちゃんの、「相手が返事に困るようなことは
    口にしない」という決意とそれを貫くのが立派。
    結末の寂しさを想うとそうそう読めないのだけど、
    傑作だと思う。

  • あ゛あ゛~~痛い~~グサグサくる~~~
    不倫当事者は全員読んだほうが良い。
    不倫男への感情がリアルすぎて怖い。その幻滅の過程もめちゃくちゃリアル。
    昭和52年?!40年以上前か。。。コワイ。。。

  • 【本の内容】
    <上>
    眉子、28歳。

    妻子ある男・東野と恋の真っ最中。

    勤務先で同僚の稔からアプローチされるけれど、そんなのはまったく目に入らない。

    「夫婦やない男女の仲ほど、面白いもんはない」と東野は言う。

    わからない。

    夫婦というものになったことがありませんから!と拗ねつつも、大人の恋にはまっていく。

    傑作恋愛長篇。

    <下>
    ミイちゃんこと、稔にプロポーズされた。

    しかし眉子は妻子ある東野を「待つ女」から脱しきれない。

    そんな中、眉子は東野と初めて“長期旅行”に出かける。

    「いいときにしか会わない」なんていびつな関係が変わることを望んで…。

    ドライで素敵な「笑い恋」は夢にすぎないのか?

    恋の本質を、鋭く優しく描く。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人の上に立つからには、人を使っていくからには、精神がケチな人ではいけないと思います。

    この『愛の幻滅』にでてくる東野さんという男、至極魅力的な男で、主人公の眉子によると、〈ゆきずりの人間なのに、惜しげもなく、おべんちゃらをいって、相手をいい気持ちにさせてくれるって、気前のいい人だと私は思わずにいられなかった。あんな人こそ、精神的な、お金持ちというのだ!〉

    話した後、「思い出し笑いをさせてくれる人」、「なんとなくふんわりした気持ちにさせてくれる人」って素敵。こんな人と働くことができたら、従業員のモチベーションも勤労態度もきっと向上するのではないだろうか。

    「相手を、いい気持ちにさせるのは業腹だ」とばかりしかめっつらしないで、心に余裕をもつことが、人に分け与えても減らない心を持つことが大事なんだな、と自分(社長じゃないけど)にもいい聞かせています。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 最初にセイコタナベから受けた衝撃に比べると、私が慣れてしまったせいか少なくなってしまった。

    が、やっぱりシチュエーションの中での女子の心理を非常に上手に描写していていい。
    長編が読みごたえがあって好き。

  • 同じ まゆ だからというわけではないが、とっても共感が強かった本

  • ほんとうに面白い男女の仲は、夫婦でない仲なのだ。 田辺聖子【愛の幻滅】より

  • 28歳、ハイ・ミスOLの眉子。
    結婚を急かす家族から逃れるための一人旅で、東野に出会う。40代で妻子持ちの東野との“笑い恋”に夢中になる眉子だが、季節が二巡する頃からそうシンプルな気持ちではいられなくなり…。
    結婚に対するあせりや憧れもなく、東野の妻に嫉妬することもない。会っている時間を楽しめればいいと思っていた眉子が、次第にあれこれと雑念に惑わされたり二人きりの時にさえふと冷静になってしまったり。その変化がひたひたとやってくる感じがなんとも言えず…。
    かと言って普通の不倫っぽくドロドロしたり重苦しかったりはしないところがやっぱり田辺流で心憎い。
    ラストのぽーんっと放り出されるような感覚にしばし放心であった。

  • 愉しい不倫のお話し。
    主人公の不倫を楽しむ女性とは同い年。
    そのもどかしさ、そのわずらしさも、楽しいヤミツキになる快感。
    分かる分かる!と随所で共感してしまう。
    随分昔のお話なんだけど、古さを感じさせない。
    恋はどの時代も輝いているんだなぁ。

  • こっちを読むと、とりあえず頑張れそうな気がしてきます。

  • 初出は昭和52年「女性自身」。

  • 主人公は28歳OL。一人旅のときに知り合った妻子持ちの東野と楽しい不倫中。

    この東野ってひとがまた憎めないと言うか、、、「目の前の草だけ抜いてたらいい」とか言っちゃうわけで。。

    魅力的に描かれてるので、主人公が惹かれちゃうのもわかるんだけど、いくら「笑い恋」でも不倫に明るい結末なんてないんじゃ・・?

    下巻でどういう展開になるのか気になるところ。

  • 重かった…
    行き場のない恋愛は、苦しいな…
    後半は行き場のなさがありありと描かれていて、読み進めるのがしんどかったです。。。

  • 自分が生まれる前に書かれた作品には感じられない。
    あんまり、時代って変わってないのかな?って思う。

  • 実際の不倫なんて、そんな背徳的な言葉とは逆に、独身通しでする恋愛より楽しくてしかたないから最終的にドロドロしてしまう。

    楽しい関係ってゆう底なし沼から抜け出すのは、いつかは終わるとゆう責任のなさかな。

  • 不倫という関係性にもかかわらず、上下巻ともに滑稽なシーンがあったり、躍動というか、主人公がかわいらしく前向きに読めた分、ラストの温度のおちぐあいがなんともいえない。

  • せつない恋の終わりをこんなにもさらさらと自然に書けちゃうなんて…さすが田辺聖子さん。

  • 「愛の幻滅」は眉子と東野サンの恋のストーリー。
    東野サンは気のいい男性、妻子あり。ーー要するに不倫の恋。
    だけど、ドロドロの恋愛劇ではなく、あっけらかんとした、
    それでいて身を焦がすような切ない恋。

    泣き恋、怒り恋ではなく、笑い恋でいたい。

    自分の恋をそう客観的に評価するようになってからの眉子は感情を出さず、二人の逢瀬は永遠ではないからこそ、テンションをあげて笑って楽しいひと時を過ごそうとする。
    いつ終わってもいい思い出にできるように。
    会うたびにしだいに、そう思いはじめる眉子のせつない気持ち。

    「めんどくさいこと考えずに目の前の草だけ抜いてたらいいねん。」
    東野サンはいつもそう言うけど、
    その気のいい言いぐさに惚れたのだけど、
    おんなってほんとうに現実的。

    いつまでも夢をみているロマンなおとことはしだいにズレてきて。
    でも、好きなのはかわらない。

    東野サンの笑っている顔、優しい顔を見たくてあれこれ反応してみせる眉子。
    しだいに目の前の草だけ抜いてるだけでは満足いかない自分の気持ちに気づく。

    夫婦ってどんなものかしら。
    どんな男女の関係なのかしら。
    まんねり、なものなのかしら。
    夫婦の関係について考えたり、東野サンの奥さんのことを思ったりする眉子。

    それにしても、田辺聖子さんの小説にでてくる女性は、
    仕事をもち、自立して、恋をしても芯の強く、さっぱりとした気のいいタイプ。
    読んでいて気持ちがいいのである。

    また、文中ででてくる「ハイミス」という表現!
    今でいうなら「アラフォー」とでもいいましょうか。
    でも、自らをハイミスという眉子の年齢はどうやら27~29!

    今では考えられない年齢です。
    時代の流れを感じながらも、面白いことにおんなの気持ちはおんなじで、
    女性が読むと共感できるところばっかりでスルスルとページが進む一冊。

  • こんなに不倫をさらっと書いて、決定的な何かがあるわけではないのに徐々に愛が終わっていく様子を浮かび上がらせるのってすごい。

  • 惜しげもなく、おべんちゃらをいって、相手をいい気持ちにさせてくれるって、気前のいい人です。こんな人こそ、
    精神的な、お金持ちというのだ。

    幸福というもんはある程度、バカげたことの中にあります。

    いかにうまいことウソつくかが、インテリと無能のわかれめ。
    ウソのつきかたで、オトナの教養程度がわかるねん。というより、ウソのほうがほんまのことがある。

    別嬪ちゃん。

    一人ぼっちの女は孤独に襲撃されて、じっと一人で踏みとどまって堪え、戦うだけ。
    ワッと泣き出す女は、泣いてみせる人がいるからであり、ヒステリーをおこす女は、ヒステリーをみせつける人がいるからである。
    みせつける人間を持たない女は、泣いたりわめいたりできないものである。その代り、心はカサブタができたように、厚くしぶとくなってゆくものである。

    相手が返事に困るような質問をするのは、男と女のツキアイの中ではルール違反なのである。

  • 以前、書評を読んでからずっと気になっていた小説。
    シチュエーションが、今の自分とかぶるところがあって、
    ぜひ読んでみたいと思っていた。

    実はこの作品は20年以上前のもので
    最近文庫で再出版されたものだけど
    読んでいて20年以上前の古さは感じなかった。
    時代を感じるところと言えば、
    ケータイ電話がないことと、籐のバスケットってあたり。

    「次の秋で2年目を迎える。そのころにあたしは29歳」
    「女は「あら、あらら」という何気ない拍子に、大なり小なり秘密を漏らしてしま
    うことがある」
    「「〜してあげた」と思うことが多くなってきた」
    「好きなのは変わりないけれど、心のなかで突っ込みを入れることが多くなってく
    る」
    「困らせたくてワガママを言う」

    など、胸に突き刺さる言葉がずらり。

    明確な結末は描かれてないけれど、
    その先は、ゆるやかな「愛の幻滅」になっていくのだろう。
    「笑い恋」ならではの終わり方…

    主人公が、今までなら疑いようもないくらい幸せだった過ごし方が
    だんだんとそう思えなくなってきていることに気付いていく。
    ただ、そういう自分の心情の変化を相手に悟られないようにしたい…
    というくだりは、読んでいて心が痛かった。

    心のなかで疑問が増え冷静になるほど
    相手に優しくできる、なんてそのとおり。
    でもそんな自分は好きなわけではなく、客観視してみてるしかない。

    期待していたほどではなかったけれど
    自分の心情を言葉にしてもらったような不思議な気分になった。

全24件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

田辺 聖子(たなべ・せいこ):1928年、大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒業。64年『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』で芥川賞を受賞、以後精力的に書き続け、87年『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、98年『道頓堀の雨に別れて以来なり』で泉鏡花文学賞と読売文学賞を受賞。2008年に文化勲章受章。大阪弁で軽妙に綴る現代小説の他に、古典文学の紹介、評伝小説など、著書多数。19年6月死去。

「2026年 『けったいな関係 田辺聖子傑作短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田辺聖子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×