すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)

著者 : 森下くるみ
  • 講談社 (2008年4月15日発売)
3.53
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  • 本棚登録 :135
  • レビュー :24
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760300

すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • AV女優の森下くるみの自伝です。

    偏見や差別などに直面してきた苦悩や、両親との和解についてのエピソードなど、心に響くところもあったのですが、AV女優の自伝エッセイというフォーマットにあまりに嵌まってしまっているような気がしてしまいました。

    同時代で彼女の作品を見ていたわけではないのではっきりとは分からないのですが、メディアの「森下くるみ」像を決定づけたのは、永沢光雄のインタビューだったと考えています。そして、彼女が監督のTOHJIROとタッグを組んで作品を生み出し、作品の中で涙を流した出来事が、永沢によって言葉へともたらされ、それが彼女自身を縛っているのではないかという気がします。

    AVの画面の向こうに、ほんのわずかな女優の「リアル」を見いだそうとしていたように思うのですが、私自身も含めて現在のAVの視聴者たちは、こうした女優のリアルな暴露話にはむしろ引いてしまうのではないでしょうか。とりわけ蒼井そら以降の「セクシー女優」たちは、その「キャラクター」が徹底管理されており、視聴者の方も「幻想」を「幻想」として享受するようになっています。いわゆる「ハメ撮り」に替わって「主観モノ」作品が増えた頃から、そうした傾向は顕著なように思います。

    「解説」の花村萬月も、著者の文章から「リアル」な性と生を見ようとしていると言ってよいと思うのですが、そうした枠組みそのものが古びてしまっているのではないかという印象があります。

  • AV女優という生きざまを自らの言葉で語ることができる人はあまりいない。そういう意味で貴重な本。ぶっかけや汚物付きアナル舐めの淡々とした描写が逆におぞましい。卓越したプロ意識…AVという世界でトップを張るとはこういうことなのだ。

  • 職業に貴賎はないとは言えない。哲学的な事や倫理的な事を考え始めれば、自分や家族への防衛意識も働き、自分は一部の職業を差別せざるを得ない。これは仕方ない事ではないのか。別に、聖人君子を気取ったり、会ったこともない相手に分かりの良いフリをする必要はないのだ。

    いつだったか、海外に部屋を借りて日本人バックパッカーと暮らしていた頃、その友人が差入れに持ってきてくれたのが森下くるみの写真集だった。当時の日本の大学では、彼女が流行っていた。ダウンロードと森下くるみと言えば、当時を象徴するキーワードだ。

    その時、自分は何を感じていたんだっけ。思い出しながら…その時、彼女が何を感じていたのかを比較しながら。

  • あんまりエッチな内容じゃなくて残念。

  • 【本の内容】
    「荒療治ですが、裸を晒すということは、一度自分をリセットするのに打ってつけでした」

    家族の愛情に飢えて育ち、底なしの寂しさを抱えてAVという世界にたどり着いた、あたし。

    「人を好きになりたい」と過激なカメラの前に立つ。

    人気AV女優が、自らの生い立ちを繊細な筆で綴った、ソウルフルな自伝の書。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    思いを言葉にすることは難しい。

    だが、50本以上のアダルトビデオに出演した人気女優はこの自伝の中で、確かな手応えのある言葉で、自身の思いを語ることに成功している。

    たとえば中学時代、帰りぎわの学校の玄関で、好きな人とすれ違うだけで満足していた自分を、〈脳内自慰行為という安全圏からは離れられない。自分でこしらえた殻の中は温かい〉と振り返り、AV女優になって学んだことを、〈信じるには、まず先に覚悟することだ。そして諦めないこと〉としたためる。

    その感性を育てたのは、彼女のまっすぐな生き方なのだろう。

    過酷な撮影現場の描写には、目を背けたくなる部分もある。

    が、仕事に誇りを持ち、全力を尽くす姿は美しい。

    故郷・秋田で一度は決別した飲んだくれの父と東京で再会し、少しずつ許せるようになっていく様は、人生にふいに現れる希望の灯のようでもある。

    懸命に生きようとする生身の人間の声が、そこに響く。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • すくわれた気持ちになった。

  • ファン。

  • たぶんもっといろんな辛いこととか楽しいこととかあったんだろうけど、内容が薄かったなー。
    橘くるみ?のようなドロドロした感じがウケがよいんだろうけど、いい子って感じを出し過ぎている感じはした。
    まあ、本当にいい子っぽいけど、「へえ」くらいで心に響くものはなかったです。
    ファンの人とかは読んでみると良いのかもしれないですね。

  •  AV女優さんの自叙伝。文体というか感情が熱くないのに冷静でもない、不思議なポジションで面白い。
     個人的にはも少し掘り下げて……というか、時間を置いてから書くとまた別なものが見えるんだろうな、という気がします。

     解説の花村萬月さんが、いろんな意味で面白かった(笑)
     この人すごいな。

  • 胸が熱くなった。
    もっと前からファンでいたかったなと思う。
    やはりこの人、頭もいいし、文才もある。

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