水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760324

作品紹介・あらすじ

仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。一年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか?密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは…!?本格ミステリの復権を高らかに謳った「館」シリーズ第二弾、全面改訂の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 『十角館の殺人』に引き続き、ガチガチのミステリだなぁという感想。

    巨大な三連水車を抱える『水車館』
    ゴムマスクに車椅子の当主と、館の塔に住まう黒髪の少女。
    年に一度、高名な画家の命日に集まる客人達と幻の絵画。
    そして、招かれざるイレギュラーな探偵役。
    もうこれは事件が起こらない方がおかしいですよね。

    過去と現在が交互に語られる章構成。
    「騙されないぞ」と警戒しながら読み進めました。
    犯人、密室、人間消失の謎等の各ポイントは、どうにか予想ができたものの、やはり事件の全体像をまとめあげるとなると難しいものがありました。よく読むと隅々まで気を配られているのがわかり、面白いです。

    前作の大技とは一転、『ミステリ職人』の仕事という雰囲気。
    物語を味わうというよりも、ゲームをプレイする感覚で楽しみました。
    ラストの幻想性は壮大な物語の終幕を感じさせて好きです。

  • 館シリーズ二作目。前作よりもミステリとしての純度は高い。水車館という舞台と、クローズドサークル、そして特徴的な登場人物たちも含め、お約束の本格ミステリ世界はやはりワクワクさせられる。難易度は低めで、違和感のある表現や描写を用意されたミステリギミックと組み合わせるだけで真相が判る。しかしこの作品の良いところはサプライズよりも雰囲気の良さと構成の美しさだ。丁寧に配置された伏線を回収していった先の、ラストシーンの恐ろしさにはゾクリとする。長い長いシリーズの幕開けを感じさせる「新本格」のお手本的作品。

  • 十角館に引き続き読了。一般的には前作の衝撃には及ばないという評価みたいですが、確かに衝撃はそうだけども、中身の精度みたいなところは今作の方が高いと思います。

    今作も今でもオーソドックスな孤立系のミステリーなので、とっつきやすい作品。
    にしても、犯人は何となく予想は出来てたんだけど、トリックが分からなかったな。そういう意味では犯人分かってないって事なんだけど、、、、

  • 犯人もトリックも大体予想がつく
    だが、ラストではゾクっと鳥肌が立つものがある
    流石の一言

  • 犯人はわかったのに、そのトリックもなんとなくわかったのに、最後に「おお」ってなる。ミステリは美しくなければ!

  • 普段、同じ作家を続けて読まないようにしているのだけれど、「十角館」があまりに面白かったので、シリーズ2作目を手に入れてしまった。

    「十角館」と同じく、建築家の中村青司が建てた水車館で起こった連続殺人事件。そしてちょうど一年後にも再び悪夢がよみがえって…… という本作。
    「十角館」を読んだときには、やられた感があったけれど、今回は惜しいところまで推理できていたと思う。
    でも、当たっていたのはあくまで一部分だけ。作家は簡単には的を絞らせてくれない。

    推理しながらここまで丁寧にミステリを読んだのは初めてかも……というくらいに集中した。

    3作目が気になって仕方がない。

  • 20年前に書かれた物とは思えない作品。

    過去と現在を行ったり来たりするから、最初読みにくかったけど…
    慣れるとそこがまた良かった!

    THEミステリーて感じ。

  • ラストの数行が素晴らしい。ストーリーがストンとまとまる。才能ですね。

  • ゴトン、ゴトンと三連の水車が動き続ける館、白い仮面をつけた館の主、塔に幽閉された美少女、回廊に飾られた幻想的な絵画、「幻影群像」という幻の絵・・・。

    完璧な設定。本格ミステリでかつその様式美で幻想をかねそなえた小説。新装改訂版で再読なんだけれど、自分の読書遍歴が本格ミステリから幻想小説寄りになっていった原点は、もしかしたらこの作品にあったのかもしれない。というより綾辻行人という作家そのものにあったのかもしれない。

    有栖川有栖の解説にも書いてあるが(これがまたすごい。ミステリジョッキーや新本格謎会、その他座談会をいくつも読んでいるが、綾辻と有栖川は永遠のライバルであり良きパートナーでもあるんだなあ、と改めて思った。)綾辻行人にとっての本格とは、つまり「雰囲気」だと。まさにこの作品がその裏打ちとなっている。新本格ムーブメントがひと段落ついてその後、本格はトリック重視派とイリュージョン・カオス派(清涼院や舞城か?)に分かれていったが、幻想的あるいは様式美を持った作品は少ない。ある意味、異様な館で起こる殺人事件なんてものは前時代的で手あかにまみれた設定なのかもしれない。金田一少年やコナン君が大ブームになって、あれはあれで読んでいておもしろいところもあるけどなんというか手品を見せた後にタネを明かして、なーんだそうだったのか、で終わってしまいもったいない感じがする。それは漫画と小説というメディアの違いかもしれないが、綾辻行人の館には雰囲気がある。全体を暗雲のように包み込む陰鬱な雰囲気。登場人物たちが館に到着したときや事件前にくつろぐひととき(これがまたファンにはたまらない。この水車館でもあるが、実際にこんな館があって観光客として泊まれるならこれほど魅力的な事はない。もちろん殺人なしで!)や館内見取図を眺めながら目には見えない館を空想したり・・・。

    そんな館の雰囲気を堪能できる館シリーズ。これからぞくぞく出るであろう新装改訂版が、綾辻行人の新刊並みに楽しみだ。

  • 館シリーズ2冊目です。
    面白かったです。
    水車と塔のある洋館、仮面を着けた主人と年の離れた妻、一年前に起きた殺人事件、という舞台設定にわくわくです。
    再読なのですがほとんど忘れていて新しい気持ちと、風邪気味でぼんやり読んだので謎解きは出来ずでしたが、犯人の動機と「幻影群像」にはぞっとしました。
    前作で再確認した島田さんの九州設定がこちらでもちゃんと描かれていて、わたしは何を読んできたのか…と思います。
    中村青司の館は人を狂わせる…これからも館シリーズを読んでいきます。

    朝倉の三連水車をまた見に行きたくなりました。

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著者プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。2018年第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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