新装版 長い家の殺人 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760355

作品紹介・あらすじ

消失死体が元にもどる!?鮮烈で大胆なデビュー作

消失死体がまた元に戻る!? 完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、学生バンド“メイプル・リーフ”殺人劇ーー。「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。この恐るべき謎を、あなたは解けるか? 大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 歌野晶午の原点を、と思いストックされていたこちらの作品。どうせなら新装改訂版を読みたかったので長らく積読本と化しておりましたがやっと巡ってきてくれたので早速読んでみた。

    一直線の長い廊下に連なるいくつもの部屋、1度消えて再び現れる死体。「愛」を感じるプロローグとの繋がりの読めない不明な展開。
    そして2度目の類似した殺人事件。
    登場人物に動機らしい動機が全く感じられず、最早本当に泥棒の仕業か!?!?なんて萎え一直線の推理に到達しましたが、なるほどこれは読めない。

    風来坊の元メンバーの登場に戸惑い、ギャンブルなトリックに小首が捻れ、動機に口が尖った。
    曲の中に隠されたメッセージの難解さとそれを実行した本人のひねくれ具合に同情心を削がれ、謎のミラクルが重なりミルフィーユと化した完全犯罪に頭を抱える。「〜だぜ」の話し言葉にニヤニヤする。
    あれ、ツッコミ含め凄く楽しんでいるではないか。

    この粗さが過去作を読む醍醐味であり、聖地巡り パワースポット しかり原点を見た事に満足感。
    これから出逢うであろう著者が作りあげた沢山の驚きが待ってると思うとワクワクします。

  • タイトルの場所だけでなく、別の場所でも殺人がおきる。
    これは1回目が原因なのだが、結局わからなかった。
    なかなか面白い作品です。ただ、それにも増して作者のデビューのことが載っている解説が興味深い。


    消失死体がまた元に戻る!?  完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、学生バンド“メイプル・リーフ”殺人劇――。「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。この恐るべき謎を、あなたは解けるか?  大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。

  • 王道ミステリという感じ。
    トリックの大胆さがとてもよかった

  • 歌野晶午のデビュー作。巻末に島田荘司の解説付き。
    行動力すごいな!とびっくりした。すごい……。

    大学生のロック・バンドが晩秋の湯沢で合宿し、そこで殺人事件が起きる。
    解決しないまま、メンバーが欠けた状態で解散ライブを行うと、
    そこでまた殺人事件が起こり、バンドを数年前に抜けて渡独していた元メンバーが帰国し、謎解きをする……

    出だしの意味ありげなコードと歌詞が気になりつつも、
    「コードが読めなくてもまあいいわ」と読み進めていったら、暗号!
    しかも、犯人も誰もわかっていなかった暗号!
    関係ないわけなかった!あんなに意味ありげだったのに!
    CDEFGをハニホヘトに読み替えるだけで、セブンスは単純に7つ飛ばしで読む、
    という意味なんだから、単純な暗号だと思うんだけど、
    「コード苦手、まあいいや」で飛ばしてたらそりゃ解けないわけよ。
    ちゃんと調べてみればよかったー。

    トリックとしては、なんというか、島田好みの物理トリックで、
    こういうのやっぱり好きだわ!って思わせるんだけど、
    2番目の殺人、さすがに部屋数少なすぎなのでは……。
    ちょっと無理ありすぎなのでは……。

    学生運動の続きのような気分で爆弾作って捕まった過去のある人が四六時中
    警察当局に目をつけられているような描写とか、ベルリンの壁がまだあるらしい描写とか、
    とにかく警察って嫌われものだったのかなという感じとか、
    1988年発表の時代の雰囲気がリアルで面白かったな。

  • トリック自体はすぐに見抜け、犯人も早い段階で分かってしまった。特に、第二の殺人が、あまりにも第一の殺人の舞台に似ていて、トリックがほとんど丸出し状態だった。

    それでも、とても楽しめた。デビュー作ならではの荒削りな感じや、トリックを完全に隠しきれていないところなども含めてよかった。
    わたしはミステリ作家では、島田荘司が一番好きなのだが、その島田先生が太鼓判を押した作品というだけあって、斜め屋敷や占星術にみるような大胆なトリックが何よりも好みだった。

  • 積読消化期間。

    積読本を改めて眺めてみると、その本を購入した理由を思い出す。これは歌野正午さんの本を初めて読んだ時の衝撃がスゴ過ぎて、デビュー作を読みたくなったんだった。もちろん出会いは「葉桜の季節に君を想うということ」。懐かしい。

    この本の最後に「薦」があり、それを書いているのが島田荘司さん。著作は読んだことない。それはさておき、その2人の出会いの物語が面白かった。

    本書の内容は完全なミステリ。密室もので暗号も有り。なんて大胆な発想。でもトリック自体はありがちと言えばありがちか。しかしデビューでこれって。しっかりがっちり堪能できた。

  • 途中でトリックには気づいたけれど、楽しく読み終えた。伏線を張りすぎな感じもする。デビュー作だからいいだろう。

  • 酷評が多いけれど、私は楽しく読ませて頂いた(*^^*)
    島田荘司さんの薦もとても楽しく読ませて頂いた(*^^*)

    トリックはかなり早い段階で気づいてしまったが、犯人は全くわからなかったし、色々想像出来て読んでいる間中楽しむことができた。

    とにかくこういう設定が大好きだ!

  • 続けて歌野晶午。昨年は同じ色に染まりたくなくて、意識的に続けて同じ作家を読まないようにした。今年は手持ちの本で同じ作家が有ればそれを読み潰すことに方向転換。気分を変えたいだけで意味は無し。
    歌野晶午のデビュー作。何も考えずひたすら書いた、という作家の回想通り、メイントリックに向かってひた走る様が見えそうな勢い。島田荘司のあとがきも心地好い。
    最初のうちはロック音楽やギターの話し、曲のコード進行が出てくるので、あまりにマニアックだと付いて行けるかな、と心配したけれど杞憂だった。総じて楽しめた。何より、処女作だという予備知識を持ってた読んだせいだろうが「書くのだ!!」という気迫が伝わってきて、その気迫に引き込まれて一気に読了。

  • 最初の事件だけでよかったんぢゃね?
    トリックには無理があるけど、嫌いじゃない。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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