子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 524
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760492

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    初めて読んだ時、この物語はすごく冷たくて怖い印象だった。
    でも改めて読んでみると、決して愛のない物語ではなくて、愛を強く求めている物語だと思い直した。
    結末はどんなだっけ。
    あの時は、この本はもう読まないかもしれないと思っていたけど。。月日が経つと、理解や感じ方が変わるもんなんだな。
    2017/09/20

  • 辻村さんの小説の中で今のところ一番の求心力だ。

    二年前に唐突に現れた謎の天才学生『i』。
    海外留学の副賞の付いた八大学で競った論文で、横から結果をかっさらった形の『彼』。
    それが自分の双子の兄であることを知った浅葱は『彼』に再開を望むが、『i』から色良い返事は中々貰えない。
    そんな中で起きる浅葱の過去を抉る出来事。それを解決、へと押し流した『i』は浅葱と会う条件に一つのゲームを提示した。
    殺人を互いに犯して行くそのゲームを呑むことにした浅葱はゆっくりと日々を蝕まれていく。


    物語のはじまりは月子という女の子が執着する狐塚は留学のかかったレースの優勝候補だった。彼が海外へ行くことへの気持ちの整理をしながら、彼が結果を待つ大学の研究室への階段を上っているところから始まる。
    派手な見た目と、キレのいい会話のできる月子の繊細さが気にかかる。彼女と狐塚の関係性を周りは彼氏彼女のように認識しているように書かれているけれど、どうも兄と妹のやりとりに見える。
    狐塚の同居人の恭二が狐塚にわざわざ月子を狙う旨を伝えるところとか。
    浅葱の容姿はとても少女漫画のような書かれ方だと思うけれど。それ以外はあまり気にならない。
    双子で兄は完璧で弟の自分を虐待する母親とかも少女漫画のようだけれど。

    気になるのは『i』の存在。浅葱のもう一つの人格でした、なんてオチではないだろうから一生懸命考えながら物語の渦に呑まれたい。

    上巻の一番気になってる箇所は浅葱の過去をえぐった人物の親友(だと思うんだけど…)が『i』に殺された時に過去に『i』を虐待した少年である、と思わせる書き方。でも浅葱には背中に火傷はない?そう思わせるように書いてあるのか…。
    そこも解決するのだと思いつつ、下巻は明日まで我慢しよう。

  •  高校生の突然の失踪事件、家出と世間は見るが、それが事件であることを大学院生の木村浅葱は知っていた。浅葱はある人物に会うため自らも殺人事件を起こしていく。

     なんとなくですが、まだ登場人物たちがぼやけている感じがあります。辻村さんと言えばやはり人の嫌な面(特に女性)を書くのが抜群に上手い、というイメージがあるのですが、今のところ、男性、女性ともにあまりそういう嫌な面(殺人の描写もあるのですが)は書かれていないからでしょうか。主要登場人物についてもそうなのですが、わき役の登場人物たちもどこか上滑りをしているような感じを受けました。

     でもやはりハッとなる描写もあるのが辻村さんらしいな、と思います。第二章の「蝶とキャベツ」の冒頭部分、浅葱とiの邂逅までの部分、月子の女友達との付き合い方など、辻村さんらしい鋭さを感じさせる文章も多いです。

     上巻はまだまだ話がしっかりとみえてこない印象。下巻でこの殺人劇にどういう結末が訪れるのか気になります。

  • 自分にないものを持っている人が、羨ましくなる・・・。

    その人みたいになりたくて、メイクを変えたり、髪型や服を変えたりする。

    でも、同じ事をしているのに、輝いているのは、いつも相手。

    他人が持っているからこそ、よく見えるのであって、自分が持った途端、みるみる価値が失せていく・・・。

    「誰か」になることで輝くんじゃなくて、自分にしかないものを大切にして、生きていきたいなと考えさせられた小説でした。

  • 2013.1.30 読了。久しぶりに読みながら泣きそうになりました。いつもながら心理描写がうまく、話しに引き込むのがうまい。「ぼくのメジャースプーン」→「名前さがし…」→「子どもたちは…」の順をお勧めします。テーマが重く、連続殺人で被害者が多かったかったから、ずっしりと重い読了感。恋愛要素ということに期待して読むにしては重すぎるし殺人ミステリで期待すると恋愛要素が邪魔するかもしれないです。私は読んでよかった。おそらく再読したいと思える数少ない本。少し長いけどお勧めします。

  • 誰がiなのか予想するけど、全員が怪しい。
    全員疑う。まさか、まさかまさか。
    続きが気になるんですよね。この方は天才ですね。

  • またしても深月さんにやられたーって感じ。
    冒頭の登場人物が全て出揃うまでは退屈感もなくはないけど、そこをしっかり読み込んで一気に駆け抜ければそこにはもう辻村深月ワールドが広がってる。

    ご飯を食べながら読むと、いやーなシーンもあるけど、やっぱり大好きな辻村深月作品。はやく下の方も一気読みしないと!!

    まだ上だけど、なんだかんだ登場人物が嫌いになれない。特に月子は本当に自分と重なる部分が多いし、私だったら(あんなことしてても)浅葱に簡単に惚れてしまうのだろうな…



    「自分にないものは、他人が持っているからこそよく見えるの。自分がそれを持った途端、みるみる価値が失せていく。そういうもの」

    「恋というのは、最初から追い掛けている方の負けなんですよ。」

    こんなのもう納得するしかない!っていう名言もこれ以外にもいっぱいあって、また読みながらたくさんメモ、メモ、メモ!! これだから深月さんの作品、読むのやめられない!!笑

  • 下巻まで読み終わってレビューを書いています。読み終わってから考えると色んなところにミスリードさせられる要素が散りばめられてありました。孝太と月子の煮え切らないような関係も、今思えばそういうことだったのか、と。
    辻村さんの作品はこれまで暗いながらもどこか光がうっすらと差してるような雰囲気だったのにこの作品はずっと藍色の闇の中にいるような感覚。作中に出てきた藍色の闇の中に自分もいるような、そんな感覚になりました。
    暗くてもやっぱり辻村さんの作品は登場人物が魅力的で。しかも今回はみんなの名前がすごく素敵。素敵なあたたかい名前を持つ彼らが闇に巻き込まれるのが苦しい。

  • 「i」は誰??読み初めから推理をしてるので退屈しないで読み進められます。

  • ミステリーで泣いてしまったのははじめてでした。
    浅葱の悲しくて残酷な過去とか痛々しい心や月ちゃんと紫乃の女の子同士の歪んだ心が表だって出てて、ミステリーというよりは少女マンガ的青春小説みたいでした。大人になる前の子どもたちの不安定で繊細な心がすごく丁寧に描かれていると思います。
    ただ、犯人がすぐにわかってしまったり後半の長々としたネタばらしというか、言い訳には少し残念だったけれど、月ちゃんの名字や恋心を抱いているホントの相手には見事にだまされちゃいました><

    最後のラストにはちょっぴり救われた気持ちと切なさがこみあげてきました。
    浅葱との月ちゃんの会話もそうだけれど、記憶喪失になった月ちゃんの中に、紫乃の存在がたしかに残っていたこと。これにはうるっときました。

    こういう学園ミステリーは人間関係が賑やかで楽しいけど、愛着がわいてきた同級生が殺されてしまったり、犯人が友達の中にいるのってちょっと悲しくなるなぁ。。
    でも、キャラクター小説としてはすごく楽しいです*

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞をそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第15回本屋大賞の大賞を受賞した。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

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