子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
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本棚登録 : 5746
レビュー : 641
  • Amazon.co.jp ・本 (569ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760508

感想・レビュー・書評

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  • 休みの日に一気読み。
    上巻は孝太、月子、浅葱、恭二の四人を中心として語り手もくるくる変わりながら関係性と個人の特性を読者に染み込ませる感じだったが、下巻は浅葱の独白、過去の語りに重点を置かれていたように思う。
    上巻の感想で書いた二つの疑問と推理?が当たってしまっていてちょっとがっかりもあったけれど、そんなことが些細なことであるくらい物語が素晴らしかった。
    今までの作品はなんとか堪えた涙が、後半にはどうしようもなく溢れていた。

    • フーミンさん
      はじめまして。

      akitukiyukaさんの『子どもたちは夜と遊ぶ』の上巻のレビューを読んで、なんて鋭い考察力なんだ!とびっくりしてい...
      はじめまして。

      akitukiyukaさんの『子どもたちは夜と遊ぶ』の上巻のレビューを読んで、なんて鋭い考察力なんだ!とびっくりしていました。すごいよ~!当たってるよ~!と言いたかったのですが、まだ下巻を読んでいない様子だったので我慢してました。

      私なんか、先を予想する事はしても細かい部分は何も考えないで読んでしまうんで、ちょっと羨ましく思ってしまいました。
      akitukiyukaさんの様な読み方が出来たら、また違ったおもしろさがあるんだろうなーと。

      すみません、興奮しておもわずコメントさせてもらいました。

      2014/06/06
  •  ゲームの進行に徐々に追い込まれていく浅葱だが、ⅰは無慈悲に浅葱を追い込みながらゲームを続けていく。そして浅葱は残酷な決断を迫られていく。

     ミステリのネタとしてはそこまで驚くべきものではなかったですが、やはり辻村さんの文章力、表現力はすごい、と思わされた作品です。

     上巻では説明的な文章も多く、テンポが遅かった印象ですが、下巻では浅葱が徐々に追い込まれていく様子がものすごく緊張感にあふれていて、月子とその友人たちの微妙な人間関係の描き方もしっかりと、そして何よりも第九章の浅葱の心理描写の迫真さは読んでいるこちら側も苦しくなってくるほどでした。

     ゲーム後の展開はとにかく切ない……。だれも悪い人はいないのになぜこうならざるを得なかったのか、人間の難しさ、運命の皮肉さについていろいろと思わされました。

     不満点を書くとすると、結局最後まで、いま一つ人物像をつかみきれなかった登場人物がいたことでしょうか。結構思わせぶりな雰囲気だったのに、結局その人物についてはあまり語られず、なんとなくモヤモヤとなってしまいました。

  • あとがきか何かに希望の残る最後だった、といった感じのことが書いてあったけれど、私はこの終わり方のどこに希望があるのかわからなかった.悲しい殺人を続ける浅葱とそれに気づいてしまった月子.月子を手にかけてしまった後に月子の気持ちを知った浅葱.そのときに「俺のことはどうなってもいいから月子をたすけて」と願った通り、浅葱は消えて、月子は一命を取り留めた.月子は浅葱に殴られた後のモノローグにあったように、「私と浅葱の間には何もなかった」と言う.その言葉通り、月子は目覚めたら浅葱のことをすべて忘れてしまっていた.挙句にiの正体は「本物の」浅葱で、実体がないのは今まで苦しみながら生きてきた浅葱のほうだと言うからもうどうしようもないなと思った.読んでてひたすらつらかった.

    話としては最後に全部伏線が回収されて一本の線になるのは純粋にすごいなと思ったし、読んでいてすっきりしたというか、そういう感じは確かにあったけれど、感情移入したまま読んでると苦しかった.誰も救われなさ過ぎて.ここまで登場人物に感情移入できるように書くっていうのもすごいことだとは思うんだけれど.浅葱がもうどこにもいないのが悲しい.

  • 誰しも弱みを持っている。それを見せられる人、見せられない人、気づく人、気づかない人がいる。たとえそれがどんな人であっても自分のアイデンティティを確立する為に、誰かに依存する(それは見える形には限らない)。そう思わずにはいられなかった。

    依存は、そこに相手への思いやりが多少なりとも存在すると思う。でも寄生はそれがない。一方的に搾取するだけ。自分は相手に何かを与えられているのか。相手にとってプラスになることを生み出せているのか。そんなことを考えてしまう一冊。


    しかし・・月子があまりにもいじらしい。「スロウハイツの神様」の環とそっくり。だからこそ最後が少しでもHappyで終わったことがとても嬉しかった。

  • 月子が浅葱を、浅葱が月子を想う気持ちがとても哀しく、もどかしかった。
    そして「冷たい校舎の~」に続き、見事に騙された。本当に様々な場面で!辻村さんの作品、大好きです。

    あと、私は「ぼくのメジャースプーン」を先に読んでいたので、あの時は謎のままだった秋先生の過去が知れてよかった。

  • ………痛い。とにかく、ただひたすらに、痛い。

    浅葱が愛しく仕方ない。そうなんだよ、私はこういう殺人犯とか真っ先に好きになるタイプなんだよね。でもそれ以上に彼はこの作品の中で最も「人間」だと思う。そこ、魅せられるんだよね、何故か。

    誰も救われないのかもしれないね、この作品。
    浅葱も月ちゃんもいなくなっちゃって。切ない。ただただ切ない。
    浅葱は消えてしまったし、彼を想っていた月ちゃん記憶はない。本当に浅葱は消えちゃったんだね。

    月ちゃん、月ちゃん。
    どうかどうか、浅葱のこと思い出さなくても良いから、ぎゅーって大事に大事に抱きしめていてあげて。どうしてもそう思わずにはいられない。

    読んでからもう随分経つけど、でも全然離してくれない作品。

    辻村さんの作品の中で、良い意味でも悪い意味でも非常に強い作品だと思う。

    • koshoujiさん
      初めまして。コメントを拝見させていただいたので。
      ──辻村さんの作品の中で、良い意味でも悪い意味でも“非常に強い作品”だと思う。
      この表...
      初めまして。コメントを拝見させていただいたので。
      ──辻村さんの作品の中で、良い意味でも悪い意味でも“非常に強い作品”だと思う。
      この表現、言い得て妙ですね。的確に作品の的を射た表現だと思います。
      確かに“強さ”という意味では彼女の作品の中で一番ですね。
      一児の母となり、どんな作品を彼女は今後送り出してくれるのでしょう。
      楽しみですね。
      2012/05/04
  • 辻村深月さんワールド全開!ミステリーはやっぱり調子が狂うなぁ。通勤電車の中でしか本は読まないのに、先が気になって寝る時間を遅らせてしまう。
    『人間には誰でも、大好きで泣かせたくない存在が必要なんだって。君が生きているというそれだけで、人生を投げずに、生きることに手を抜かずに済む人間が、この世の中のどこかにいるんだよ。』
    やっぱり私は好きだ・・・辻村深月さんが。

  • こんなにみんないなくなっちゃうなんて

    読み進めるのがしんどかった
    i と θ
    孝太くんと月ちゃん
    読み進めてまじか〜とびっくり
    まんまと嵌められた

    大学時代の浅葱
    好きだったんだけどなあ
    孝太くんより浅葱を選んじゃう私も
    やっぱり見る目がないのかな〜
    月ちゃんとのシーンは切なくて読んでて苦しかった

    全ての謎が解けた後、
    孝太くんと浅葱がすれ違った後、
    その後どうなっていくのかが気になる
    月ちゃんは全てを思い出したのかな
    浅葱はどうなったのかな

  • メジャースプーンに続いて読んだ。
    順番としては間違ってるみたいだけど、これだけでも楽しめると思う。
    予想以上に重い話でびっくり。
    登場人物が微妙な感じなのでスプーンの方がすき。

  • 浅葱が切ない。ラストは正直読めてた部分があるけど、浅葱が月子に救いを求めてた一方で、月子も浅葱が好きだったとわかったのが衝撃。
    カッコ悪い姿を見てしまった時、人を好きになるっていうのにすごく「ああぁ」ってなった。
    後味悪い作品だなと思ったけどエピローグで救われた。でも人死にすぎるし、描写グロいし、心理描写も辛いし、読んで疲れた…
    辻村深月さんの本で、ここまで悪い意味で心をグシャグシャにする話を想定してなかったのもあり、引きずりに引きずっている。

著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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