笑い犬 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 74
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760768

感想・レビュー・書評

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  • 大部分が刑務所内の生活描写で占められている。
    これがリアルなのか創作なのかも分からず、肝心の復讐譚がほんの少ししかなく、何がメインなのか良く分からなかった。
    腐敗権力に立ち向かう市井の弱者という構図は西村氏らしかったけど、このモヤモヤはオダケンのようなスーパーヒーローがいないせいか?

  • <作品紹介>
    『劫火』の西村健が、またやった! 会社をかばって塀の中に
    転落した銀行マンが絶望の果てに浮かべた笑みが、卑怯で小狡い"勝ち組"をおの
    のかせる......刑務所小説と企業人小説と家族小説の革新的融合、ここに誕生す。

  • メガバンクの支店長・芳賀は、ある日突然上層部に裏切られて、刑務所に入れられてしまう。会社をかばって沈黙を守り、精神的に追い詰められた芳賀は、自分も知らないうちに笑っていた。その「笑み」が、卑怯で狡猾な「勝ち組」をおののかせる―刑務所小説と企業人小説と家族小説を、革新的に融合した力作。




    世の中には関わらないほうがいいようなときも多々あるのでしょうね。。。

    そして、意味がないというか必ず何かがあるときにはそこに理由があったりするものです。
    真実やその理由を理解することができればきっと自分にとってプラスに働くことも多いような気がします。。。

  • オダケンシリーズ!! 好きでしたねー。
    当時は分かりやすいハードボイルドとして
    かなり好きでした。

    その作者の社会派タッチの新機軸なのですが...
    作品全体の中で刑務所の細かい描写が占める
    割合が多すぎて...ウンザリ。
    そういう事を主題にするなら、わざわざ小説にしないでくれ(笑)。
    なんか騙された気分(笑)。

    ラストも余りにもお粗末な安易な着地だし。
    寝ないで読んだ時間返せー(笑)。

  •  東京拘置所や八王子刑務所での生活描写はリアルで興味深かったが、主人公が"笑い犬"になっていった理由づけが弱い。後半は刑務所を出た主人公の復讐劇でも始まるかと思いきや、周りがお膳立てしてくれたストーリーで話が進み、いつのまにかハッピーエンド。
     欲求不満のまま終わってしまったので、監獄小説で今のところいちばん面白かった、ミッチェル・スミスの『ストーン・シティ』をあらためて読み返したくなった。

  • 守っているつもりでいた銀行に裏切られたエリート銀行員が刑務所に入れられ、すべてを失っていく。身についたのは「笑い顔」。まあどうしようもない状況に陥った時に人は笑うしかないとよくいうけど、その笑い顔が固定されてしまうわけ。エリートの転落が上手く表現されている。刑務所内でその不気味な笑い顔がやくざの親分に気に入られて、人間としての誇りを取り戻していく。出所後、自分自身を取り戻す戦いを始めて、銀行の闇をさらけ出すことに成功。失っていった物を取り戻していく。人生のやり直し小説でもある。こう書くと面白そうなんだけど、なんかいまいちツメが甘いんだよなあ

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著者プロフィール

1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒業。労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライターに転身。96年、『ビンゴ BINGO』で小説家デビュー。『劫火』『残火』で2005年と10年に日本冒険小説協会大賞(第24回、29回)、『地の底のヤマ』で11年に第33回吉川英治文学新人賞と第30回日本冒険小説協会大賞を受賞。14年、筑豊ヤクザ抗争を描いた『ヤマの疾風』で第16回大藪春彦賞受賞。他の著書に『光陰の刃』『最果ての街』『目撃』『激震』などがある。本作は『バスを待つ男』に続くシリーズ第二弾。最新刊は、シリーズ第三弾の単行本『バスに集う人々』。

「2023年 『バスへ誘う男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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