クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760775

作品紹介・あらすじ

人を愛することは容易いが、人を愛し続けることは難しい。人を殺すことは容易くとも、人を殺し続けることが難しいように。生来の性質としか言えないだろう、どのような状況であれ真実から目を逸らすことができず、ついに欺瞞なる概念を知ることなくこの歳まで生きてきてしまった誠実な正直者、つまりこのぼくは、五月、零崎人識という名前の殺人鬼と遭遇することになった。それは唐突な出会いであり、また必然的な出会いでもあった。そいつは刃物のような意志であり、刃物のような力学であり、そして刃物のような戯言だった。その一方で、ぼくは大学のクラスメイトとちょっとした交流をすることになるのだが、まあそれについてはなんというのだろう、どこから話していいものかわからない。ほら、やっぱり、人として嘘をつくわけにはいかないし-戯言シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 【図書館本】終章で大どんでん返しを喰らわせられた本巻。意外な結末に驚きの連続でした。そして零崎人識、かっこよかった。名言とも呼べる「殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」、このセリフに痺れました。そして巫女子ちゃん。どことなくふわふわしていてかわいい印象とは裏腹に激情的。嫌いじゃないけど動機がな……。本人は真面目だったんだろうけど。女って怖いですね。次巻も楽しみです。

  • 「戯言」シリーズ第ニ弾。

    日本へともどってきたいーちゃんは、京都の街を震撼させる殺人鬼の零崎人識(ぜろさき・ひとしき)に襲われ、さらにそのことがきっかけで、人識を追っている哀川潤(あいかわ・じゅん)とも深くかかわることになります。

    その一方で彼は、葵井巫女子(あおいい・みここ)という明るい少女にさそわれて、おなじ大学に通うクラスメイトの江本智恵(えもと・ともえ)の誕生日パーティに参加します。ところが、パーティのあと、智恵が殺害されるという事件が起こり、その真相がしだいに明らかになっていくとともに、いーちゃんとクラスメイトたちとの関係も、思いがけない方向へと動いていくことになります。

    前作に引きつづいて、「セカイ系」のライトノベルに対する批評性がはっきりと示されている内容でした。またこの巻も、哀川と人識という異能力者が登場するものの、ストーリーの本筋自体はおおむねミステリとしての枠内に収まっており、いーちゃんの語り口にストレスを感じないひとであれば、比較的すなおにたのしむことのできる内容だと思います。

  • いーちゃん、久しぶり。本当に、戯言だったね。
    青色サヴァンが全然出てこなくて驚いたよ。

    「ぼく」は級友の葵井巫女子から、彼女の親友・江本智恵の誕生日パーティーに誘われる。それと同時に、世間を騒がせる連続殺人犯・零崎人識と邂逅する。貴宮むいみ、宇佐美秋春を加えた4人とパーティーで過ごした翌日、警察が「ぼく」にある事件についての話を聞きに来た。・・・

    違和感。
    どこか落ち込んでいない巫女子ちゃんに。
    巫女子ちゃんを責め立てるようないっくんに。
    色恋沙汰を優先しているようなむいみちゃんに。
    巫女子ちゃんの死体を見て体調を崩したいっくんに。

    その違和感は、一回解けて、やっぱりもう一回裏返されて。前作と同じ。一回判ったって安心しちゃうと、そこから考えるのやめてしまうんだよなぁ。赤に覆される度に、それに気づくよ。


    殺人犯と殺人鬼の違いはともかくとして、印象に残ったのは「責任」とか「影響」とか「迷惑」とかいう言葉。誰々のためにやってあげたという責任転嫁。人に好かれるはずがないだの、周りに影響を与えただの、人に迷惑をかけるだのといった「人間関係を構築する要素」。

    どうしても人とかかわらないと人は生きていけないから、不便だ。「人のため」を「責任転嫁」と捉えたことがなかったから新鮮だった。残業する、人の分まで働く。誰かのため、あの人のために。それは「やらない」っていう選択をできなかった自分の責任を放棄しているんだ。

  • 戯言シリーズ第二弾。すごくややこしい言い方になるが一度自分の中でこういう展開だろうというものができて裏切られ、驚きの真相が見え一度納得してから最後に驚きのさらには一度納得した時以上の新事実が明らかになるというのがこのシリーズの特徴かなと思う。ひどい言い方をすれば言葉遊びなんだが矛盾なく嘘無く物語を進める点はすごく評価できる作品なのではないか

  • いやぁ、痛い、痛い・・・。しっかし読ませるなぁ。ただ、いっちゃんの戯言などは、傲慢で自意識過剰で、俺様的で、ものすごく鼻につくんだけれども。どうして他の人間を自分の視点、価値観からしか見ないんだって思うけど。それでもなんだろう、文章にリズムがあって、分厚いのにするする読める。無差別殺人をする零崎に対するいっちゃんは、他の人たちに上から目線で言ってることと矛盾していないか?!

  • 久しぶりに読んでみたシリーズ第二弾。<戯言シリーズ>の中でも最高傑作なのではないかと言われる本作は、確かに10年前は衝撃を受けたけれども、面白いもので今読み返してみると一作目のほうが良く出来ているように思う。

    というのも、確かにすでに結末を知っているから衝撃をあまり受けなかったというのは確かにあるのだが、それ以上に読み返してみると予想以上に主人公のいーちゃんが率直にウザくてウザくてしょうがなかったのだ。まさに厨二病を地で行く男、いーちゃん。男のメンヘラの代表、いーちゃん。西尾維新のキャラは少なからず厨二病的なのだが、本作のいーちゃんは異常な割にメンタリティがナイーブすぎて、それが今の僕には少し鼻につきすぎるのかもしれない。

    まあとはいえ、初読であれば充分に衝撃を受けることは出来るような気もするし、ただのありがちなエロゲ主人公じゃないということを証明しただけでも本作の価値は充分残っているだろう。しかしこの本は作者いわく2,3日で書き上げたとのことで、そのことが本作の内容以上に作者のヤバさを物語っている気がする。

  • クビキリサイクルより文章が面白くなってきた気がします。
    いーちゃんが巫女子ちゃんを言葉でおちょくる場面がかわいくて好き。


  • 1作目よりは驚きが落ちるが、それでもやはり面白い。
    巫女子ちゃんが最初ウザイと思ったけど、いーたんの「甘えるな」の一言に笑ってしまった。ちょっと可哀想なのが彼女のキャラに合ってる。

  • トリックを描きたかったわけではなく
    人間の性みたいなものを描きたかったのはわかる

    好きだが前作の方が好き

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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